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5.3 ボートダビット及びボートウインチの保守整備
5.3.1 保守点検計画
 ボートダビット及びボートウインチの週毎及び月毎の保守点検は、以下により行う。
 
5.3.1.1 ボートダビット
保守対象 点検 点検要領 保守計画 備考
週毎 月毎
本体
フレーム
外観 腐食、曲がり、凹みの無いことを確認
ダビットアーム 外観 腐食、曲がり、凹みの無いことを確認
作動 アームが動くことを確認
振り出し 異常の有無を確認
シーブ及びサスペンションブロック 外観 磨耗、腐食のないことを確認
作動 作動確認
給脂 グリス給油
ヒンジピン
シーブピン
給脂 グリス給油
ダビットアームストッパー、
トリガーフック
外観 摩耗、腐食のないことを確認
作動 作動確認
給脂 グリス給油
ボートフォール
ターンバックル
外観 磨耗、素線の切断、腐食のないことを確認
給脂 グリス給油 * *2ヶ月に1回程度
端替え ボートフォールの端替 端替2.5年以内
新替え ボートフォールの交換 交換5年以内
ラッシングライン 外観 磨耗、腐食及び緩みのないことを確認
舷側操作装置 作動 作動確認
給脂 グリス給油
艇内リモートコントロール装置 外観 摩耗、腐食のないことを確認
作動 作動確認
給脂 グリス給油
ボートチョック 外観 摩耗、腐食のないことを確認
 
5.3.1.2ボートウインチ
保守対象 点検 点検要領 保守計画 備考
週毎 月毎
ギヤボックス
歯車、ベアリング、オイルシール
外観 潤滑油(量・油汚れ)
作動 異常音のないことを確認
ブレーキ装置
ガバナーブレーキ
外観 腐食及び異常のないことの確認
根止めコッター 外観 緩みのないことを確認
ブレーキレバー 外観 腐食及び異常のないことの確認
作動 作動確認
速度切換えレバー 給脂 グリス給油
 
5.3.1.3電装品
保守対象 点検 点検要領 保守計画 備考
週毎 月毎
電動機 外観 配線の異常の有無
作動 作動確認
リミットスイッチ 外観 配線の異常の有無
作動 作動確認
給脂 グリス給油
コントロールローラー及びケーブル 外観 配線及び全体の異常の有無
作動 作動確認
始動器盤 外観 異常の有無
作動 作動確認
 
5.3.2 船上における保守要領
5.3.2.1 一般的事項
 船上保守要領については、一般手入れのほか、下記の点に留意の上、各判定基準に従って十分管理しなければならない。
 下記以外の部分については、それらの詳細を記録しておいて、本船が長期係留時或いはドック時に修理を行う。
 
5.3.2.2 ワイヤロープ
(1)以下の場合はワイヤロープを交換する。
a. ワイヤロープの素線が切断した場合
b. ワイヤロープの磨耗によるロープ径の減少が公称径の7%を超えた場合
c. 撚りの戻り、キンク等がある場合
d. 腐食がある場合
(2)ワイヤロープの根止め部分の確認
 根止め部分の素線が飛び出していないか、抜けかかっていないか点検する。
(3)ボートフォールの交換
 2年半を超えない期間でロープの両端を入れ替え、消耗により必要になった場合、或いは5年より短い期間のいずれか早い時期に新換えする。
(4)ボートフォールの長さ調整
 船首側、船尾側でダビットアームとフレーム付きストッパーの隙間のバランスが悪い場合は、調整ターンバックルを調整し、隙間が均一になるようにする。
 
5.3.2.3 ボートウインチ
 注:ボートウインチの整備のときは、ボートを動かないように十分に固縛しておくこと。
(1)オイルの補給及び交換
・オイルが褐色又は乳白色に変色しているときは交換する。
・油量が不足している場合はオイルゲージの中央まで補充する。
(2)ギャーボックス
・異常音があった場合、各歯車の歯面を点検し、異常がある場合は修理又は交換する。
(3)ブレーキレバー
・ブレーキライニングの摩耗によって、ブレーキレバー角度が下がった場合は正常なブレーキ力を維持できなくなるので、下がっている場合はボス部の六角ボルトを弛め所定の角度になるように調整する。
 
 
5.3.2.4 給脂要領
 適切に潤滑を行うことは重要である。ボートダビットの構造及び作動を十分に理解し、規則的な給脂及び点検を行う。
給脂詳細:
a. グリス
 ボートダビット各部にはグリスニップルを備えてある。グリスニップル箇所は1ヶ月に1回のグリス給油を行う。
b. ギヤ油
 ボートウインチ内部のギヤ油は、定期的に油量の確認、変色の有無、水分の混入などの点検をする。
c. ワイヤロープ
 ワイヤロープ油は、定期的な油切れの有無を点検する他、2ヶ月に1回程度給脂する。


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