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船舶電気装備技術講座 〔電気艤装設計編〕 (中級)

 事業名 船舶の電気装備に関する技術指導等
 団体名 日本船舶電装協会 注目度注目度5


(4)発電機の定格
 発電機の定格は特殊な場合を除き、一般には全負荷連続定格とし過負荷短時間定格は持たないものを使用している。
(5)発電機の力率
 発電機の力率は厳密には船内の各電気機器の負荷電流のベクトル和から船内総合負荷力率を求めこの総合負荷力率に等しいか又はこれを下回る力率とする必要があるが一般には総合負荷力率は経験的に0.8前後となるので特殊な場合を除いては0.8で設計しておけば支障ないものと考えられる。
(6)発電機の絶縁種類
 小形、軽量かつ安価な発電機としてF種絶縁が多く使用されている。
(7)非常発電機
 非常発電機は装備場所、原動機の形式及び速度変動特性、船の傾斜度、給電すべき負荷、電圧変動特性等に対する本船適用諸規則の要求を考慮に入れて上記諸事項に準じて設計すればよい。
(8)原動機と直結した時の問題
 原動機と直結した時の問題として軸系のねじり振動と原動機の速度変動率の問題が挙げられる。これらの問題については機関部の協力も得て原動機メーカーへ充分な検討を依頼しなければならない。特に速度変動率については近年の高過給化された原動機では負荷投入時の速度変動特性が悪くなってきているので注意を要する。
 
2.2.2 変圧器
 変圧器は船の動揺、傾斜及び火災の危険を考慮して油入変圧器の使用を避け、乾式変圧器の使用が望ましい。
 船舶設備規程では、外洋航行船、外洋航行船以外の旅客船(係留船を除く)、係留船(管海官庁が当該係留船の係留の態様を考慮して必要と認めるものに限る。)、国際航海に従事する総トン数500トン以上の漁船及び機関区域無人化船にあっては、当該船舶の安全性又は居住性に直接関係のある電気利用設備の大部分に配電する配電盤に変圧器を用いて給電する場合には、その給電回路に2以上の変圧器を備えなければならないとしており、(図2.2の点線内の変圧器に適用)
 また、この場合において、当該変圧器は、そのうちの1が故障したときにおいても給電を維持できるものでなければならないとしている。
 ただし、照明、通信、制御装置等にのみ電力を供給する場合には、1組の変圧器とすることができ、この場合三相変圧器1台を装備するよりも単相変圧器3台を△−△結線により構成されていて、いずれか1台使用できなくなった際V結線変圧器として電力を供給できるので、二次側出力を1/=0.58倍として必要最小負荷を賄えるように計画した方が有利である。
 大型船では主変圧器のほか、船首部照明専用の変圧器を船首部甲板長倉庫等適当な場所に設けて経済性を図る場合がある。
 
図2.2 変圧器への給電回路
 
 また非常電源として非常発電機を設ける場合には主変圧器のほか非常発電機から給電される非常用変圧器を非常発電機室に設け一般にはこの非常用変圧器から船内の全照明装置の約1/3へ給電するようにする。
 
2.2.3 蓄電池
 船舶に使用される蓄電池は鉛蓄電池とアルカリ蓄電池に大別されるが、アルカリ蓄電池は特に保守の点で優れているため、まれに使用されることがあるが鉛蓄電池に比べて非常に高価なため、一般には鉛蓄電池が使用される。蓄電池の定格電圧は一般に24Vが採用される。
 蓄電池を用途別に分類すると一般の船舶では一般給電用蓄電池と無線用蓄電池に分類される。
(1)一般給電用蓄電池
 一般給電用蓄電池は船内のDC24V負荷への通常給電及び船内主電源が消失した場合の電池灯、通信、計測、航海装置等へのバックアップ電源として使用される。この蓄電池が非常電源として装備される場合は非常発電機と同様に本船適用諸規則の非常電源に対する要求を考慮しなければならない。
(2)無線用蓄電池
 船舶安全法により無線電信の装備を義務付けられる船舶は電波法及び同施行規則により船舶の一般電気系統から独立した電源の装備が要求される。このための電源として一般に蓄電池が使用される。
(3)蓄電池の容量計算と台数
 無線用蓄電池は電波法施行規則によれば無線通信の補助設備を連続して6時間以上使用するに充分な容量を持っていなければならないがこれは使用する無線装置により異るので採用する無線機メーカで必要な容量の計算をしてもらった上で容量の決定をしなければならない。なお、一般に台数は1群とする。
 一般給電用蓄電池の容量計算は最近は日本電池工業会発行の「据置蓄電池の容量算出法」によることが多くなってきたが、この方法は若干煩雑であるので従来から行われている計算方法の一つを表2.10に紹介し、本書ではこの方法によることとする。
 なお、台数は一般には電源確保の信頼性の面から同容量のものを2群装備し各群の容量は後述する充電方式が2群同時浮動充電方式の場合は容量計算の結果必要な蓄電池総容量の半分を賄える容量とし交互充放電方式の場合は1群で総容量を賄えるようにするのが一般的である。
 
表2.10 蓄電池容量計算(例)
装置名 員数 出力 電流 合計電流 動作時間 必要容量 備考

電池灯

47
W
5
A
0.21
A
9.87
h
0.5
Ah
4.94
 同上 1 10 0.42 0.42 0.5 0.21
 同上 3 20 0.83 2.49 0.5 1.25
航海灯 5 60 2.5 12.5 0.5 6.25
紅灯 2 60 2.5 5.0 0.5 2.5
昼間信号灯 1 60 2.50 2.50 0.5 1.25
ボートデッキライト 4 20 0.83 3.32 0.5 1.66
 同上 2 75 3.12 6.42 0.5 3.21
磁気コンパス照明灯 1 40 1.67 1.67 0.5 0.84
一般警報 1 0.20 0.20 0.5 0.1 12cmベル使用
 同上 14 0.35 4.9 0.5 2.45 20cmベル使用
 同上 2 40 1.67 3.34 0.5 1.67 サイレン使用
冷蔵庫警報 1 0.20 0.20 - - 12cmベル使用
操だ機警報 1 - -
電気時計 1 3.00 3.00 0.5 1.50
自動交換式電話 1 1.20 1.20 - -
共電式電話 1 0.30 - -
機関員呼出し信号 3 0.20 0.60 - -
合計(Ah) 27.83
蓄電池 鉛式、DC24V 60Ah×1群







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