日本財団 図書館


第6章
(問1)
(1)相対運動表示(RM表示)
 自船の位置(PPIの中心)は固定され、すべての物標は自船に対する相対的な動きとして表示される。そのため、自船に対する物標の動きを判断するのに適している。
(2)真運動表示(TM表示)
 動いている物標は、それぞれの移動方向にその各々の速度に比例して移動状態が表示され、停止している物標や固定物標は、その位置に止まって動かない。したがって、移動物標と固定物標の識別が容易であり、ブイ等の固定物標を小舟と見誤ることが少ない。
 
(問2)
(1)ヘッドアップモード
 自船の針路方向が常に画面の真上方向(0°方向)となる。いわゆる相対方位表示である。したがって、画面と視界との対比が容易で、大洋の航行に適している。
(2)ノースアップモード
 常に画面の真上に真北を表示する、いわゆる真方向表示である。従って、自船の針路は真北に対して表示され、海図との対比が容易である。沿岸の航行に適している。
(3)コースアップモード
 自船の針路は画面の真上に表示される。自船の設定針路が変化すると、その針路からの変化分だけ船首線が右又は左に偏向するが、映像そのものは回転しないので映像ににじみ等がなく、更に画面と視界との対比もやりやすく、見やすい画面を得ることができる。
 
(問3)
(1)第一段階:(レーダーの情報からの目標の検出)
 レーダーの情報から目標を手動又は自動で捕捉し、データ処理部へ転送する。
(2)第二段階:(捕捉した目標の追尾)
 捕捉した目標の、時々刻々と変わる位置のデータを、先に検出したデータと比較して同一目標であることを判定し、同一目標ごとにそのデータをファイルする。
(3)第三段階:(衝突の危険性についての判定)
 第二段階で追尾し、ファイルした同一目標の位置のデータから、その目標の速度と針路を算出、すなわちCPAとTCPAとを計算し、あらかじめ自船の状態に応じて設定してあるmin CPA及びmin TCPAと対比して、その目標と衝突する危険性の有無を判定する。
(4)第四段階:(表示)
 以上の処理されたデータは、CRTの映像の上にオーバーラップされ、ベクトル等のシンボルでその状態が表示されたり、LED等によるデータの表示、あるいは音によって観測者に知らされる。
 
第7章
(問1)
(1)TUNE(同調)スイッチを手動に切りかえる
(2)TUNE(同調)つまみの頭を軽く押し、つまみを出す。
(3)48マイルレンジで送信する。
(4)A/C SEA(海面反射抑制)つまみ及びA/C RAIN(雨雪反射抑制)つまみを左いっぱいに回しておく。
(5)TUNE(同調)つまみを素早く2〜3回時計方向に回した後、反時計方向にゆっくり回して同調指示マークが最も長く現われる点を探す。
(6)感度の調整はGAIN(感度)つまみを右に回して調整する。その際、遠方の物標を観測する場合はノイズがわずかに出る位置がよいが、比較的近距離の物標で、反射が強い場合や、物標が密着しているようなときは多少GAINを下げる。なお、近距離でも感度を高めに設定し、A/C SEA(海面反射抑制)つまみで調整した方がよい場合がある。
(7)BRILLIANCE(輝度)つまみを時計方向に回して、ノイズが見え始める程度に調整する。その際上げすぎないように注意する。
(8)海面反射が観測に支障をきたす場合は、A/C SEA(海面反射抑制)つまみを右に回し、海面反射を除去する。この場合、小物標が海面反射の中で識別でき、かつ、それが消える寸前より少し手前のところにセットする。
(9)雨雪反射が観測に支障をきたす場合や近接した輪郭のはっきりしない映像の場合は、A/C RAIN(雨雪反射抑制)つまみを右に回し、雨雪反射を除去する。この場合、右に回しすぎると弱い物標まで消えてしまうので注意する。
 
(問2)
(1)カーソルオフセット機能(EBL OFFSET)を使って行う方法
(2)オリジンマークを使って行う方法
 測定方法は7・2項の20を参照すること。
 
(問3)
(1)単一物標の方位を測る場合
 カーソル線をその物標の中心に合わせて測る。
(2)物標の一端の方位を測る場合
 島等の一端を測る場合は、映像に端から1/2ビーム幅だけ内側にカーソル線を合わせる。
 
第8章
(問1)
(1)本船配電盤のレーダー用の電源スイッチ及びレーダー表示器の電源スイッチを断(OFF)にし、表示器操作パネルと空中線マスト下部(2ユニットの場合)に[作業中]と表示する。また、できる限りスキャナーモーターのヒューズを抜く。
(2)帯磁を嫌うものを近づけない。
(3)工具はできるだけステンレス製などの非磁性の工具を使用する。
(4)落下させないように確実に保持する。
(5)交換後、初めて動作させるときは、スタンバイの状態で、予熱時間を30分以上とってから動作させる。
(6)スキャナーカバーを外すときは、各取付ボルトを少しずつ均等に弛めながら外す。また、スキャナーカバーを取り付けるときは、各取付ボルトを少しずつ均等に締め、最後にはボルトが動かなくなるまで締める。
 
(問2)
(1)本船配電盤のレーダー用の電源スイッチ及びレーダ表示器の電源スイッチを断(OFF)にし、表示器操作パネルと空中線マスト下部(2ユニットの場合)に[作業中]と表示する。また、できる限りスキャナモーターのヒューズを抜く。
(2)MICを交換するときは、他のレーダー波がMICに入り込まない室内で作業する。
(3)スキャナーカバーを外すときは、各取付ボルトを少しずつ均等に弛めながら外す。また、スキャナーカバーを取り付けるときは、各取付ボルトを少しずつ均等に締め、最後にはボルトが動かなくなるまで締める。
 
(問3)
(1)衝撃を与えないよう、指定の箱に収納すること。
(2)蛍光面すなわちCRTの表示面が下になるようにして保管すること。これで蛍光剤のはがれることを防止する。
(3)CRTによっては、強磁性体の側には置かない方がよいものがある。CRTの材料に磁化されるものが使われている場合には、その一部が磁化されると、画面にひずみを発生する原因となる。
(4)湿度の高いところには保管しないようにする。
 
第9章
(問1)
(1)指示部の電源基板の不良
(2)CRTの不良
(3)SPU(信号処理)基板の不良
 等の故障があげられる。
 
(問2)
(1)送受信部内のヒューズの溶断
(2)マグネトロンの不良
(3)空中線ケーブルのトリガラインの断線または接触不良
 等があげられる。
 
(問3)
(1)マグネトロンの不良
(2)MICの不良
(3)IFアンプ基板不良
 等があげられる。
 なお、3ユニットでは、さらに次の原因が考えられる。
(1)導波管内部の水
(2)導波管のへこみ(変形)
(3)導波管接続部のゆるみ


前ページ 目次へ





日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION