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船舶電気装備技術講座 〔機器保守整備編〕 (レーダー)

 事業名 船舶の電気装備に関する技術指導等
 団体名 日本船舶電装協会 注目度注目度5


1・5 パルス
 波高率(交番波形の最大値と実効値との比)の大きい波をパルス波という。パルスは同じ波形が繰り返し続くものであるが、特に一回きりの単一波形をインパルス(衝撃波)という。
(1)パルス幅
 図1・5に方形パルスを示す。この図は理想的なパルス波形で、パルス振幅が最大値に達してから、終了するまでの時間ABをパルス幅といい、通常τ(タウ)の記号で表す。単位はs又はμsである。
 
図1・5 方形(矩形)パルス
 
 実際の波形は、底部DCと頂部ABの幅が異なるので、パルスの立ち上がりDAと、立ち下がりBCにおける振幅の、約70%に相当する二点間の幅を、パルス幅τとすることが多い。
 レーダーで距離を正確に測定するためには、送信パルスの波形ができるだけ方形波に近いことが望ましい。一般に、立ち上がりは立ち下がりよりも容易に鋭くできるので、距離の測定には、立ち上がりを利用している。
(2)パルス繰り返し周期
 一つのパルスの立ち上がりから、次のパルスの立ち上がりまでの時間(パルス間隔)を、パルス繰り返し周期といい、パルス繰り返し周期をT、パルス繰り返し周波数をとすれば、次の関係がある。
 
 
(3)休止時間
 一つのパルスが終わった直後から、次のパルスが送出されるまでの時間を休止時間といい、
休止時間=パルス周期−パルス幅
で表される。レーダーでは、この時間中には送信パルスの送出は休止されている。この休止時間は、最大探知距離内にあるすべての物標からのエコーを受信し終るまでの次のパルスが発射されないよう、十分に長いことが必要である。
(4)パルス繰り返し周波数
 一定の周期で繰り返されるパルスの、毎秒当たりの数を、パルス繰り返し周波数という。一般に、レーダーのパルス繰り返し周波数は、数百ヘルツから数千ヘルツ程度のものが多く用いられている。
(5)電力
 パルス波の電力を表すには、尖頭電力と平均電力の2種類がある。レーダーは、発射電波が物標に当たって反射する電波を利用しているので、尖頭電力が大きい程、探知距離が増大することは、レーダー方程式によっても明らかである。パルス波の電力の尖頭電力と平均電力の関係を図1・5に示している。
 レーダーは、極めて短い時間の間だけパルス波を発射し、次のパルス波が発射されるまで休止していることになるので、パルス波発射時の尖頭電力Ppをパルス繰り返し周期Tにわたって平均すれば、平均電力Pm〔W〕が得られるが、この値は尖頭電力に比べて相当小さな値となる。尖頭電力と、平均電力との関係は次のようになる。
 
 
(6)衝撃係数(Duty cycle)
 一般に、パルス幅とパルス繰り返し周期との比を衝撃係数といい、次式で表される。
 
=パルス幅τ×パルス繰り返し周波数
 
 従って、(5)の平均電力は次のようにも表される。
平均電力Pm=尖頭電力Pp×衝撃係数K
 
練習問題
(問1)RADARは何の略かを述べよ。
(問2)Aスコープレーダーとは何か。図を書いて説明せよ。
(問3)1海里にある他船の反射信号は何μs後に受信されるか。
(問4)パルス波における、パルス幅とパルス繰り返し周期及び尖頭電力を図示せよ。


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