5・5・7 電界強度の測定
ある場所における電波の強さは電界強度又は磁界強度で表せる。電界強度は1m離れた2点間の電波の強さの差で表せるので単位が(V/m)となる。
電界強度E(V/m)の空間にアンテナ係数AFのアンテナを置くときアンテナに誘起する電圧Vとの間には
の関係がある。アンテナ係数AFが知られているアンテナで電波を受信したときのアンテナ出力電圧Vが測定できればその場所の電界強度Eは(5・58)式から
E=AF・V (5・59)
として求められる。図5・33にアンテナ係数による電界強度測定系を示す。電波が大地や壁などから反射して直接波に混入すると誤差を生ずる。
電磁両立性EMCにおいてある機器から放射される不要電波の強さの測定は大地反射波の影響を考慮したアンテナ係数を用いて放射電界の強さを測定する。
図5・33 アンテナ係数による電界強度測定系
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電界強度測定器は標準アンテナ、比較信号発生器、受信機と出力計を組み合せた構成により長波、中波及び短波帯の電界強度を測定する機器である。図5・34に電界強度測定器の構成図を示す。
図5・34 電界強度測定器
電界強度E(dB)の電波を実効高Hのアンテナで受信するようにスイッチを(1)にする。受信機の利得G(dB)を調節して出力P(dB)が規定値となるようにする。スイッチを(2)に切り替えて比較信号発生器から電界と同じ周波数を発生する。その出力E0(dB)を減衰器を通して受信機に加えて出力計の読みが同じP(dB)となるように減衰度α(dB)を調整すると電界強度E(dB)は
E+H+G=E0-α+G=P (5・60)
より
E=E0-α-H(dBμ) (5・61)
として測定できる。電界強度(dB)は1μVを基準とした(dBμ)で表示される。ループアンテナの実効高H(dB)は
である。ここでAはループアンテナの面積、Nはループアンテナの巻数、πは円周率、λは波長を表す。
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