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2 バラスト水中の有害水生生物
2.1 当委員会は、バラスト水管理条約は2004年6月1日〜2005年5月31日が参加国による署名機関であり、多数の国が文書によりIMO事務局長に条約への批准の意志を表明したことを銘記した。
 
2.2 当委員会は、全ての文書の完了の成功に貢献した政府に早期の発効を容易にするために条約への署名及び批准を強調した。
 
2.3 当委員会は、今後数年間、条約が実施される下で、適切な状態にしていくこと、及び2005年7月のMEPC 53の間に条約の規則D-5の下で求められる見直しを容易にするために、今会期でバラスト水管理システムの承認ためのガイドライン(G8)及び活性化物質承認のための手順(G9)を終了させることに集中することに合意した。
 
2.4 当委員会は、この討議事項の下で26の文書が提出されたことを銘記した。MEPC 52/2及びMEPC 52/2/12(英国)、MEPC 52/2/1(ドイツ)、MEPC 52/2/2(ISAF)、MEPC 52/2/3(インド)、MEPC 52/2/4(ノルウェー)、MEPC 52/2/5及びMEPC 52/INF.11(オランダ)、MEPC 52/2/6(ドイツ、日本及びオランダ)、MEPC 52/2/7、MEPC 52/2/8及びMEPC 52/2/9(日本)、MEPC 52/2/10、MEPC 52/2/13、MEPC 52/2/14、MEPC 52/2/15、MEPC 52/2/16、MEPC 52/INF.5及びMEPC 52/INF.14(米国)、MEPC 52/2/11(IACS)、MEPC 52/2/17(サウジアラビア)、MEPC 52/INF.3(ドミニカ)、MEPC 52/INF.8及びMEPC 52/INF.9(事務局)、MEPC 52/INF.13(シンガポール)及びMEPC 52/INF.16(ブラジル)
 
2.5 当委員会は、バラスト水を交換する際、安全規則に一時的に従わないことの容認性を確認するためにMEPC 49による提案に従い、MSC 78はNAV及びSLF小委員会に安全面から一時的な離路の差し支えない限界を定めることを支持したことを想起した。この点に関して、当委員会はNAV 50がこの問題の準備段階のみ審議することが可能であること及び将来の会期でこの問題のさらなる審議が行われることを銘記した。
 
2.6 当委員会はさらに、SLF 47がバラスト水交換の間の一時的な離路の問題について、討議事項「その他の事項」の下で審議したこと及び次回の会議でこの件を討議事項として含むことを決定したことも銘記した。
 
2.7 当委員会は、討議事項6(MARPOL 73/78及び関連文書の解釈と改正)の下バラスト水を交換する際MARPOLからの一時的な逸脱に関してMARPOL附属書Iの改正を提案した文書MEPC 52/2/11(IACS)を審議すること及びバラスト水を交換する際一時的にSOLASに従わないことに関するSOLAS V/22の改正を提案した文書MEPC 52/2/12を検討のためMSCに委託することに合意した。
 
2.8 当委員会は、英国による要請に従い、バラスト水交換中SOLAS V/22規則に一時的に従わないことの法律的な助言が文書MEPC 52/WP.3の中でIMOの法律室(Legal Office)により提出されたことを銘記した。
 
2.9 当委員会は、文書MEPC 52/WP.3を検討のため文書MEPC 52/2/12と共にMSCに委託することを決定した。問題はさらに事項6の下で審議される。
 
2.10 MSC 77が高い優先事項としてSTW小委員会の検討項目の中に「バラスト水管理の訓練のための要件の作成」を含んだことを想起し、当委員会は、MSC 77の決定に同意し、代表団及びオブザーバーにSTW小委員会による検討のための適切な提案を提出するよう促した。
 
2.11 当委員会は、MEPC 51よりの指示として、FSI小委員会がFSIの討議事項として「バラスト水管理条約規則E-1により要求される検査ガイドラインの作成」の項目を含めたこと及び代表団及びオブザーバーにFSI 13による検討のため提案を提出するよう促したことを銘記した。
 
2.12 当委員会は、2004年5月19日〜21日にシンガポールにおいて、第2回国際バラスト水管理会議及び技術展示会が開催されたこと、及び、ブラジルにおいてGloBallast Programmeが実施されたことに関する文書MEPC 52/INF.13及びMEPC 52/INF.16でシンガポール及びブラジルより提供された情報を銘記した。当委員会は、シンガポール及びブラジルに情報に対して感謝した。
 
2.13 当委員会は、バラスト水管理国のプロファイルに関する26の返答をIMO加盟国から受取ったこと、及び、全ての代表団にGloBallastによる作成の下のバラスト水管理国のプロフィールのデータベースの完了を促すため、添付MEPC/Circ.397の質問に関する必要な情報を提供するよう促したことも銘記した。
 
2.14 当委員会は、バラスト水作業部会が2004年10月4日〜8日の中間期に会合を行い多数の未解決の問題、特に、文書MEPC 52/WP.2に示されたバラスト水管理システムの承認のためのガイドライン(G8)及び活性化物質承認の手順(G9)に関する問題の解決にむけ重大な進展をし当作業部会の議長より提出されたことを銘記した。
 
2.15 当委員会は、バラスト水管理条約規則E-1により求められている検査ガイドラインをFSI 13に提出した英国の意図を銘記した。
 
2.16 当委員会は、多数の問題が解決もしくは最終化されたことを銘記し、以下の委託事項と共に、バラスト水作業部会を議長Mr. Mike Hunter(英国)の下、再招集することに合意した。
 
.1 バラスト水管理システムの承認のためのガイドライン(G8)起案の見直し及び、当委員会が特にガイドラインの承認の見解と共に意志決定出来る船上の試験に関する文書の提出。
 
.2 特に当委員会による承認の見解と共に活性化物質の使用するバラスト水管理システムの承認の手順(G9)起案の最終化。
 
.3 当委員会による確認の見解と共に会議決議2及び4を考慮したバラスト水管理条約規則D-5に記載されたバラスト水管理技術の状況の見直しを行うための勧告の最終化。
 
.4 時間の許す限り、文書MEPC 52/2/2、MEPC 52/2/3、MEPC 52/2/17、MEPC 52/2/16、MEPC 52/2/INF.8、MEPC 52/2/15、MEPC 52/2INF.14、MEPC 52/2/14に含まれる情報を考慮してガイドライン(G1)、(G2)、(G3)、(G4)、(G5)、(G6)、(G7)、(G10)、(G11)、(G12)及び(G13)のさらなる作成。
 
.5 当委員会による検討のための作業部会により行われた作業の記載された報告書を2004年10月14日火曜日に準備すること。
 
バラスト水作業部会の報告書
 
2.17 バラスト水作業部会議長は、中間期の会議及び今会期の間に当作業部会により行われた作業の報告書を、MEPC 52/WP.7に含むとして提出した。
 
2.18 当作業部会議長は、報告書の完了後、バラスト水作業部会は非公式に継続し、さらにバラスト水管理及びバラスト水管理計画のガイドライン(G4)を作成し、MEPC 53による検討のための文書として当部会により準備された文書を提出するよう事務局に要請することに合意したことを述べた。
 
2.19 作業部会議長は、当部会が文書MEPC 52/2/11を審議するために非公式に会合を行い、特に、以下の読替とともにこの文書で提出された改正MARPOL附属書Iの規則30.6.1の改正を支持することに合意したことも述べた。
 
「.3 海上でポンプにより、船舶バラスト水及び沈殿物の管制及び管理のための国際条約の規則D-1.1の下でバラスト水の交換が行われている場合は」
 
 当部会は、バラスト水交換の設計及び構造基準のためのガイドライン(G11)の船外排出弁に関する適切なガイドラインを含めることにも合意した。
 
2.20 オランダの代表団は、ガイドラインもしくは手順の適用が、国際及び地域的な法律を含み、法律と相容性で有るかどうかの決定は、個々の国であると言う意見を表明した。
 
委員会の取った措置
 
2.21 バラスト水作業部会の報告書(MEPC 52/WP.7)を審議して、当委員会は、
 
.1 文書MEPC 52/WP.7附属1に含まれている、作成されたバラスト水管理システムの承認のためのガイドライン(G8)の進捗状況を銘記した。しかし、生物学的有効性の問題に関して船上試験を必要とするさらなる検討のため、ガイドラインの承認は適切ではない。当委員会は、DE 48に最優先事項としてガイドライン起案を審議すること及びMEPC 53に意見を提出することを求めることに合意した。当委員会はさらに、加盟国にMEPC決議書によるMEPC 53でのガイドラインの採択の見解と共に生物学的有効性の意見を招請した。当委員会は、ガイドラインの残りの規定の一般的な合意を銘記し、文書は製造者がさらなる関連技術が発展した際ガイダンスとして使用出来ることに合意した。
 
.2 FSI小委員会に特にG8ガイドラインの下で承認されたタイプもしくはG10ガイドラインの下で承認されたプロトタイプに従って船上に装備されたBWMSからのサンプリングに焦点をあてたBWM条約の下の寄港国検査のためのガイドラインの作成を指示した。
 
.3 MEPC決議書によるMEPC 53での採択のためのさらなる検討の見解と共に、文書MEPC 52/WP.7の附属2に含まれている、活性化物質承認のための手順(G9)を承認した。
 
.4 BWM条約の規則D-5により要求されている、バラスト水処理技術の見直しを行うための勧告を確認し、加盟国にMEPC 53の間の見直しを容易にするためのこれらの勧告に関する情報を提出するよう招請した。
 
.5 バラスト水管理条約の規則D-5の規定について、MEPC 53の間に条約の規則D-5により要求されている、バラスト水処理技術の見直しを行うための見直し部会の設立に合意した。
 
.6 BWM条約の統一の実施のための残りのガイドラインの優先度による作成のためのBLG 9の議題の分離した項目を追加することに合意し、BLG小委員会に当委員会に対しMEPC 51(MEPC 51/22、附属1)で承認された時間的枠組みに関してこれらのガイドラインの採択を容易にするための報告を行うことを要請した。
 
.7 加盟国及びオブザーバーにMEPC 51により承認され、BLG 9に提出するためのこの作業のコーディネーターに情報及び意見を提出することにより残りのガイドラインの作成に貢献することを招請した。
 
.8 加盟国及びオブザーバーにBWM条約規則B-4.2の下で許可された指定された海域の宣言のためのガイドラインを当委員会の次回の会議への提出を招請した。
 
.9 DE、FSI及びSLF小委員会にMEPC 51(MEPC 51/22、附属1)により承認された計画の優先度の問題に情報を提供するよう強調し、海上安全委員会に、最早の機会にバラスト水の交換を行っている時の一時的な関連安全規則の逸脱の受容性を確認することを招請した。
 
.10 以下の文章の追加により改正MARPOL附属書Iの改正を承認した。
 
「.3 海上でポンプにより、船舶バラスト水及び沈殿物の管制及び管理のための国際条約の規則D-1.1の下ででバラスト水の交換が行われている場合は」
 
 改正MARPOL附属書Iに文章を挿入することに合意し、作業部会にバラスト水交換の設計及び構造基準のためのガイドライン(G11)の船外排出弁に関する適切なガイドラインを含めることを指示した。
 
.11 残りのガイドラインの作成のさらに進展されるために、MEPC 53前の週の間、IMOの費用負担によらないバラスト水作業部会の中間期の会議を承認した。
 
.12 MEPC 53の間に、BLG 9の報告書及び中間期作業の結果に基づく残りのガイドラインの作成のため見直し部会を招集することに合意した。
 
3 船舶リサイクリング
3.1 当委員会は、MEPC 51において、船舶リサイクリングの作業を継続し、作業部会を設立したことを想起した。当作業部会は、機関相互の協力、船舶リサイクリングに関するIMOガイドライン(以後、ガイドライン表記)の実施の促進のメカニズム、船舶リサイクリング計画の作成、ガイドライン附録1〜3の見直し及び船舶の「リサイクリング準備完了」宣言の基準のような多数の問題を審議した。
 
3.2 当委員会はさらに、船舶リサイクリングに関する作業部会の報告書(MEPC 51/WP.5)を審議した、MEPC 51が、中間期の作業のさらなる進展のための通信部会の設立及び今会期において船舶リサイクリングに関する作業部会の再設立に合意したことも想起した。
 
3.3 当委員会は、MEPC 51が、船舶リサイクリングの問題に関するILOIMO及びバーセル条約加盟国会議の作業計画及び活動に関する協議、調整及び協力のプラットフォームとしての行動を取らなければならないILO/IMO/バーセル条約共同作業部会のための委託事項(MEPC 51/22、附属3)及び作業計画を承認したことを想起した。
 
通信部会の報告書及び関連文書
 
3.4 通信部会の報告書を紹介して、当部会のコーディネーターCaptain MoinAhmed(バングラデシュ)は、当部会が、委託事項(MEPC 51/22、附属4)に関して、ガイドラインによる各キー行動項目の実施の促進のための可能かつふさわしいメカニズムの準備を継続し、さらなる船舶リサイクリング計画を作成し、現在のガイドラインの附属1、2及び3と置き換えるために作成された単一かつ正確な潜在的な危険物質の一覧表に合意し、最後に、「リサイクリング準備完了」宣言の基準の最初の起案を準備したことを述べた。
 
3.5 当委員会は、通信部会の報告書を銘記し、通信部会の作業に関する紹介された他の全ての文書により要求された行動を審議することに合意した。
 
3.6 この件に関して、当委員会は、オランダ(MEPC 52/3/1)、インド(MEPC 52/3/4)、日本(MEPC 52/3/8)、グリンピース・インターナショナル(MEPC 52/3/2)による提案及びBIMCO、ICS、INTERCARGO、INTERTANKO及びIPTA(MEPC52/3/9)による共同提案を審議したことを銘記した。
 
3.7 オランダ(MEPC 52/3/1)は、リサイクリングの課程を準備、事前洗浄、解体及び登録抹消の段階に分離した、船舶リサイクリングの段階的なアプローチを提案した。各段階における証明及び通知制度の導入が最終船主、リサイクリングヤード並びに旗国及びリサイクル国の所轄官庁の明示の責任と共に、提案された。
 
3.8 インド(MEPC 52/3/4)は、リサイクルを運命付けられた船舶の、船主、リサイクリングヤード並びに旗国、リサイクル国及び寄港国の所轄官庁が関わっている通報制度の骨子を提案した。インドは船舶リサイクリングに関する強制規則の適用、特に船舶が最終的にリサイクリングに送られる際の通報制度の必要性を主張した。
 
3.9 日本は、文書MEPC 52/3/8において、グリーンパスポートの準備を促進し船舶設備のための危険材料のデーターベースの作成により新造船の構造に使用される危険物質の最小化に寄与することの出来るシステムを作成するための研究プロジェクトの要約を説明した。当委員会は提供された情報を銘記し、日本にプロジェクトの進捗及び結果を当委員会に通知し続けることを招請した。
 
3.10 MEPC52/3/2を紹介して、グリンピース・インターナショナルからのオブザーバーは、グリーンパスポート及び「ガスフリー、火気準備完了」の証明書の強制ガイドラインの、特に「グリーン」及び「環境」の設計及び構造に関する、確実なアスペクトの作成の緊急の必要性を主張した。グリンピースはガイドラインの実施の促進のためのメカニズムに関する意見を提供し、新造船の毒物使用の除去及び、可能な範囲で、リサイクリング前の事前除去が提案された行動に含めるべきであることの様な問題を提出した。船主、関係国及び船舶の最後の航海に先立って要求される特定の文書の導入による強制的な通知を伴う通報制度がバーセル条約の原則として作成されるべきであることも提出された。グリンピース・インターナショナルはさらにガイドラインのある要素がバーセル条約の要件と矛盾することを指摘し、当委員会が、優先的に、首尾一貫し断固とした船舶リサイクリング問題への世界的なアプローチの、組織間相互協力を通しての、達成に向けた潜在的な法律的不一致の検討を開始すべきであることを提案した。
 
3.11 ICSからのオブザーバーは、共同スポンサーを代表し文書MEPC 52/3/9を紹介して、インドにより提出されたリサイクリングを運命付けられた船舶の通報制度の骨子(MEPC 52/3/4)に関し、多数の意見を提出し、リサイクリング施設の通報義務を満たすことを強調した通報制度の代替骨子の検討を提案した。ICSはさらに、海事産業組織は、原則として、多数のインドによる提案によりもたらされた目標を支援することが出来るが、これらの目標を達成するために成し遂げなければならない相当の作業が残されていることも述べた。


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