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(8)実験結果
a. 海草(アマモ)腐敗実験結果
 北海道稚内市宗谷海岸と(株)東宏研究室の海草腐敗実験結果を下図に示す。
 
 
 
 宗谷海岸建家の腐敗タンクと東宏研究室の腐敗タンクの腐敗速度は、初期段階では稚内宗谷建家の腐敗進行は遅いが、約4ケ月後には、ほとんど同じ数値になった。
 実験B(アマモ+牛糞+海水)のアンモニア濃度は、実験A(アマモ+海水)のアンモニア濃度の約2倍であった。実験Aと実験Bの腐敗速度は、ほぼ同じであるが、実験C(アマモ+淡水)の腐敗はほとんど進行が見られなかった。
 参考として、上記実験の他、腐敗促進材として、海水にホタテ内蔵を投入した実験D(アマモ+ホタテ内蔵+海水)の腐敗実験を実施した結果、実験Dのアンモニア濃度は、約300mg/Lで、ホタテ内蔵の腐敗促進効果は大きかった。
 
b. 腐敗液の微生物分解処理実験結果
 稚内市宗谷海岸建家と東宏研究室の腐敗タンクで生成した海水と淡水の腐敗液を、塩水と水道水(淡水)で微生物分解可能な濃度まで希釈(希釈度:1/10)し、それぞれを微生物分解処理装置に投入して実験した。海水と淡水の分解処理結果を以下に示す。
 
 
 微生物分解処理装置による海水腐敗液(アンモニア濃度:3mg/L、処理液体量:1L)のアンモニア分解速度は、約24時間経過後、アンモニア濃度が0mg/Lになり、アンモニア濃度が低下するに従い、亜硝酸が増加し、アンモニア濃度が0の時点で、亜硝酸濃度が最大(3.3mg/L)であった。
 その後、約24時間で亜硝酸濃度が0になった。
 
 
 淡水腐敗液(アンモニア濃度:1.5mg/L、処理液体量:1L)のアンモニア分解速度は、海水の分解速度とほぼ同じ24時間で0mg/Lになっているが、淡水での計測間隔が24時間であったことから、実際はもっと早期にアンモニア分解処理が終了していたと思われる。


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