第51条 前条の規定により自動スプリンクラ装置を備え付ける場合には、次に掲げる基準によらなければならない。
(1)自動スプリンクラ装置の表示盤は、船橋又は制御場所に集中配置すること。
(2)スプリンクラ・ヘッドの作動警報を船員が直ちに受けることができるように船橋及び他の適当な場所に装備を施すこと。
(3)一の系統により散水する場所は、船首尾方向の長さが40メートル以下であり、かつ、三以上の異なる甲板上にある場所並びに異なる主垂直区域内の場所及び主水平区域内の場所を含んでいないこと。ただし、管海官庁が差し支えないと認める場合には、この限りでない。
(4)自動スプリンクラ装置の系統を他の部分から分離するための止め弁は、関連する区画の外側又は階段室内のキャビネットであって、容易に近づくことができる場所に取付け、その位置を明確かつ恒久的に表示すること。
(5)スプリンクラ・ポンプの海水取入口は、可能な限りスプリンクラ・ポンプの取付場所に設けること。
(6)スプリンクラ・ポンプの点検又は修理をする場合を除き、船舶が水上に浮いている間いかなる場合にもスプリンクラ・ポンプへの水の供給が遮断されないように措置を講じること。
(7)スプリンクラ・ポンプ及び圧力タンクは、特定機関区域から適当に離れた場所であって、散水する場所以外の場所に取付けること。
(8)スプリンクラ・ポンプの動力源が内燃機関である場合には、散水する場所における火災が当該内燃機関への空気の供給に影響を与えないように措置を講じること。
(9)第1号の表示盤及び第2号の作動警報を発する装置の試験をするためのスイッチは、第1号の規定により表示盤を集中配置する場所に取付けること。
2. 前条の規定により火災探知装置を備え付ける場合には、次に掲げる基準によらなければならない。
(1)火災警報以外の信号(防火戸の閉鎖及びこれに類似した火災の拡大を防止するための措置に係る信号を除く。)の伝達に流用することができないように取付けること。
(2)火災探知装置の制御盤は、船橋又は火災制御場所に集中配置すること。
(3)火災探知装置の表示盤のうち少なくとも1は、前号の制御盤が火災制御場所に配置される場合にあっては、船橋に配置すること。
(4)火災探知装置の表示盤のうち少なくとも1は、船員の責任者が容易に近づくことができる場所に配置すること。
(5)火災探知装置の警報を船員の責任者が直ちに受けることができるように装備を施すこと。
(6)火災探知装置の警報が発せられた場合において、2分以内に信号が確認されないときには、船員の居住区域、業務区域、制御場所及び特定機関区域の全域に自動的に可聴警報が発せられるような措置を講じること。
(7)探知器は、当該探知器の性能を有効に発揮することができ、かつ、損傷を受け、又は機能に影響を受けるおそれのない場所に取付けること。
(8)探知器は、その型式に応じ、探知器相互間の距離、隔壁からの距離等について管海官庁が適当と認めるよう配置すること。
(9)位置識別機能付火災探知装置以外の火災探知装置にあっては、一の探知区域に含まれる室の数は、50以下であること。
(10)位置識別機能付火災探知装置以外の火災探知装置にあっては、一の探知区域は、船首尾方向の長さが40メートル以下であり、かつ、異なる主垂直区域内の場所及び主水平区域内の場所、同一の甲板上にない場所(閉囲された階段囲壁内の場所及び同一の区域として保護される場所を除く。)並びに左右両げん部の場所を含んでいないこと。ただし、ロッカー、船首尾の狭部その他管海官庁が差し支えないと認める場所(第1種船の異なる主垂直区域内の場所及び主水平区域内の場所を除く。)については、この限りでない。
(11)位置識別機能付火災探知装置にあっては、一区画室における火災により他の区画室における火災探知機能が損なわれないように配置すること。
(12)第1種船に備え付ける位置識別機能付火災探知装置にあっては、一の系統により探知する区域は、異なる主垂直区域内の場所及び主水平区域内の場所を含んでいないこと。
|