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2. 中国の「行政の地方移管」と招聘。
 上記のとおり、世界各国の言語教師送り出し機関を、専家局の承認制にして一括管理する政策は、1998年の中央・地方行政機関の簡素化によって大幅な修正が加えられました。中央行政機関では大リストラが進行し、例えば専家局の英語圏担当、日本国担当とも大幅に人員が削減されました。
 その結果、外国人教師の招聘にしても、各地方人民政府(外事処)・教育委員会が直接、海外の送り出し機関へ連絡(招聘)し、その結果を専家局が掌握することとなったのです。
 しかし、当センターとしては、従来どおり、専家局からの一括招聘でない限り派遣事務に重大な支障を来すことを力説し、当センターの派遣に限っては、例外的に従来どおりの方式をとることとしています(専家局が責任を負い、実務は下部機構の「人材交流協会」に委託)。
3. 海外派遣を行っている公的機関
●国際交流基金 日本研究部 日本語課
東京都港区赤坂1-12-32 アーク森ビル21F TEL: 03-5652-3524
(中国を含む世界各国へ日本語教育専門家を派遣。年齢60歳以下。選考試験あり。)
●青年海外協力隊事務局 TEL: 03-5352-7261 FAX: 5352-5586
東京都渋谷区代々木2-1-1 新宿マインズタワー6F
国際協力事業団 青年海外協力隊事務局
(満20歳〜39歳 筆記、面接試験あり。月270〜700ドルの定額支給)
(中国派遣者へは月350ドル、日本で月99,700円を積み立てる。)
●シニア−協力専門家 TEL: 03-3355-6445
国際協力事業団派遣事業部 シニアー協力専門家事業係
東京都新宿区市ヶ谷本村町42 経済協力センタービル1F
 
中国・1口メモ
中国の四大料理
川菜 chuan cai(四川料理) 粤菜 yue cai(広州料理) 魯菜 lu cai(山東料理) 淮菜 huai cai(准楊料理)
五大名山
衡山 heng shan(湖南省)、泰山 tai shan(山東省)、
恒山 heng shan(山西省)、嵩山 song shan(河南省)、
華山 hua shan(陜西省)、(有名な黄山は別格)
四大仏教名山
五台山 wutai shan(山西省)、九華山 jiuhua shan(安徽省)、
普陀山 putuo shan(浙江省)、峨眉山 emei eishan(四川省)、
四大美人
西施(春秋時代、越の美女、西子ともいう。越王句践が会稽の戦いに破れ、呉王夫差に献じた女性といわれる。)
楊貴妃(唐の玄宗皇帝の愛妃。容色すぐれ、皇帝の愛を独占して貴妃となり、一族も要職を占めたが、安禄山の乱で殺される。)
王昭君(前漢の元帝の女官。非常な美人で幻奴の王妃として遣わされたが、その地で死去。)
貂嬋(董卓の愛人。三国志に詳述)
四大奇書
水滸伝(明代の長編口語小説。北宗の徽宗のとき、宋江を首領とする百八人の豪傑が梁山泊にたてこもり、官軍に抵抗する物語)
西遊記(明代の長編小説。呉承恩の作。唐の三蔵法師玄奘がインドヘ旅をして経典をもたらした史実に基づき、これを小説化した)
紅楼夢(清代の長編小説。曹雪芹の作。一名、石頭記。貴公子と美女たちの生活を描いたもの。)
三国志演義(明の羅貫中の作。魏、蜀、呉の三国興亡を蜀漢正当論の立場で記述。三国志が魏を正当王朝とする立場とは異なる)
 
中国・専家局との協議書
 この協議書は、日本語教師派遣の基本です。赴任先で熟知していない場合には、ご提示ください。
 
教師の派遣・招聘に関する中国国家外国専家局並びに日中技能者交流センター間の協議書
一、招聘及び派遣
1. 中国人民共和国国家外国専家局(以下甲という)は、文教専門家を招聘するという基本方針に基づき、2005年4月1日から2006年3月31日までの1年間、(財)日中技能者交流センター(以下乙という)から教師を「文教専門家」として招聘し、日本語教育およびその他の専門の教育に従事させることとする。
2. 当該年の派遣教師数は、中国側の需要を勘案し、甲乙双方で協議のうえ、100名の枠内で、派遣・招聘人数を決定する。
3. 甲が乙から招聘する教師の招聘期間は原則として1年間とする。但し双方の協議により招聘期間を短縮または延長することができる。原則的には招聘期間延長は1年とするが特別の状況があるときは延長期間を2年とすることができる。但し、期間延長の人数は当年派遣総数の2分の1以下とする。
4. 甲・乙双方は友好協力の精神に基づき、乙は遅くとも教師の派遣予定日の3ヵ月前までに派遣を予定する教師の履歴書及び健康診断書並びにその他の関係書類を甲に送付し、甲は派遣2ヵ月前に被確定人員と招聘先の要望(例えば教育内容・教育課程・授業時間数その他の関係要望等)を乙に通報する。
二、国際往復旅費及び派遣準備
 乙は、乙の責任において甲から招聘された教師に対し、次の諸準備を行うと共に、それらに必要な諸経費を負担する。
1. 派遣教師の募集及び選考業務
2. 派遣教師に対する研修(外国人に対する日本語教授法及び中国事情並びに中国の風俗・習慣等)
3. 国際往復旅費
三、中国滞在中の処遇
 甲は、乙から派遣された教師に対し、その滞在期間中、受入れ先から次の処遇を受けることを保証する。
1. 受入れ先は在任中、毎月3,000元を下回らない生活費及び任期1年のうちに1回、休暇手当として3,000元を支給する。
2. 受入れ先は、教師に「外国人文教専門家証明」の交付手続きを行う。教師はこの証明を持ち、関係する規定によって優遇措置をうけることができる。
3. 受入れ先は、自炊可能な宿舎を無償提供する(含水道光熱費)。
4. 受入れ先は、中国国家外国専家局の定める基準に従った公費医療を提供する。
(注)中国の医療制度の改革により、「公費負担」は省段階では「半額負担」とするところが多くなり、このため2002年3月当財団と専家局と協議し「専家局の定める基準にしたがって負担する(全額負担)」と確認した。
5. 受入れ先は、赴任及び離任の際の中国国内交通費並びに宿泊費を支給する。
6. 受入れ先は、通勤の便を図る。
四、査証及び出入国
 甲は、乙の派遣する教師の中国赴任及び離任に当たって、出入国査証など必要な便宜を図る。
五、免税
 乙の派遣する教師は、入国の際、携帯する教材、参考書、教育用機器、本人用生活用品等について、中国現行税制のもとで、規定された数量範囲内で申請したものに限り免税される。
六、その他
1. 乙から派遣された教師は中国滞在中、中国の法律、規則及び受入れ先の関係規則を遵守し、中国人民の風俗・習慣を尊重する。
2. 乙から派遣された教師が健康その他の理由で任務を遂行できなくなった場合、甲・乙協議の上交替或いは解任することができる。
3. 甲・乙双方は、この協議書の目的をより効果的に実施するため、常時意見の交換を行い、相互の理解と協力を強化する。
4. 本協議書の有効期限は2006年8月31日までとする。
 本協議書は、必要に応じて甲・乙双方の協議により追加または修正することができる。
 本協議書は、中国文と日本文でそれぞれ2通づつ作成し、中国文及び日本文のもの各1通をもって一式とし甲・乙それぞれ一式を保有する。
尚、本協議書の中国文と日本文は、同じ効力を有するものとする。
2005年3月20日
 
甲側代表
中華人民共和国国家外国専家局
副局長 李 兵
 
乙側代表
日中技能者交流センター
理事長 槙枝元文
 
(注)1. 1989年4月1日、中国職工対外交流中心及び中国国家外国専家局と日中技能者交流センターとの間で協議書締結。2. 1994年3月5日、前協議書の期間満了により中国国家外国専家局と日中技能者交流センターとの間で協議書を締結(協議事項の延長)。3. 1996年3月20日、前協議書の期間満了により、一部内容を改定のうえ延長・協議書を締結。4. 1996年6月11日、協議書中3の1(生活費)を1,200元より1,500元に引き上げ、96年9月1日より施行することに改定。5. 前協議書の期間満了により、1999年3月20日、若干の改定(生活費を最低限度1,500元とし調印した。さらに2000年より、生活費を「外籍文教専家」の最低保証である2,200元とし、さらに2005年より3,000元とした。)
2. 中国の大学・学院での担当時間数は、主たる授業内容が日本語会話の場合は週16時間以内。精読、作文等の場合は週14時間以内とされている。(専家局内規)


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