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Appendix
“健康な海づくり”プロジェクトについて
1)プロジェクトの概要
(1)海岸清掃に係る社会活動システムの構築
 「チャレンジ“健康な海づくり”プロジェクト」と名付け、地方を主体とした活動を進めております。
 プロジェクトの具体的な取り組みとして海浜清掃と海洋環境教育、工作教室などと*地域通貨を組み合わせたパイロットプロジェクト(SOFモデル)を稚内市、気仙沼市、酒田市、新島村、常滑市、幡豆町、日間賀島、枕崎市、鹿屋市、宇土市、伊万里市、鹿児島加世田市、沖縄宮古島等で進めてきました。本プロジェクトには、平成14年7月から約3,600人の児童、父兄、地域住民が参加しました。
(2)海洋ゴミの集積技術、処理技術の調査研究
 海浜や磯、岩礁地帯に漂着するゴミを機械力で清掃する装置の開発やその運用システムの調査研究を行っております。
 
2)プロジェクトの特色
 プロジェクトの構成を図1に示します。
 海浜清掃等の「海洋環境貢献活動」と「地域通貨(以下“環境チケット”)」をリンクし、これによって地域社会における海洋環境保全活動の持続的展開および地域社会の活性化と官民の協働がより一層強化されることを目的としています。
 本プロジェクトの大きな特色は、以下に示す3つにあります。
 
図1 プロジェクトの構成
 
 
(1)“環境チケット”の導入による地域社会活動の活性化と官民の協働化
 海洋ゴミ問題の解決のためには、市民の海海洋環境に対する意識改革が必要です。
 そこで、海浜清掃等の海洋環境保全に貢献した市民を対象にした地域通貨(“環境チケット”)を配布します。この地域通貨を用いて海洋環境教室への参加、公共施設、レジャー施設、商店等を利用可能にすると共に、既に他の地域で活動している地域通貨グループとの連携も視野に入れたネットワークを展開しながら、市民の環境意識の改革を図ることにしております。
(2)海洋環境教室および海の漂流物等による海の工作教室の開催
 海浜清掃などの海洋環境保全に貢献して“環境チケット”を入手にした子供達を対象として、海洋環境教室および海の漂流物等を用いた工作教室を開催し、それらを通じて子供達に海洋環境の尊さ、海の楽しさなどを伝えるものです。
(3)地域におけるパートナーシップの創出
 この様な具体的なプロジェクトを推進するためには地域社会における強力なパートナーシップの創出が必要です。パートナーシップとは、具体的には行政、企業、NPO、教育機関、市民等が連携した活動のことで、それらの各セクター間の密接なパートナーシップの創出を図っております。
 
3)今後の展望
 海洋のゴミ問題は、一地方のみならず全国的な展開が必要であり、かつ国際的な取り組みが必要であります。全国的な展開に当たっては、陸域・海域を一体化した「SOFモデル」の継続的な活動と全国的なネットワークづくりを目指し、平成17年2月25日(金)日本財団ビルにおいて、「ゴミ問題に取り組む地域社会−循環型の継続的活動を目指して−」と題して、地域活動を進めてきた担当者が集まり交流会議を開催しました。国際的な取り組みに当たっては、近隣諸国との情報交換などによる対外的な展開も視野に入れ、韓国の環境NPOや関係組織と話し合いを進めてきました。
 なお、本事業は、競艇交付金による日本財団の支援を受けて、「海洋及び沿岸域のゴミ問題に関する調査研究」事業として実施しております。
*地域通貨:環境保全や福祉・教育などのお金に換算しにくい活動・サービスなどに関して、地域社会が発行するチケットなどを、通常の貨幣に変わり活用する仕組み


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