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1.2.10 異物混入水試験
 計器は、下記の通り汚染水で試験すること。
.1 汚染物は、下記のとおり混合タンクで水と攪拌・混合すること。
 汚染物は、重量でアタプルガイト(attapulgite)(注a)270ppm以上と酸化鉄(注b)30ppm以上の混合物とする。それぞれの材料は、下記の基準で混合タンク内で順に混合のこと。
.1.1 懸濁液を生成するためアタプルガイトは15分以上攪拌・混合し、酸化鉄はそれに加えて10分以上攪拌・混合すること。安定した懸濁液を得るため、攪拌・混合は、試験期間中保持すること。
.2 計器は、水で運転し、No.2原油15ppmを水に加えること。
.3 試験水は、水から汚染水に切り替えること。
.4 計器の読みのいかなる変化も証書に記録のこと。計器の読みは、1.2.1項で規定された精度内にあること。
.5 上記.2、.3及び.4の試験を100ppm及び300ppmで実施すること。
.6 試験が15分以上確保できるよう十分な水量を準備すること。
(a)アタプルガイトは、化学組成が(Mg, Al)5Si8O22(OH)44H2Oの粘土とし、清水及び塩水中で安定したものとする。試験汚染物は、粒度分布において10ミクロン以下が約30%、最大粒径は100ミクロンとする。
(b)酸化鉄は、黒酸化鉄で90%は10ミクロン以下とし、残りは100ミクロン以下とすること。
1.2.11 空気混入水試験
.1 水とNo.2原油15ppmで試験を実施すること。
.2 空気は、サンプルポンプの直前に混入すること。又は、そのようなポンプがない場合、混合水をつくるコンディショニングユニットの直前で混入すること。
 空気は、サンプル流れと一致するように、且つ穴径が0.5mm以下の針から混入させること。空気の混入量は、注入点において、サンプルポンプまたはコンディショニングユニットの流量の1%とすること。空気は、計測装置を通じて直注入またはポンプにより注入し、要求量の±10%以下の精度とし、試験は連続15分間以上とする。
.3 計器の読みの変化は、証書に記録のこと。
.4 上記.1、.2及び.3の試験を100ppm及び300ppmで実施すること。
1.2.12 油粒サイズ・油水混合度合影響試験
 計器はNo.2原油100ppmの試料で運転すること。ある範囲の粒径の油を計器に供給するため、高効率シアポンプを種々の速度で運転した後、栓を閉じること。計器の読みに及ぼす粒径のいかなる影響も記録し、証書に記載のこと。
 この試験は、計器の精度が油粒径や油と水の混合割合によって重大な影響を受けないことを証明することを目的とする。
1.2.13 温度変化試験
 計器は100ppmのNo.2原油の試料で運転すること。水温は10℃及び65℃で運転すること。もしも、製造者の仕様書での最高温度が65℃以上である場合には、その計器は掲載している最高温度で運転し、この事実を記録すること。計器の読みに対する水温のいかなる影響も記録し、証書に記載のこと。
1.2.14 圧力・流量率試験
 計器は、100ppmのNo.2原油と水の混合液で運転すること。混合水の圧力又は流量は定格の1/2、定格及び定格の2倍に調整すること。計器の読みに対するこれらの変化のいかなる影響も記録し、証書に記載のこと。
 計器の流量特性によっては、この試験方法を修正する必要があるかもしれない。
1.2.15 8時間休止影響試験
 計器は100ppmのNo.2原油と水の混合液で運転すること。水及び油の注入ポンプを遮断すること。その他については変更しないこと。計器は作動のままにしておくこと。
 8時間後、栓を開いて、100ppmに設定した水と油を接続すること。この前後の読み及びいかなる計器の損傷も記録すること。計器が低流量遮断機能及び警報について、この試験では計器本来の働きを判定する。
1.2.16 電圧変動試験
 計器は100ppmのNo.2原油と水の混合液で運転すること。供給電圧を1時間の間、設計値の110%に上げ、次に1時間の間、設計値の90%に下げること。
 計器の性能に及ぼすいかなる影響も記録し、証書に記載のこと。
 もし、計器が電気的なものの他になんらかの有効なものを必要とする場合には、計器はこれらの有効なものの設計値の110%及び90%で試験すること。
1.2.17 指示安定試験
 製造者の取扱説明書に従って計器の較正を行い、零点調整を行うこと。8時間の間、100ppmのNo.2原油と水の混合液を計器に通し、いかなる目盛りの変化も証書に記録すること。この試験に引き続き、計器は油を含まない水で運転し、いかなる零点の変化も証書に記録すること。
1.2.18 1週間休止影響試験
 計器は運転を停止し、1週間の間、活動させないでおくこと。計器は製造者の取扱説明書により、栓を開き起動すること。指示された暖機及び較正の手続の後、計器は100ppmのNo.2原油と水の混合液で1時間、油を含まない水で1時間ずつ交互に、8時間運転すること。いかなる零点の又はスパンの変化も証書に記録すること。製造者の指示した暖機及び較正の手続に要した全所要時間を証書に記録すること。
1.2.19 試験結果の報告
 製造者は、型式承認申請時当該機器の仕様書及び試験装置のダイヤグラムを当局に提出し、次のようなデータを国際メートル法単位で報告しなければならない。
.1 試験に使用した油の種類及び性状
.2 試験した不純物の詳細、(供給者の証書又は研究所テスト議定書)及び
.3 試験の結果及び試料の分析
 試料の選択及び適用に関し、油分濃度計の製造者が推奨するものを型式承認証書の付録に記載すること。
 
図1 試験装置
 
 混合タンクの大きさは、少なくとも15分の試験が可能となるものとしなければならない。攪拌・混合は、混合タンク内、又は循環によって行わなければならない。
 
図2 試料採取装置
 
1.3 油分濃度の測定方法
 油分濃度の測定は、抽出溶剤及びガスクロマトグラフィーによる水中の炭化水素の採取及び濃度の測定を規定した国際規格ISO 9377-2:2000(水質―炭化水素油の決定インデックス−第2部:溶剤による抽出及びガスクロマトグラフィー分析方法)に従って行われるものとする。


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