事業の目的
近年の海上保安業務は、増加する密航、銃器薬物の密輸入事犯等外国人による組織犯罪や、マラッカ、シンガポール海峡及びインドネシア周辺海域における海賊事件への対応等治安分野での国際化が著しい。
これら業務の的確な遂行には、第一に語学能力の向上や国際感覚の涵養など一層の強化が望まれている。
本事業は、海上保安庁教育機関の学生、研修生を対象とした語学能力の向上のため及び国際感覚の涵養を図るため、国際的に課題とされている事案ごとに研究課題を設定して海外研修を行い、円滑・的確な業務体制の構築を支援することを目的とする。
なお、本事業は、競艇公益資金による日本財団の助成事業として平成16年度に実施したものである。
本事業は、海上保安大学校学生に対し、国際的に課題とされている事案が発生している国やそれらの課題について研究を進めている国において調査研究に挑戦する機会を付与することにより、個々の学生の素養を向上させ、国際的に通用する幹部海上保安官の早い段階からの育成に資することを目的として15年度から実施しており、教官、学生から成るグループ4組が夏期休暇期間(7〜8月)に海外へ渡航し、各種調査研究を行ったものである。
I 米国における海事セキュリティの研究
渡航期間 7月25日(日)〜7月31日(土)
対象機関 ・USCG Maritime Safety and Security Teams (MMST)(ニューヨーク)
・USCG Tactical Law Enforcement Teams (TACLET)(マイアミ)
II 地球温暖化対策に係る船舶搭載機器の効率化等に関する調査研究
渡航期間 7月25日(日)〜7月31日(土)
対象機関 ・オランダ海洋科学研究機構(MARIN)(ワーニンゲン)
・オランダエネルギー研究センター(ECN)
・オランダ王立救命艇協会(KNRM)
・オランダコーストガード
III シンガポールにおける海上交通管理及び安全運航管理について
渡航期間 7月25日(日)〜7月29日(木)
対象機関 ・港湾オペレーションセンター
・統合シミュレーションセンター
IV 中国海上保安機関の概要及び上海水域船舶交通状況
渡航期間 7月31日(土)〜8月9日(月)
対象機関 ・上海海事局 ・上海辺防総隊 ・海洋局東海支局
・海警高等専科学校 ・上海港
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