2.4.7 蓄電池
(1)構造、性能及び配置
(a)蓄電池の構造、性能及び配置については、設備規程第202条から第204条までの規定による。
(蓄電池の性能)
第202条 蓄電池は、日本工業規格「船用鉛蓄電池」の規格に適合するもの又はこれと同等以上の効力を有するものでなければならない。
(蓄電池室及び蓄電池箱)
第203条 蓄電池は、適当な換気装置を備えた蓄電池室又は保護おおいを施した適当な箱に収めて通風良好な場所に設置しなければならない。
2. 前項の蓄電池室又は蓄電池箱は、他の電気設備及び火気から十分隔離しなければならない。
3. 酸性蓄電池を設置する蓄電池室の床面、棚の上面及びこれらの高さ7.5センチメートルまでの周壁並びに酸性蓄電池を収める箱の底面及び高さ7.5センチメートルの内周壁は、厚さ1.6ミリメートル以上の鉛張りとするか、又は管海官庁の承認する防しょく処理を施さなければならない。
(逆流防止装置)
第204条 発電機により充電される蓄電池には、逆流防止装置を備え付けなければならない。
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(関連規則)
(1)設備規程第202条関係(舶検)
舶検第59号(56.4.20)
JIS D 5301自動車用鉛蓄電池N-120、N-150、N-200の使用について中検第127号(昭和56年3月20日付け)をもって伺い出のあった標記については、伺い出のとおり使用を承認して差し支えない。
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注;形式については次のように改正されている。(JIS D 5301:99 始動用鉛蓄電池)
説明 1. 旧形式 新形式
N-120 115F51
N-150 145G51
N-200 190H52
2. 新形式に使用されている数値及び記号は次の意味を表している。
(2)設備規程第203条3関係(船舶検査心得)
(蓄電池箱及び蓄電池室)
203.3(a)鉛張りに代わるものとしてビツミナスセメント、ピッチを使用することができる。
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(3)設備規程第203条関係(舶検)
舶検第259号(52.7.23)
(有)阪神舶用電機工業所製造に係るエスロン、ネオランバー(積水化学工業(株)FFU材)製蓄電池箱の使用について
近海検第558号(昭和52年6月6日付け)をもって伺い出のあった標記については下記事項留意のうえ認めて差し支えなく、また本箱は鉛の内張りを施さないで酸性蓄電池の箱として使用して差し支えない。
記
1. 材料はエスロン、ネオランバーFFU-A型を使用すること。
2. 蓄電池箱のわかりやすい位置に、箱の製造者名、使用材料名(メーカー名を含む)、製造年月日等を明記しておくこと。
注 近運検245号の1(H14.3.6)
使用材料の呼称の変更エスロン・ネオランバー FFU-50型
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(4)設備規程第203条関連(NK規則)
H2.11.5 換気(検査要領)
-1. 蓄電池を2段以上に配列する場合、棚の前後部には原則として、換気のための50mm以上の空所を設けること。
-2. 蓄電池室等の排気装置の能力は、次の値以上とする。
排気量 Q=110×I×n( /h)
I:最大終期充電電流(特に制限のない場合は、10時間率電流を標準とする。)
n:蓄電池の数
-3. 2kW以上の出力の充電設備に接続する蓄電池を収納する区画の排気装置は、機械式にすることを推奨する。
2.11.3 設置場所
-1. アルカリ蓄電池と鉛蓄電池は、同一区画に設置してはならない。
-2. 容量の大きい蓄電池は専用の区画に設置しなければならない。ただし止むを得ない場合には甲板上に設置された箱内に設けることができる。この場合、箱は適当な換気装置を備えたもので、水の流入を防止できる構造のものとしなければならない。
-3. 機関始動用蓄電池は、機関にできる限り近接して設置しなければならない。もし、この蓄電池を蓄電池室内に設置できない場合には、通風が確保された場所に設置しなければならない。
-4. 蓄電池は、居住区画内に設置してはならない。
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(b)酸性蓄電池とアルカリ蓄電池とは、別区画に設ける。
(c)蓄電池室については、下記(i〜iv)による。
(i)蓄電池室は、電池の点検、試験、及び注液が容易にできるよう、十分な広さをもつものとする。
(ii)電池棚の背部は、ガスがたまらないように、壁との間に適当な間隔をとる。
(iii)電池室内には、防爆形灯具以外のスイッチ、その他火花を発生するおそれのある電気器具を取付けない。(JIS F 8422:98(船用防爆天井灯)参照)
(iv)非常用蓄電池室は、最上層の全通甲板の上方で機関室囲壁の外部に装備する。ただし船首隔壁の前方に装備しない。
(2)表示
蓄電池に対する表示は、回転機の場合に準じ、定格値などの銘板表示、及び極性などを適当な方法で表示する。
(3)蓄電池設置に対する注意事項
(a)配線
蓄電池間、銅帯(鉛電池の場合は、鉛メッキを施したもの。)、又はキャブタイヤーケーブルで接続する。
(b)蓄電池室
(i)室の一部にガスが集積しないように、船外に通じる給排気管を設ける。給排気口に対して、雨水のはいらないように考慮する。
(ii)室内の天井、壁、格納箱などは、十分耐酸処理を行うこと。(鉛電池の場合)
(iii)電池の配列は、一段が望ましいが、やむを得ず二段とした場合は、電池の上部には空所を設けること。(保守及び搬出のため。)
(iv)電池要具、蒸留水タンクは、できるだけ蓄電池上方に取り付けないこと。
(v)室内の電路にがい装ケーブルを使用する場合は、がい装を除去して鉛皮又は、インパービアスシース露出させるか、がい装の上にビニルの被覆を施したものを使用する。
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