日本財団 図書館


4.2.5 講演
1)「海洋ゴミと海守の活動」 山田吉彦 (日本財団海洋グループ長)
 私は、千葉の稲毛と言う東京湾沿いの町で生まれまして、一時期、太平洋岸の九十九里という町に引っ越したりしたのですが、幼稚園に入る頃、稲毛の海岸の埋め立てが本格的に始まりまして、それまで、稲毛と言うのは遠浅の潮干狩りをやる、どちらかというと、見た目には綺麗でない海岸だったのですが、そこで、毎日のように浜に出て、アサリをとって、あるいはいろんな貝類、ヤドカリやかにをとって、遊んでいたのですが、小学校に入る寸前、海岸には行ってはいけないという、先生からの指導があって、トタンの塀が海岸線にダーっと建ち始めて、それから、6−7年ですか、私も何回も引っ越したので、6−7年経って行ってみると、2キロほど、埋め立てが進んでいて、その先にいままでにはなかった白い砂浜の海岸が現れていて、残念ながら、そこには生き物はいなくて、もともと知っていた浜とは全然違う海が現れていました。
 海と言うのは、見た目がきれいなのがいいのか、或いは、それとも本当の海の姿が体感できるのがいいのか、そう言うことも含めて、皆様のお知恵と実体験を含めて、お教え頂けたらと、私も今日参加できることを楽しみにしていました。日本と言う国は、海岸線が33,889キロほどある、非常に広い国です。日本の国土面積は世界で59番目という余り大きな国ではありませんが、排他的経済水域、実際に日本の海と言える排他的経済水域は世界でも6番目の国で、非常に海を日本の国と考えた場合には、世界でも大きな国の部類に入ってくるかと思います。昨今、日本という事を考えるときには、国土、陸地の面積ではなく、海洋民族と言われる日本ですので、この排他的経済水域も含めて、日本と言う国を考えるべきではないかと感じております。
 日本の中には島が6,852個ほどあります。これは、周囲が100メートル以上の物を勘定しますと6,852個になるということで、島ということを考えると、島の生活と言うのは独自の文化と言う物を作っております。日本と言うのは広くて、いろんな文化を持った国であると言えるかと思います。
 その中で、最初に話しましたが、日本人はいつの間にか海と言うものを忘れてしまったのではないか、と。今日お集まりの皆様はどちらかというと海沿いで生活されて、或いは海とともに暮らされている方が多いかと思いますが、なかなか、一億数千万の日本人の中には、海を忘れてしまった方も多いのではないか。その方々に出来るだけ、海のことを考えて頂く時間、機会を作っていただきたい、というのが私たちの願いです。
 そこで、今日は「海守」ということで話をさせていただきますが、まず、日本を取り巻く海の現状を簡単に話させていただきたいと思います。昨今、いろんな、海に関係する問題が、新聞等で取り上げられているかと思うのですが、まず、皆様御記憶もあると思いますが、ナホトカ号の油汚染の事故。これは、日本の沿岸には非常に老朽化した古いタンカーなどが数多く、まだまだ来ております。そして、日本の沿岸と言うのはとくに冬の時期には荒れて、海難事故が起こりやすい環境になっている、そこに事故を起こしかねない整備不良船や、古い船が数多く来ているという状況があります。そこで起きたのがナホトカ号の重油流出事故です。これと同じように北朝鮮或いは中国、中にはモンゴル船籍の船が日本にやってくるというケースが最近多いのですが、船員の技量が低かったり、もしくは、船の整備状況が悪かったりして、事故を起こすケースが多くなっています。ただ、事故を起こしても、皆さんが御存知のように、本来は原因者負担の原則と言いまして、事故を起こした人間が対処しなければならない、というのが国際ルールです。ところが、その対処する能力を持たないような船が数多く日本に来て、事故をおこし、放置されている。
 この写真にあります、チルソン号という北朝鮮の船なんですが、座礁したまま放置されております。船員は、確か20万円ぐらいの罰金を払って、もう北朝鮮に帰ってしまっているのですが、船だけが残されている。この船を撤去するためには、六億円ほどのお金が掛かるわけですが、この船の六億円は誰が払うのか、とこのチルソン号の船会社はとっくに倒産してしまっていて、撤去の費用の支払い能力は持たない。また、保険もさほど入っていなかったので、この撤去には地方自治体と、皆様がお支払いになった税金が使われている。そういうのが日本をとりまく海の現状です。
 また、北朝鮮の工作船の写真がありますが、必ずしも日本を取り巻く海の安全と言うのは守られているわけではない。昨年、中国の潜水艦が日本の領海を侵犯した事件がありましたが、本来ですと国際法に基づいて適切に対処しなければいけないところが、まだまだできていない、と言うのが実情です。
 そこで、私どもが考えましたのが、まず、事故を未然に防いだり、或いは、おかしいことが起こったときに、適切に対処するには、海に携る、あるいは海に興味を持ってくださっている人々が力を併せて、海にもっと目を向けて、海に何かおかしいことが起こったら、連絡を取り合おうじゃないか、という体制を作る必要があるのではないか、と考えました。
 日本の海を守って頂いているのは、現在、海上保安庁の方です。海上保安官は総勢で12000人ほどいらっしゃいますが、3万5千キロに及ぶ海岸線が守るには、残念ながらまだまだ、人員が不足している。また、とくに日本の海岸は、美しい海岸線を持つ反面、非常に入り組んでいたり、複雑な形容をしているために目が届かないところも多くあると思います。そこを海で暮らす、或いは、海に関りを持つ日本人すべての目で海を見て行こう。そして、おかしいことがあったら、連絡をとろうじゃないか、ということを考えました。それが、海守です。海守という言葉は、日本財団、海上保安庁、海上保安協会、漁業関係者の団体の方、観光関係者の団体の方、或いはライフセーバー等、海に関心を持ち、海の安全を守ってくださる方々が集まった場で、フリーディスカッションの中から生まれた言葉で、この海守という名前を付けました。
 実際、現在の海守会員は2月22日現在で55,666人、これが地域的な分布ですが、やはり、北朝鮮の工作船が発見された九州或いは対馬等、外に向けて他国と隣接している九州や北海道、あとは拉致事件等が頻繁に起こりました中部地域等が会員として参加して頂いている方が多い場所です。残念ながら、都市部の関東・関西、なかなか東京の都会で住まわれている方は、目を向ける場所がいろいろ夜のネオンからいろいろあるものですから、なかなか海に目を向けていただけないのか、参加していただける方が少ないのが現状です。また、東京で募集をかけようとすると、なかなか経費が掛かるものですから、都市部では広告を出すにも、非常に私共には手に負えない金額が掛かってしまうので、今、御紹介、御紹介で参加して頂いている状況です。出来ましたら、皆様もお声がけいただきまして、海守への参加を促していただきましたら、と考えます。
 海守の活動ですが、基本的には海を守る情報ネットワークということで、海におかしいことを発見したら、まずは118番、海上保安庁の緊急電話へ電話をしてもらいたいということをお願いしております。今は、まだまだ110番と違いまして、海上保安庁の118番というのはなじみが薄いのか、有効に機能している確率というのは、低くなっております。平成15年の5月1日に運用されたのですが、3,859,671件通報がありました内、なんと、99.3%が間違い電話、いたずら電話で、これでは、受ける方の海上保安官の方、どれだけ、強い精神を持っていても9割9分以上がいたずら電話であると、受ける方もなかなか気持ちが持ちません。いつも万が一に備えて、海上保安庁は常に体制を取らなければいけない、これは非常に厳しい状況です。このために海守と言う制度は、この118番通報に対して対応するにも有効な制度となるんではないかと、考えております。というのは、118番通報をするときに海守会員のナンバーを言っていただきますと、私共は海守会員の個人情報を海上保安庁と共有しております。海守の会員の情報であれば、100%近く、正確な情報であろうと、海守会員からの情報であれば、海上保安庁は即座に対応していただくという体制を取っております。
 現在、海守が立ち上がりましてからは97件ほどの情報が寄せられまして、これがすべて、有効で正確な情報でありました。とくに静岡の海岸で船が火災を起こしているところを海守会員が見つけまして、連絡し、海に飛び込んだボートの方を救助することができた例とか、或いは東京湾内で木材が流れているのを発見した海守会員が通報していただいて、速やかに木材を回収することで、他のボート等が事故に遭わないですんだケースとか、或いは中には心ないマリンレジャーをする人が子供達が海水浴を楽しんでいるそばをジェットスキーで走りまわっているので、危険だというような通報を頂きまして、海上保安庁の方に注意をしていただくということで、子供たちが安心して海で楽しめるような環境をつくる、そのような幅広い範囲で海守の方の通報というのが、行われています。
 私も実際に一回通報をしたことがあるのですが、そのときは博多湾でランチクルーズの船に乗っておりましたところ、船に乗っていた女性のお客さんが「あ、海が七色できれいだ」、と。知らないと言うことは怖いことで、「海が七色で綺麗だ。虹のようです。」って言って騒いでいたんですね。それで見たら、一面油が広がっていて、七色に光るぐらいだと大分薄くなってきているんですが、それで通報して、海上保安庁の方で、処理剤と攪拌作業で回収していただきました。時間が速かったということもありまして、どの船が漏らしたということも、ほぼ分かりまして、船側には厳重注意、ということをしていただきました。海守活動では、どういう状況が海にとって危険なのかということも含めて、広めていく必要があるということを、そのときに実感致しました。
 今、海守活動がどういうような活動をしているのか、ということを昨年の時系列で並べたものです。海洋汚染関係ではJEANさん、クリーンアップ事務局さんと協力していただきまして、海岸の清掃のリーダーとなる方の養成講座というものを行っております。いままでには、石川県で20名、鹿児島県で48名、兵庫県淡路島で52名、福岡で15名の方の参加を頂きまして、キャプテン講座のほうを開催致しました。また、流出油災害ボランティアリーダーということで、ナホトカ号のような事件のときに集まっていただいたボランティアの方にどういうことをしていただくのが適切なのかということを御理解いただくための、流出油のボランティアリーダーの養成講座というもの海上災害防止センターの協力を得まして過去3回、述べ90人の方にご参加頂きました。この流出油災害ボランティアリーダーなんですが、実際、ナホトカ号の事件の時に数多くのボランティアの方に参加頂きまして、海岸の油除去に携っていただきました。しかし、ボランティアの方々の中には、実際に海の知識、油の知識なしで参加された方もいまして、実はボランティアの方々が参加されたあと、街の中がどう言う状況になったかということを余り御存知ない方が多いようです。皆さんの靴の裏には当然油が付きます。油が街中に広がってしまいました。そのために街中を油の処理剤で清掃しなければならない。
 その油がまた、海に流れる。で、また、油処理剤というのは、基本的には安全なものを使っているのですが、それに対する、漁業関係者の方のアレルギーというものも出てきます。そういう知識が無くボランティアに参加し、活動することは危険である、ということも含めて、どのようにボランティアに参加していただくことがよいか、ということを理解いただくために、ボランティアリーダーの養成講座というものを開いております。フランスで、ビスケ湾で数度油汚染の事故がありまして、そのあと、ボランティアがどういう活動をしたのか、私、現地に調査に行った事があるのですが、そのとき、行政の方がボランティアというには、フランスの行政が今求めているボランティアは知識を持って参加していただく方、もしくは知識を持った方に従い、ボランティア活動・行動をとって頂ける方というのに限定したという話でした。というのは、街中が同じように油まみれになってしまったというのが、過去にあったらしくて、それを教訓としまして、ボランティアにも知識と責任を持っていただこうということで、フランスでは考えていったようです。それに学びまして、日本でまた、油災害の大きな事故が起こった場合、ボランティアの方には適切に動いていただいて、より効果的な活動が出来るように、ということで、リーダーの養成講座を開催しております。海上保安、安全に対する活動をより理解していただくために、海上保安研修というものを行っております。これは海上保安庁の各管区本部ごとに開催しております。すでに五管区で5回、述べ280人ほどの参加者のかたに入っていただきまして、海の安全がどう守られているのか、あるいは海洋汚染をどう阻止しているのか、ということを実際に海上保安官の方の口から聞いていただきまして、広く知っていただくような活動をしております。
 これは、私共にとっては意外だったのですが、一般の方からの興味が非常に高くて、毎回毎回、定員以上、中には定員の2倍以上の方にご参加頂いていると言うのが現状で、今まで280人の参加なのですが、お申し込みは千人を遥かに越えております。毎年、数をこなしていき、出来るだけ多くの方に現場を知っていただきたい、と思っております。また、知っていただくことが、海上保安官の方々の活動の励みにもなっていただいているようですので、どんどんこの事業も進めて行きたいと考えております。
 少し毛色が変わるのですが、進水式の見学会というものを開いております。これは、福岡、高松、尾道、比較的都市部にある造船所で、船の進水式をご覧いただきまして、海に少しでも親しんでいただこうという事で、企画しております。これも私共の予想を越えて、今、過去5回述べ実数で2000人を超える方、一回ごとに400人が参加して下さっています。だいたい、これを平日にやるケースが多いのですが、400人ほどの方が御来港いただきまして、進水式を見ていただいています。中には、アメリカンスクールの子供達が来たり、地元の小学生・中学生たちがお父さん、お母さんの仕事を見る機会がないということで、お父さん達の作った船を見るように、地元の小学校の方がいらしていただく、というようなことが、行われております。これも、今後、少しでも広がるように多くの造船所にお声がけをして、進めています。最初は、やってみるまでは、造船所側も、今忙しいから、勘弁してくれ、とか、安全が守れないから、ということで、なかなか、対応していただけなかったのですが、実際始まると、御来場される方が、作ったルールを守ってくださり、このラインから中に入らないで、というと皆さんよく守ってくださる。今の子供達って、そんなに馬鹿でもないし、だらしなくもないな、というのが、この進水式で、良く分かりました。みんなきっちりとルールを守って、そして、皆さんからよく感想文などを頂くのですが、意外に私達が思っているよりも感受性が強く、この船は世界中に繋がっている、というような絵を描いて送ってくださったり、一生懸命働いている造船所の職工さんの姿を描いてくださるなど、思った以上に、この進水式の反応と言うのがよくて、私共非常に予想以上の成果が上がっている、というように感じております。
 また、海を見守るセミナーというのがあり、昨年福岡でやりました行事ですが、福岡の場合は、海と文化と生活と、すべて海を中心にして、海は様々な活動に関っているということで、地元の海岸清掃のボランティア活動をされている方や、・・・島の方に話をしていただいたり、あるいは、海上災害防止センターの方、海上保安庁のOBの方に参加して頂いて、総合的に海の話をしていただく、市民セミナーを開催致しました。このときも参加に対する募集をかけましたところ、定員を遥かに越える御応募を頂きました。また、海守の集い、と言う形で、比較的やわらかい行事も企画しております。これは、全漁連さんの御協力をいただきまして、昨年船の科学館の廻りで秋刀魚を食べる集いを開いたのですが、秋刀魚を中心に魚を食べる集いを開いたのですが、このとき、海守の会員に声をかけたところ、スタッフ側は70名のボランティアが参加していただきまして、作るほうも魚を焼いたりするのも海守の方でやっていただきました。広く、海に親しんでいただくことがまず、何よりである、ということで、このような海守の集いを開いております。来年度、今年の4月以降は、神戸を始め、いくつかの地域からこの海守の集いをやってもらえないか、というお声かけをして頂いておりますので、ことしは、東京だけでなく、他の地域にもお伺いして、進めていきたいと思っています。
 今日の話題に、最も近くなって、ゴミの問題に関しましては、クリーンアップキャンペーン養成講座というものをやっております。これはJEANさん、クリーンアップ全国事務局の御指導とアドバイスをいただき、石川・鹿児島・淡路・福岡述べ4回に亘り、135人に参加いただきました。このクリーンアップキャンペーン要請講座というのは基本的にはゴミの分類、海岸に流れ着くゴミを減らすためには、なぜゴミが出てくるのか、という原因を究明しなければいけない、ということで、ゴミの種類、数のデータを集めながら海岸清掃をしていこうという、そして、一回のゴミ拾いだけでは、なかなか、一回のゴミ拾いをしてもまた、ゴミが集まってしまう、というのが現状だと思います。そのためにはゴミの原因となるものを解明して、原因に遡り、海岸にゴミが出ないようにしていくということを学ぶために分類、そして、原因を解明するようなキャプテンになるようなセミナーを開催しております。
 なかなか、海岸に流れ着くゴミというのは、清掃するだけでは、解決しない問題です。というのは、海岸の汚れるゴミの7割から8割は陸域起因、陸上から流れ出たものが一旦海に出て、それが流れ着く、その繰り返しで、ゴミを拾っても、風が吹いたり、波が来るとまた溜まってしまう。その繰り返しです。それをどうしたら、海岸にゴミが流れ着かずにすむか、という事になりますと、陸上にまで、或いは川の上流にまで目を向けなければいけない、とそのためにはどこから出てきたゴミなのかということを認識して頂かなければならない。そこで、ゴミ拾いを進めておりますと、意外というか、まあ当然のことなんですが、多いのが漁業関係ゴミ、漁業者の方が捨てられた発泡スチロールの破片、発泡スチロール製のトラ箱でありましたり、浮きであったりするわけなんですが、漁業者の方が出すゴミが非常に多い、ということもゴミ収集の分類の中で出ております。このデータを漁業関連団体にフィードバックしましたところ、非常に反応も良く、「自分達も注意しなければいけない、自分達の漁場であるのだから、自分達が守らなければいけない」ということで、漁業関係団体の方も直接的に活動を開始していただいているようです。
 現在、このクリーンアップリーダー研修と併せまして、モニタリングというものをしております。これは、特定の海岸におきまして、毎月ゴミを取ることで季節要因、いつ、どのようなゴミが集まるのかという事を調査しております。リセットと言いまして、一度きれいにゴミを取り除いた後に、毎月、或いは季節毎にどのようなゴミが集まってくるのか、その分類を、そして、ゴミ、例えば缶ジュースですと、どこで作られたものなのか、ということを調査致しまして、分類をして、何が原因であるのか、ということを解明し、原因に対してのアプローチ、ゴミを減らすようなアプローチをしております。ですが、なかなか、ゴミ拾いのイベントと言いましても、ただ、ゴミを集めるだけでは、ボランティアの方々も集まっていただきにくい状況にあります。そこで、ゴミ拾いに併せて、少し勉強していただく機会や、少し楽しんでいただける機会を作りまして、モニタリング調査をやって頂いております。とくに淡路島の場合ですと今、毎月やっているのですが、参加して頂いている方は家族ぐるみで、浜辺で楽しむ機会とゴミ拾いを併せた形で活動して頂いております。中には、夏のときにはバーベキューをして、そして、ゴミ拾いに参加される方ですから、きれいにあと始末をして、帰っていただく。そういうことを実際楽しみながら、海と接し、活動していただくということが広めていけたら、日本の海というのはどんどんいい方向に向かっていくのではないか、と考えております。
 今後の活動なんですが、日本財団では海守を中心に海上保安庁と協力を致しまして、今年の夏は、日本中の海岸で海上保安庁がゴミ拾いに協力する、あるいは海上保安庁とタイアップして行うゴミ拾いの会場で統一のフォーマットでどのようなゴミが、どのような原因によって、海岸に流れついているのかを調査する活動をしたいと考えております。そこで、昨年もJEANさんの方で、223の会場で調査をしていただき、データを発表していただいているのですが、これをまた、もっと数多く、日本中を取り巻く状況で、日本の海のごみというのがどのような状況になっているのかを、正確にインパクトのある方法で、出来るだけ多くの方に知っていただきたいと、このような調査を行う予定にしております。
 また、地域毎に活動されている、今日ご参加いただいている皆様に、お帰りの際で結構ですので、もしも御自分の町ではこういうことをやってみたい、また、自分達のところでは、こういうゴミに対する考え方がある、というようなアイデアがございましたら、日本財団、或いは海守まで御連絡いただきましたら、地域地域の特性を生かした形で御協力或いはアドバイス、お手伝いをさせていただきたい、と思っております。今日は少し、取り止めもない話になってしまった感もありますが、御静聴いただきありがとうございました。今後とも宜しくお願い申し上げます。


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