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4 地方公共団体からのアンケート集計
 地方公共団体の中には、すでに伝統芸術文化等の保存を通じ、地域おこしに積極的に取り組んでいる団体や独自の考え方や手法を設け文化を基調とした地域再生に取り組んでいる自治体もある。
 このため当研究会においては、アンケートを行い、その内容を紹介することで、地方公共団体で今後取り組まれていく手法に参考となればと考える。
 
I 文化を基調とした地域再生について
1、2、3 民族芸能について
<実施団体の内訳>
 
<実施団体の担い手の中心(男女の区分)>
 
<実施団体の担い手の中心(年齢構成)>
 
<年齢構成%表示>
 
<現状>
・保存会等を中心に活動を実施。
・男性が中心となっている民族芸能が大半を占めている。
・実施団体の担い手の年齢構成は、広く全世代で構成されている。
・実施意欲は、どの団体とも地域の郷土意識、コミュニティ意識に支えられている。
・新旧住民の交流や世代間交流の場となっている。
 
<問題点>
・どの団体でも担い手の育成に苦心している。(積極的に学校、子ども会、地域イベント等に参加し、PRを実施している。)
(理由)
過疎による担い手不足。
地元の就職難のため、せっかく指導しても就職で地元外へでていくことが多い。
習得に時間がかかるため。(一子相伝的な面、口伝的な面)
・保存会等の実施団体からは、常設舞台等の設置(ハード面)と後継者育成支援(ソフト面)の要望が多い。
・定期的に芸能を発表する場があまりないことが問題である。
・道具・衣装の老朽化が目立つが、新調の経費がないことが問題である。
・かつては、農閑期におこなってきた行事であるため、現在、同じ時期にしようとすると担い手の大半が会社勤務であり、参加のために休暇をとらなければならない。会社、地域の理解が必要である。
<取組>
・男児が基本であったが、女児も担い手にして対応している団体もみられる。
・都道府県等の取組は大半が、補助金等である。
(取組内容)
道具、装飾品への補助金。
行事1回につき、一定の補助金。
(都道府県等の取組が補助金に偏っている理由)
神事的な要素が強い民族芸能については、行政サイドから口だしができない状況であるため。
・ビデオ等を作成し、伝承活動に活用している。
・地域の精神的紐帯として、固定した形式で運営するのでなく、柔軟な対応(少子化等により)が求められる。
・「私たちの郷の宝もの」という意識を育むことを目標に取組むことが必要である。


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