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船舶電気装備技術講座 〔電気艤装設計編〕 (中級)

 事業名 船舶の電気装備に関する技術指導等
 団体名 日本船舶電装協会 注目度注目度5


2.3.2 配電盤
(1)配電盤
 配電盤は、一般に、鋼製の自立形で、盤の前後面には操作保守が容易なように適当な空所を設け、また、絶縁性の敷板を備えなければならない。
 盤の構造は、前記の自立形が基本となるが、最近の自動化された船では、監視、制御の機能を盤に組み込んだ、いわゆるコントロールデスク形の配電盤も採用されている。
 従来、配電盤は、一般に単一母線方式として、主・補発電機、各給電線が同一母線に接続されていたが、最近は短絡事故を局限するために発電機母線を真中にし、給電母線を左右に分割して断路装置で接続できるようにした区分母線方式の採用が検討され、この方式を採用した船が増加しつつある。この場合、同一用途の1号、2号機はそれぞれ左右の母線に分割して接続される。
 この例を図2.6に示す。
船舶設備規程及びNK規則では次のように規定されている。
 
1. 船舶設備規程(第219条)
(1)外洋航行船、外洋航行船以外の旅客船(係留船を除く。)、係留船(管海官庁が当該係留船の係留の態様を考慮して必要と認めるものに限る。)、国際航海に従事する総トン数500トン以上の漁船及び機関区域無人化船(限定近海貨物船にあっては、機関区域無人化船に限る。)の主配電盤の母線は、断路器を備える等管海官庁が適当と認める方法により分割することができるものでなければならない。ただし、外洋航行船(限定近海貨物船を除く。)以外の船舶の主配電盤に接続する発電機の合計容量が3メガワットを超えない場合には、この限りでない。
 
図2.6 配電盤区分母線方式例
(拡大画面:15KB)
 
(2)発電機その他の電気機械及び電気器具は、前項の母線の分割したそれぞれの部分にできる限り均等に接続しなければならない。
2. NK規則(H編2.5.3)
 主電源装置が船舶の推進に必要な場合、主配電盤の構造は、次に適合するもの又はこれと同等以上の効力を有するものでなければならない。
(1)発電機盤は、各発電機に設け、各発電機盤の間は鋼又は難燃性の隔壁で仕切られていること。
(2)主母線は少なくとも、2母線に分け、遮断器又は他の承認された方法(※)によって連結しておくこと。また、実行可能な限り、発電装置及び二重装備の重要用途の機器は各母線に均等に配分されていること。
(※ 「他の承認された方法」とは、
(1)引き外し要素のない遮断器
(2)断路装置
(3)母線を連結するボルト締め連結銅帯(取り外し可能なものを含む))
 
(a)母線及び接続導体の電流容量
 母線及び接続導体の電流容量はJEMなどに規定があるが、一般には表2.12によるとよい。
 
表2.12 母線の電流定格
種類 電流定格
発電機用 1台の発電機のみが母線に給電している場合 発電機定格電流の100%以上
2台以上の発電機が、その全発電機容量を母線に給電している場合 〔(最大容量の発電機1台の定格電流の100%)+(残りの発電機定格電流の合計の80%)〕以上
給電用 一般給電回路の場合 給電回路(予備回路を含む。)の定格電流の合計の75%以上。
ただし、発電機母線の容量を超える必要はない。
給電回路が単一負荷1回路のみの場合又は連続使用される一群の機器に給電している場合 全負荷電流以上
備考: (1) 過負荷定格機では、母線の電流定格はその過負荷定格値をとること。
(2) 図2.6に示すように発電機盤が中央で、給電盤が両端に配置されている場合には発電機母線は給電母線と同じとすること。
(3) 発電機回路の接続導体の電流定格は発電機定格電流の100%以上とし、給電回路の接続導体の電流定格は給電回路(予備を含む)の定格電流の100%以上とすること。
(4) 変圧器で降圧された照明装置などの100V(又は220V)系給電母線の電流定格は、変圧器二次側の定格電流の100%以上とすること。
 
(b)配電盤用計器
 船舶設備規程では発電機盤には表2.13に示す計器類を備えなければならないことが規定されている。又NK規則で規定している発電機盤に備える計器については表8及び表9に示す。
 
表2.13 発電機盤の計器類の数量(船舶設備規程)
 
 
表2.14 直流発電機盤の計器の数量(NK規則)
運転状況 計器の種類 数量
2線式 3線式
単独運転の場合 電流計 各発電機に1個(正極用) ※各発電機に2個(正極及び負極用)
電圧計 各発電機に1個 各発電機に1個(正負両極間、正極または負極と中性極の電圧測定用)
並行運転の場合 電流計 各発電機に1個(正極用) ※各発電機に2個(複巻の場合は、均圧線と電機子間、分巻の場合は、正極及び負極用)
電圧計 2個(母線及び各発電機用) 2個(母線及び各発電機の正負両極間、正極又は負極と中性極の電圧測定用)
注. 1. 上表中※印は、中性線接地式の場合、零中心電流計1個を接地線に追加する。
2. 電圧計のいずれか1個は、船外給電電圧が測定できるものとする。
3. 発電機の自動制御など制御盤を備える場合には、上表の計器を制御盤に取付けてもさしつかえない。ただし、制御盤が機関室外に設けられる場合には、発電機を機側で単独又は並行運転を行うために必要な最低限の計器は、配電盤に備えること。
 
表2.15 交流発電機盤の計器の数量(NK規則)
運転状態 計器の種類 数量
単独運転の場合 電流計 各発電機に1個(各相の電流測定用)
電圧計 各発電機に1個(各相間の電圧測定用)
電力計 各発電機に1個(50kVA以下は省略してもよい)
周波数計 1個(各発電機の周波数測定用)
※電流計 励磁回路用として各発電機に1個
並行運転の場合 電流計 各発電機に1個(各相の電流測定用)
電圧計 2個(発電機の各相間及び母線の電圧測定用)
電力計 各発電機に1個
周波数計 2個(各発電機及び母線の周波数測定用)
同期検定器及び同期検定灯 各1組。ただし、自動同期検定装置を設ける場合は、いずれか一方を省略してもよい。
※電流計 励磁回路用として各発電機に1個
(備考) 1. 上表中の※印のものは、必要な場合に限り装備すること。
2. 電圧計のいずれか1個は、船外給電電圧が測定できるものとする。
3. 発電機の自動制御等のため制御盤を備える場合には、上表の計器を制御盤に取り付けてもよい。なお、制御盤が機関室外に設けられる場合には、発電機を機側で単独又は並行運転を行うために必要な最低限の計器は、配電盤に備えること。







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