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表4 排気ガス流量の算出に使用される記号、用語の説明及び変数
記号 説明 単位 備考
ALF 燃料の水素含有量 %m/m
BET 燃料の炭素含有量 %m/m
CO2D CO2濃度 %v/v 乾き排気ガス中
CO2W CO2濃度 %v/v(wet) 湿り排気ガス中
COD CO濃度 ppm 乾き排気ガス中
COW CO濃度 ppm 湿り排気ガス中
CW すす mg/m3 湿り排気ガス中
DEL 燃料の窒素含有量 %m/m
EAFCDO 完全燃焼及び炭酸ガス濃度に基づく空気過剰率(1V, CO2 kg/kg
EAFEXH 炭素を含む成分の排気ガス濃度に基づく空気過剰率(1V kg/kg
EPS 燃料の酸素含有量 %m/m
ETA 湿り燃焼空気の窒素含有量 %m/m
EXHCPN 炭素(C)を含む成分の排気ガス比 V/V
EXHDENS 湿り排気ガスの密度 kg/m3
FFD 乾き状態における排気ガス流量計算のための燃料係数 乾き基準
FFH 乾き濃度から湿り濃度に換算するために使用する燃料係数
FFW 湿り状態における排気ガス流量計算のための燃料係数 湿り基準
GAIRD 燃焼空気質量流量 kg/h 乾き燃焼空気
GAIRW 燃焼空気質量流量 kg/h 湿り燃焼空気
GAM 燃料の硫黄含有量 %m/m
GCO COの排出量 g/h
GCO2 CO2の排出量 g/h
GEXHD 排気ガス質量流量 kg/h 乾き排気ガス
GEXHW 排気ガス質量流量 kg/h 湿り排気ガス
GFUEL 燃料質量流量 kg/h
GHC HCの排出量 g/h 炭化水素
GH2O H2Oの排出量 g/h
GN2 N2の排出量 g/h
GNO NOの排出量 g/h
GNO2 NO2の排出 g/h
GO2 O2の排出 g/h
GSO2 SO2の排出 g/h
HCD 炭化水素 ppmCl 乾き排気ガス中
HCW 炭化水素 ppmCl 湿り排気ガス中
HTCRAT 燃料の水素対炭素比,a mol/mol
NO2W NO2濃度 ppm 湿り排気ガス中
NOW NO濃度 ppm 湿り排気ガス中
NUE 燃焼空気の含水量 %m/m
O2D O2濃度 %v/v 乾き排気ガス中
O2W O2濃度 %v/v(wet) 湿り排気ガス中
STOIAR 燃料1kgの燃焼に必要な化学量論的空気量 kg/kg
TAU 湿り燃焼空気の酸素含有量 %m/m 湿り空気
TAU1 排出される湿り燃焼空気の酸素含有量 %m/m 湿り空気
TAU2 燃焼される湿り燃焼空気の酸素含有量 %m/m 湿り空気
VCO COの体積流量 m3/h (排気ガス成分)
VCO2 CO2の体積流量 m3/h (排気ガス成分)
VH2O H2Oの体積流量 m3/h (排気ガス成分〉
VHC HCの体積流量 m3/h (排気ガス成分)
VN2 N2の体積流量 m3/h (排気ガス成分)
VNO NOの体積流量 m3/h (排気ガス成分)
VNO2 NO2の体積流量 m3/h (排気ガス成分)
VO2 O2体積流量 m3/h (排気ガス成分)
VSO2 SO2の体積流量 m3/h (排気ガス成分)
備考:・気体の標準状態m3は、273.15K及び101.3kPaにおける状態をいう。
   ・水とガスの平衡定数=3.5
 
別紙2 シリーズで製造される原動機の審査
(原動機ファミリー及び原動機グループの概念)
1. 一般
1.1 シリーズで製造される原動機に対するNOxの相当確認を合理化するために、原動機ファミリー又は原動機グループの概念を適用することができる。
 
1.2 原動機製作者等はシリーズの概念を適用するに当たって、原動機ファミリー又は原動機グループのどちらの概念を適用するかをあらかじめ決定すること。
 
2. 用語
 本別紙で使用する用語は次に掲げるところによる。
2.1 原動機ファミリー
 以下に該当する原動機のシリーズをいう。
1)3.2に規定する設計上の特徴を持ち、ファミリーに属する全ての原動機が適用されるNOx放出基準に適合していること。
2)当該シリーズの原動機は、船舶に設置された後、NOxの放出量に影響を与える調整又は改造を必要とせずに製造時の状態で使用されること。
 
2.2 原動機グループ
 以下に該当する原動機のシリーズをいう。
1)4.2に規定する設計上の特徴を持ち、グループに属する全ての原動機が適用されるNOxの放出基準値に適合していること。なお、原動機グループは原動機ファミリーに対してより限定的なシリーズである。
2)当該シリーズの原動機は、船舶に設置された後、船内での使用条件を満たすための調整又は改造が認められる。ただし、その場合であっても、適用されるNOxの放出基準値に適合すること。
 
2.3 代表原動機
 原則、シリーズに属する全ての原動機の中でNOxの放出量が最も多い原動機であり、相当確認に関するシリーズの代表原動機
 
2.4 代表以外の原動機
 シリーズを構成する代表原動機以外の原動機
 
2.5 同一原動機
 既に承認された原動機と構造及びNOxの放出量が同一の原動機
 
3. 原動機ファミリー
3.1 概念の適用
 原動機ファミリーの概念を適用することにより、相当確認に関するシリーズの代表原動機に対して相当確認を実施することで、当該ファミリーに属する全ての原動機が適用されるNOxの放出基準値に適合していると認めて差し支えない。
 
3.2 原動機ファミリーの選択指針
 以下の基本特性は、原動機ファミリーに属する全ての原動機に共通しなければならない。
1)燃焼サイクル
(1)2ストロークサイクル
(2)4ストロークサイクル
2)冷却媒体
(1)空気
(2)水
(3)油
3)シリンダ当たりの排気量
 ただし、許容範囲を15%以内とする。
4)シリンダ数及びシリンダ配列
 ただし、排ガス処理装置と組み合わせるなど、特定の場合のみ適用する。
5)吸気方法
(1)自然吸気
(2)過給
6)燃料の種類(ISO8217-1996)
(1)DM級(留出油)
(2)RM級(残さ油)
(3)二元燃料
7)燃焼室の形式
(1)単室式(直接噴射式)
(2)複室式
8)バルブ及びポートの構成、寸法及び数
(1)シリンダヘッド
(2)シリンダ壁
9)燃料噴射システムの種類
(1)機械式制御(位置制御:プランジャのリードとバレルのポートによる制御)
・列型(連筒型)噴射ポンプ
・分配型噴射ポンプ
・単筒型噴射ポンプ(ユニットポンプ)
・ユニットインジェクタ
(2)電磁弁制御(時間制御:噴射始めと噴射時間の電磁弁による制御)
・ユニットポンプ型噴射装置(電磁弁付き単筒型噴射装置)
・電磁弁制御式ユニットインジェクタ
・電磁弁制御式分配型噴射ポンプ
・コモンレール型噴射装置
(3)ガスバルブ
10)その他の機能
(1)排ガス再循環(EGR)
(2)水噴射/エマルジョン
(3)空気噴射
(4)給気冷却システム
(5)排ガス後処理
(6)還元触媒
(7)酸化触媒
(8)熱反応器
(9)微粒子トラップ
 
<参考>シリーズの範囲を示す資料(例)
(* 同型式であってパラメータが異なる原動機ファミリーの場合)
 
3.3 代表原動機の選択指針
1)原動機ファミリーの代表原動機の選択は、g/kWhで表されるNOxの放出量が最も多くなる可能性のある特徴及び特性を備える原動機を選ぶべきという基本に沿って行うこと。以下の基準は、NOxの放出量が多くなる可能性のあるものとみなされるが、選択の過程ではこれらの組み合わせやその他の特性についても合わせて考慮すること。
(1)主要選択基準
・最大トルク回転速度において、ストローク当たりの燃料噴射量が最も多い原動機
(2)補助選択基準
・平均有効圧力が高い原動機
・最大筒内圧力が高い原動機
・給気/点火圧力比が高い原動機
・燃焼曲線の勾配が小さい原動機
・給気圧力が低い原動機
・給気温度が高い原動機
2)原動機製作者等によって事前に計測されたNOxの放出量のデータは、その計測試験が適切に行われていると船舶検査官が判断する場合には、代表原動機の選択方法として認めて差し支えない。
3)前述の基準に基づいて代表原動機を選択する場合、NOxの放出量が多いと思われる原動機を更に一台追加で選択し、相当確認を実施して差し支えない。


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