練習問題の解答
第1章
(問1)船舶安全法
総トン数300トン以上500トン未満の旅客船及び危険物ばら積み船等
(問2)
a)20、 60、 7、 6、
b)1.5、 2、 50、 100、 2.5
(問3)
イ)自船からの距離
ロ)真方位
ハ)最接近地点における距離
ニ)最接近地点に至る時間
ホ)真針路
ヘ)真速力
第2章
(問1)
*航海用レーダーによる物標の理論的な可能探知距離(R)は、次式により示される。
*また、最小探知距離は
R=ha/tan(θ/2)=5.9/tan15°=22(m)・・・(答)
(問2)受信機のマイクロ波ダイオードに対する保護対策が必要である。
1)2台の空中線を、お互いの電波によって焼損しないように放射角を避けて配置する。
2)焼損防止回路を入れる。
(問3)
* 直線部1mにつき0.1(dB)
これが15mあるので合計1.5(dB)
* ベンド1コについて0.15(dB)
これが3コあるので合計0.45(dB)
* ツイストは1コで0.3(dB)
従って1.5(dB)+0.45(dB)+0.3(dB)=2.25(dB)で合計2.25(dB)となるが、レーダーの場合は電波はここを往復するので2.25(dB)×2=4.5(dB)の減衰となる。
第3章
(問1)
(1)空中線部をプラットフォームに積み込むときには、空中線の各部に傷をつけないように、また、衝撃を与えないように注意すること。
(2)空中線ペデスタルの取付方向は、電波ふく射器が船首方向を向いたときに、船首輝線用のマイクロスイッチの調整のやりやすい方向を、駆動モーターが水平に取り付けられているときには、モーター軸がキールラインと平行になる方向を、また、水防栓口が船尾を向くような方向を選ぶこと。
* 駆動モーター軸は、キールラインに平行な方向に設置した方が寿命の点から好ましい。また、水防栓口は船尾方向に向けた方が雨水の浸入に対して有効である。
(3)空中線部へのケーブルは1(m)〜1.3(m)間隔でクランプし、ケーブルの導入部では栓口の近くでクランプして、不必要にケーブルを余らさないこと。空中線部は、船体の中で最も振動の激しいところに属するので、ケーブルのクランプは確実に行う必要がある。
ケーブル導入部も余分なケーブルがあると、長期にわたる船の振動でケーブルが疲労し、硬化して切断したり、切断しなくても絶縁層に亀裂を生じ、漏電の原因になったりする。
(4)導波管は、ペデスタルへの導入口の直前で機械的な無理が掛からないようにクランプしておく。マストが大きく揺れるようなときには30(cm)程度のフレキシブル導波管を用いてもよい。機械的な無理がかかると亀裂を生じ、浸水する可能性がある。
(5)ペデスタルの回転停止用スイッチがある場合には、これがペデスタルに取り付けられている場合でも、あるいは別箱になっている場合でも、プラットフォームへの入口付近に位置するようにした方がよい。プラットフォームに入る前や、出てからこのスイッチの操作ができるようにしておいた方が安全上好ましい。
(6)ペデスタル本体及び導入ケーブルについては完全な接地を行う必要がある。感電防止と雑音防止のため、必ず施工する必要がある。ペデスタルに接地専用のボルトがある場合にはこれを利用するが、これのないときには、脚部の塗装をはがして船体金属部に十分接触させてから完全に締め付ける。この後、この部分にさび止めペイント等を塗ってさび止め処理をし、さびによってここの接触が損なわれないようにする。
(7)完全防水とするための十分な配慮が必要である。空中線部への浸水には、呼吸作用による水の吸い込みもあるので、わずかな透き間が浸水の原因になる。したがって、ケーブル導入部には防水パテを、導波管の導入部や接続部には、シリコン系のコンパウンドを十分塗っておく。また、ペデスタルカバーは、内部のガスケットを挟み込まないように注意しながら、全体を平均に締め付ける。
(問2)
(1)運輸省の検査基準
導波管に50〜100kpa(0.5〜1.0kg/cm2)の圧力を30(分)以上かけ、内気圧が10(%)以上減少しないこと。
(2)作業手順
a)空中線と導波管を分離し、パッキングゴムを介して盲板を取り付ける。
b)バルクヘッドフランジの屋外部(通常この場所にテフロンシートが挿入されていて、EベントかHベントで曲げられている。)のベンドを取り外し、ここから空気を送り込み、コックを閉じてから30(分)以上放置して、圧力計の変化を読む。
c)圧力計の読みが10(%)以上下がらないことを確認したら、取り外した箇所を復旧する。ガスケットやテフロンシートを忘れずに挿入し、確実に接続すること。
(問3)室内に装備された導波管内の、暖められた空気が、室外部分の導波管の方へ移動して、この室外の導波管や空中線のペデスタルが、冷たい外気で冷やされると(特に雨等に当たって濡れているところに風が吹き付けると、気化熱が奪われて急速に冷やされる)、導波管内の空気は収縮して負圧となり、もし少しでも透き間があると、そこから雨水を吸い込み、また、内部の湿気が結露して、中に水がたまるようになる。一度内部にたまった水は再び出ていくことはなく、エネルギーを吸収して、そのエネルギーロスが無視できなくなる。
これを防止するため、導波管が室内から室外へ貫通するバルクヘッドフランジ部、及び、空中線部の出口部分とに、それぞれテフロン等のシートを挿入して空気の流通を遮断する。
シートには、0.2〜0.5mm程度の厚さのものを使用する。また、空中線ペスデタルに“ふた”をするときには、パッキング等を挟み込まないように、かつ、これらのパッキングが均等に締まるように十分注意する必要がある。
第4章
(問1)故障箇所を発見するには、まず、機能の全体的な面から問題点をとらえ、次に回路系統に区分し、最後に細部に及ぶように系列的に調査する必要がある。故障に至った派生的な、あるいは二次的な原因のみに対処しても、一次的な原因(本当の原因)を取り除くことはできない。
修理工事は、このような手順によって原因を究明してから行なわなければならないが、まず、作業に入る前に手持ちの部品等からその修理の可否を判断し、もし、高価な部品やユニットを交換する場合には、船主や造船所の承認を得る必要がある。
(問2)
(1)二次反射による偽像は、マストやデリック、煙突等が鏡となって電波を反射するために起こる障害である。したがって、これらの偽像は、そのマストや煙突のある方向に現れる。
(2)陰は、空中線の近くにある煙突等がレーダーの放射ビームを遮るために起こる現象で、そのマストや煙突のある方向に現れる。陰の有無を調べるには、海面反射や雨雪反射等の一面の広がりを持った映像を見て、その像に薄い部分か、あるいは見えない部分があるかどうかによって判断する。このような陰は、船が旋回しても常に一定の方向に現れるので判断できる。
(3)同一の周波数帯を使用する他のレーダーが近くにあると、相互干渉によって映像面に多数の斑点が現れることがある。この斑点はいろいろな現れ方をして、同じ位置に現れることはないので、一般の物標の映像と判断することができる。
(問3)距離レンジ、表示方式の切替え後、1回目【H9.1.1以前に装備のものは4回目】の走査で、ARPA情報が表示されること。また、ベクトルを表示させた状態でレンジスケールを変化させても各ベクトルが消滅せず、かつ、各ベクトルの長さも距離レンジに応じ正しく変化すること。
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