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第十九回国民文化祭・ふくおか2004
「筑紫の空 玄海の風に吟い舞う」
全国吟詠剣詩舞道祭
時:平成十六年十一月七日(日)
場所:福岡サンパレス
主催:文化庁、福岡県教育委員会、福岡市教育委員会
財団法人日本吟剣詩舞振興会
財団公認福岡県吟剣詩舞道総連盟
第十九回国民文化祭福岡県実行委員会
第十九回国民文化祭福岡市実行委員会
 
全国吟詠剣詩舞道祭の会場となった福岡サンパレスホール
 
国際交流の街、福岡に広がる伝統の心
 日頃行なっている文化活動を、全国的な規模で発表し、競演する国民文化の祭典である国民文化祭。その中の全国吟詠剣詩舞道祭が、今年は福岡サンパレスにおいて華々しく開催されました。
 
 全国吟詠剣詩舞道祭は全三部から構成され、第一部は全国各流各派による全国吟詠各流合吟発表、式典をはさんで第二部は本部企画構成吟剣詩舞、第三部は地元企画構成吟剣詩舞となっていました。
 オープニングは勇壮な太鼓の音で始まり、その音に乗って地元小中学生による博多山笠が披露され、思わず舞台に引き込まれるほどの魅力にあふれた開会でした。つづいて、財団でご活躍の女流吟詠家による華麗なる舞台「祝賀の詞」が披露され、会場はその美しさ華やかさに包まれました。
 第一部、全国吟詠各流合吟発表は六十三団体、延べ一五〇〇名の壮大でスケールの大きな舞台を堪能することができました。出場団体はこの日のために精進したすべてを出さんと、熱のこもった合吟を発表し、息のあった合吟の素晴らしさ、魅力をタップリと味わうことができました。
 
 
 昼食休憩を挟んで式典が行なわれ、麻生渡福岡県知事の代理である長崎紀彦出納長が壇上に立ち、吟剣詩舞の素晴らしさを語られました。つづいて登場した山崎広太郎福岡市長代理の永松正彦収入役も吟詠剣詩舞の果たす役割の大切さを話され、福岡市で全国吟詠剣詩舞道祭を開催できることの意義深さを強調されました。最後に河田和良財団会長が壇上に立ち、「人の心に栄養を与える芸道」「礼と節を重んじ、親孝行を教え、協調と友愛の心をはぐくむ芸道」など、吟剣詩舞の多くの効用を述べられ、青少年へのより一層の普及を強く望まれました。
 
地元企画「風翔ける筑紫路の旅」で山浦瓊泉氏らの吟詠、原田麻美氏らの舞による「彦山」(広瀬淡窓作)
 
式典であいさつされる長崎紀彦福岡県出納長(県知事代理)
 
式典であいさつされる永松正彦福岡市収入役(市長代理)
 
財団を代表してあいさつする河田和良大会特別顧問
 
 第二部は本部企画構成吟剣詩舞「日本の玄関 ―空海、入唐一二〇〇年に寄せて―」が披露されました。平安初期の高僧で真言宗の開祖として知られる空海(弘法大師)の根本道場「高野山」を含む、「紀伊山地の霊場と参詣道」が今年ユネスコの世界遺産に登録されたことと、空海の入唐一二〇〇年に因んで、吟剣詩舞で空海を振り返る内容のものでした。河田和良財団会長を始め、役員の方々、また東西一流の吟剣詩舞道家の皆様が顔をそろえ、素晴らしい舞台を満喫、会場からは大きな拍手が沸き起こっていました。
 
「日本の玄関」出演者が勢ぞろいした第二部のエンディング
 
 第三部は地元企画構成吟剣詩舞「風翔ける筑紫路の旅」が上演されました。数多くの史跡や文化が残る博多の風土に触れながら、菅原道真公や福岡出身の漢詩家として有名な松口月城などの偉人の面影を吟剣詩舞で偲ぶ趣向の舞台でした。練習の成果を遺憾なく発揮し、その舞台は感動的でした。また、エンディングには博多名物の博多どんたく囃子や炭坑節も聴かれ、おそろいのはっぴを着た人々が会場後方から踊りながら登場し、盛り上がりのなか、舞台を終えることができました。最後に今回の実行委員会委員長である福岡県総連盟の高群華要氏から、次回開催県である福井県実行委員長の清水紫皓氏へ大会旗が引き継がれ、成功のうちにすべてが終了しました。来年もぜひ、福岡県に負けない感動の舞台を期待したいものです。
 
地元企画「風翔ける筑紫路の旅」で岡野麗風氏らの吟詠、山本青雅氏らの舞による「筑前城下の作」(広瀬淡窓作)
 
地元企画のエンディングで舞台・会場が一体となった「博多どんたく囃子」
 
「日本の玄関」で藤上南山氏とその社中の皆さんの舞、藤原光伶子氏らの吟詠による「長安春望」(盧綸作)
 
吟詠剣詩舞道祭旗が福岡県総連から次回開催地・福井県総連へ引き継がれ大会は終了した


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