日本財団 図書館


今月の詩(8)
平成十六年度全国吟詠コンクール指定吟題から
【幼年・少年・青年の部】(続絶句編)(8)
両英雄  徳富蘇峰
 
《大意》西郷隆盛と勝海舟との偉大な人柄と力量とをたたえて詠じたもの。
 錦の御旗を先頭に、討幕の官軍が堂々進軍して関東を威圧している。この危機にあって、江戸百万の庶民の生死は西郷、勝の談笑の中にかかっている。物事を見きわめることのない群小どもには、二人の画く天下の大計など知るはずもないが両者相対する姿は、永遠に伝えられるであろう。
 
【一般一部・二部・三部】(続絶句編)(8)
母を奉じて嵐山に遊ぶ  頼 山陽
《大意》文政二年(一八一九)三月二十四日、母・静子を案内して嵐山を訪れ、夕方、三軒屋の宿にて感懐を詠った詩。
 嵐山を五年もの間訪れていなかったが、いま来てみると、万株もの桜の木が花をつけて、ますますあでやかで美しい。何よりもうれしいことは、毎晩、母と枕を並べ、この桜の香しい雲の中に包まれて眠ることができることである。(解説など詳細は財団発行「吟剣詩舞道漢詩集」をご覧ください)


前ページ 目次へ 次ページ





日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION