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第4章
(問1)
 
 
(問2)0.5(海里)は1,852(m)÷2=926(m)であって、0.5(海里)を電波が往復する時間(μs)は、
 926(m)/300(m/μs)÷2=926(m)/150(m/μs)=6・17(m/μs)
であるから、0.5(海里)間隔の固定距離マーカは、6.17(μs)毎のパルスである。
 また、このために必要な発振周波数は、1(秒)÷6.17(μs)であり、1(秒)は106(μs)であるから、
106÷6.17=162,075=162(kHz) 約162(kHz)・・・(答)
 
(問3)
(1)STC回路
 海面反射を抑制する役目で、近距離の感度を下げ、距離が遠くなるに従って段々感度が上がるようにしている。その波形は図のようになっていて、中間周波増幅器の感度をこのように変えている。
 
STC回路
 
(2)FTC回路
 雨や雪等からの反射波の映像を消すための回路で、微分回路ともいわれている。ビデオ増幅においてエコーの信号を微分すると、物標の信号のような立ち上がりの鋭い信号は強く現れ、雨や雪のようになだらかな信号は消えることになる。
 
FTCの効果
 
第5章
(問1)自船の船首方向(進行方向)がCRTの画面上の真上方向を0度とする相対方位表示に対して、真方位表示は真北を常にCRTの真上方向とし、その真北に対して自船の進行方向(β)が表示される。したがって、海図との対比が容易である。
 真方位装置は、図示した基本構成図のように空中線からの回転信号である船首方向を0度とする相対方位信号と、ジャイロコンパスによって回転するレピータモーターからの信号である船首方向(β)との差を差動発振器で検出し、その差の信号をサーボアンプで増幅してサーボモーターを回転させ、それに連結された偏向コイルによってスイープを回転させる。このため、スイープは船首方向から(β)だけCRTの真上方向からずれて出るように回転する。
 
真方位装置の構成
 
相対方位表示
 
真方位表示
 
(問2)円偏波を利用した方法である。円偏波は空中を旋回しながら伝搬し、雨滴で反射されると旋回方向の異なる円偏波となって帰ってくる。これが空中線内のサーキュライザを通ると、送信波と90°方向の異なる垂直偏波に変換されて受信が困難となる。一方、一般の物標からの反射波はだ円偏波となって帰ってくるが、これはサーキュラィザを通過しても送信波と同じ成分を相当含んでいるので受信することができる。また、雪についても、ほぼ同様の理由で軽減することができる。
 
(問3)レーダー・パフォーマンスモニターはレーダーアンテナの近くに設置し、マグネトロンの劣化や受信感度の低下等を検査・監視する用途に使用される装置で、レーダー送受信機の送信出力の低下状況の監視と受信回路の受信感度の状態を判断するための極微弱なマイクロ波を送信する機能を持っている。
 レーダー・パフォーマンスモニターはレーダーの性能を判断するものなので、レーダー本体側を所定の動作状態に設定しておくことが必要である。
 従って、レーダー本体側は次に示すように設定する。
・レーダーの距離レンジは24マイルに設定する。
・輝度は中程度とし、上げ過ぎないように調整する。
・感度は画面上に雑音が少し映る程度に設定する。
・STC及びFTCは「最小」若しくは「断」の状態とする。
・同調を調整し最良状態にしておくこと。


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