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6 小型漁船安全規則(電気関係)
6.1 総則
(適用)
第1条 船舶安全法(昭和8年法律第11号)第2条第1項の規定により小型漁船に関し施設しなければならない事項及びその標準については、他の国土交通省令又は国土交通省令・農林水産省令の規定にかかわらず、この省令の定めるところによる。
(定義)
第2条 この省令において「第1種小型漁船」とは漁船特殊規則(昭和9年逓信農林省令)第6条に規定する小型第1種の従業制限を有する小型漁船をいい、「第2種小型漁船」とは同令第7条に規定する小型第2種の従業制限を有する小型漁船をいう。
2 前項に規定するもののほか、この省令において使用する用語は、船舶安全法及び同法に基づく国土交通省令又は国土交通省令・農林水産省令において使用する用語の例による。
(同等効力)
第3条 小型漁船の船体、機関、設備及び属具であって検査機関がこの省令の規定に適合するものと同等以上の効力を有するものと認めるものについては、この省令の規定にかかわらず、検査機関の指示するところによるものとする。
6.2 電気設備
6.2.1 小型船舶安全規則の準用
第43条 小型船舶安全規則第10章の規定は、小型漁船の電気設備について準用する。この場合において、同章中「小型船舶」とあるのは「小型漁船」と読み替えるものとする。
 
小型漁船安全規則第43条関係(細則)
 
(小型船舶安全規則の準用)
43.0(a)細則第1編85.0(a)は本項について準用する。
85.0(a)「小型船舶の推進、排水その他の安全性に直接関係のある補助設備」とは、次のような設備に使用するものとすること。
(1)冷却水ポンプ、潤滑油ポンプ、燃料油移送ポンプ、空気圧縮機等推進機関の運転に直接又は間接的に関係のある設備
(2)セルモータ
(3)操舵設備
(4)ビルジポンプ
(5)船灯
(6)揚錨設備
(7)係船設備
(8)無線設備
 
(b)小安則第85条の「必要な電力を十分に供給できる発電設備」とは、次に適合するものとすること。
(1)第2種小型漁船にあっては、充電装置付きの発電機及びすべての航海灯に対して12時間以上給電できる蓄電池よりなるものをいう。
(2)第1種小型漁船にあっては、充電装置付きの発電機及びすべての航海灯に対して6時間以上給電できる蓄電池よりなるものをいう。ただし、航海灯、セルモータ及び小容量の室内灯等を使用するものにあっては、バッテリーのみで差し支えない。この場合のバッテリーの容量は、航海灯への6時間の給電の外にそれらに必要な十分な容量とすること。
 
(c)細則第1編88.1(a)、88.2(a)及び88.4(a)は本項について準用する。
88.1(a)「その使用目的に応じた十分な性能を有するもの」とは、それぞれ次に適合するものとすること。なお、以下88.1において使用する用語の定義は、設備規程第171条に定めるところによる。
(1)発電機及び電動機
(i)負荷試験を行い、温度上昇が表88.1〈1〉に掲げる値を超えないものであり、かつ、異常な振動、有害な火花の発生(整流不良等による)のないもの。
 
表88.1〈1〉発電機及び電動機の温度上昇限度(度)
(基準周囲温度の限度45℃)
電動機又は発電機の部分 A種絶縁 E種絶縁 B種絶縁 F種絶縁 H種絶縁
温度計法 抵抗法 埋込温度計法 温度計法 抵抗法 埋込温度計法 温度計法 抵抗法 埋込温度計法 温度計法 抵抗法 埋込温度計法 温度計法 抵抗法 埋込温度計法
固定子巻線 45 55 55 60 70 70 65 75 75 80 95 95 100 120 120
絶縁された回転子巻線 45 55 - 60 70 - 65 75 - 80 95 - 100 120 -
(注)温度測定方法はJIS C 4004の定めるところによる。
 
(ii)定格速度の120%の速度で1分間の過速度試験を行い支障なく運転できるもの。
(iii)絶縁抵抗試験を行い、次の値以上あるもの。
 
 
(2)変圧器
 定格出力で負荷試験を行い、温度上昇が表88.1〈2〉の値を超えないもの。
 
表88.1〈2〉温度上昇限度(度)
(基準周囲温度の限度45℃)
部分 測定方法 A種絶縁 E種絶縁 B種絶縁 F種絶縁 H種絶縁
巻線 乾式変圧器 抵抗法 55 70 75 95 120
油入変圧器 抵抗法 60 - - - -
温度計法 45
鉄心表面 温度計法 絶縁物を損傷しない温度
 
88.2(a)「通常の使用に際して、取扱者に危険を与えない構造のもの」とは、居住区に設置する変圧器にあっては乾式自冷式のものとすること。
88.4(a)「爆発若しくは引火しやすい物質が発生し、蓄積し、又貯蔵される場所」とは、ガソリンタンクを設置している区画、ペイント類を貯蔵する場所等をいう。
 なお、第24条第6項に規定する区画は、本条第4項に規定する場所とみなさなくてよい。
 
(d)細則第1編89.0(a)は本項について準用する。
89.0(a)「検査機関の適当と認める値」とは、それぞれ次の値を標準とすること。
(1)回転機
 
 
(2)電路
0.1MΩ
(3)配電盤
1MΩ
 
(e)細則第1編90.1(a)は本項について準用する。
90.1(a)「適当な換気装置を備え付けた蓄電池室」又は「通風良好な場所」とは、次のものをいう。
(1)当該区域内で充電を行う場合
 以下のいずれかの条件を満足している場所
(i)24.2(a)に適合する場所又は、24.6(c)の要件を満足する場所
(ii)機関室
(iii)常時換気されている旅客室等であって十分な広さの区画(この場合設置されるバッテリーは小型のもの(12Vに換算した合計容量が5m3の区画で70Ah、10m3の区画で120Ah程度までを標準とする)に限る。)
(iv)発生した水素が発火源と接触する危険のない方法でバッテリーから暴露部に直接、かつ、確実に導かれている蓄電池室
(2)当該区画で充電を行わない場合
 適当な換気口(1個でも差し支えない。)が設けられていること。
 
(f)細則第1編92.1(a)、92.2(a)は本項について準用する。
92.1(a)「難燃性のもので非吸湿性のもの」とは、エボナイト、鉄板等とすること。なお、難燃処理及び非吸湿性の処理をした合板は、本項に適合しているものとみなして差し支えない。
92.2(a)「回路の過電流を自動的にしゃ断できる装置」とは、ヒューズであっても差し支えないものとすること。
 
(g)細則第1編92.3(a)は本項について準用する。
 
(h)細則第1編93.0(a)は本項について準用する。
93.0(a)「感電防止のための措置」とは、絶縁マット、手すり等とすること。
 
(i)細則第1編94.0(a)、(b)、(c)は本項について準用する。
94.0(a)「ケーブル」とは、JIS C 3410「舶用電線」及びJIS C 3401「制御用ビニル絶縁ビニルシースケーブル(CVV)」に適合するもの又はこれと同等以上の効力を有するものとする。
(b)「キャブタイヤケーブル」とは、JIS C 3312「ビニル絶縁ビニルキャブタイヤケーブル(VCT)」に適合するもの又はこれと同等以上の効力を有するものとする。
(c)ただし書を適用するものは、定格電圧35ボルト以下の給電路に使用されるJIS C 3406「自動車用低圧電線(AV)」の規格に適合するもの又はこれと同等以上の効力を有するもので、水、油、ビルジ等のはねかえり又は浸水のおそれのない場所、爆発若しくは引火しやすい物質が発生し又は蓄積するおそれのない場所並びに他動的損傷及び熱による傷害をうけるおそれのない場所に布設されるものとすること。
 
(j)細則第1編96.0(a)は本項について準用する。
96.0(a)「適当な方法により接続し」とは、定格電圧35ボルト以下の電路に用いられるJIS D 5403(自動車用電線端子)のうち、ギボシ端子(スリーブ等で完全に絶縁されているもの)、差込形プラグで抜けどめ装置を有するもの又はスリーブジョイント式(単線に用いられるもの)で絶縁スリーブ等により完全に絶縁されているものとすること。
 なお、定格電圧が100ボルト以上の電路の接続は、接続箱、分岐箱又は端子箱を用いるものとすること。
 
(k)細則第1編97.0(a)は本項について準用する。
97.0(a)「検査機関が当該小型船舶の船質等を考慮して差し支えないと認める場合」とは、木及び強化プラスチック等不導体の材料で作られた船体の小型船舶において使用する場合をいう。
 
(l)細則第1編98.2(a)は本項について準用する。
 「各灯ごとに独立のもの」とは、航海灯制御盤に各灯ごとに開閉器を設けるか、又はヒューズを設けたものとすること。
 
(m)細則第1編99.0(a)は本項について準用する。
 「通常の使用状態において火災の生ずるおそれのないもの」とは、市販の電熱器を可燃物から離れた場所に固定し、取扱者が支障なく作業できるように保護したものとすること。







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