日本財団 図書館


2004 国際保健協力
フィールドワークフェローシップ
活動報告書
 本プログラムは(財)笹川記念保健協力財団の支援により、日本の医学生等に開発途上国における国際保健医療協力の現状等を学ぶ機会を与えることを通じて、国際保健医療協力あるいは、公衆衛生行政の分野で活躍する人材を育てることを目的とするものです。
 
国際保健協力フィールドワークフェローシップ事務局
(財)笹川記念保健協力財団
〒107-0052
東京都港区赤坂1-2-2 日本財団ビル5階
TEL 03-6229-5377/FAX 6229-5388/E-MAIL smhf@tnfb.jp
※本書は2004年8月に実施された国際保健協力フィールドワークフェローシップの報告書です。尚、参加者の掲載学年はフェローシップ参加時のものです。
 
はじめに
 21世紀は混沌の世紀かもしれない。人口爆発による飢餓、地球規模での環境問題の深刻化、戦争することによってしかごまかせなくなった社会の矛盾。世界秩序を作り上げようとする動きはますます加速している。それは世界のブロック化を意味する。国の枠組みが崩れ国境という概念は見直しを迫られている。Human Securityはこうした混沌の中で醸成される個人の不安と恐怖の根源を貧困に求め、包括的に予防措置を講じるという概念だ。
 
 幸い現代に生きる我々人間は世界のあり方に限定的ながら関与できる存在になった。そして、同時に何らかの関与なしには世界システムが破綻する状況にまでおいつめられている。今回の国際保健協力フィールドワークフェローシップを通じて、我々はこの状況を打開すべく第一線で活躍する方々の熱気、そして、困惑しながらも未来を担う覚悟を持った仲間の息吹を肌で感じることができた。
 
 保健医療協力の基本精神としては、多くの病める人々、あるいは病に犯される危険にさらされている人々への人間愛をその出発点とすべきだというのは古典的ではあるが普遍的ではないだろうか。我々はそういったシンプルな思いを胸に現地で学び、感じ、考えた。この報告書は我々参加者の現時点での素直な気持ち、覚悟を書き綴ったものである。これから幾度となく判断や選択を迫られ、いかに生きるかという質問に立ち返らなければならないことがあるだろう。そのとき、かつて多くの仲間とフィリピンを訪れ、強い衝撃とともに自分が何を考えたのか蘇らせる手段があるというのは価値のあることだと思う。
 
 今回の国際保健協力フィールドワークフェローシップは我々で第11回目である。過去10回の先輩方が偉大な実績を残して現在活躍されているということだろう。我々はそのことを忘れず、次は後輩を意識して今後もこのプログラムに主体的に関わっていかなければならない。その覚悟と勇気を今後の生き方で表現していきたい。
 
 本プログラムは大谷藤郎企画委員長、紀伊國献三理事長をはじめとする笹川記念保健協力財団の関係各位からは多方面にわたるご支援をいただきました。また、厚生労働省、国立国際医療センター、国際協力機構、世界保健機構、フィリピン保健省、その他、大学、NGO関係者の皆様がたは我々学生の教育に貴重な時間を割いてくださいました。指導専門家の西村秋生先生から暖かいアドバイスを頂きました。その他、お世話になりました全ての方々に厚く御礼申し上げます。
 
第11回国際保健協力フィールドワークフェローシップ
チームリーダー 大阪大学医学部 山道 拓
 
2004年国際保健協力
フィールドワークフェローシップ参加者名簿
国内・海外研修参加者 所属
西村秋生(指導専門家) 名古屋大学大学院医学系研究科健康社会医学専攻
社会生命科学ヤングリーダーズプログラム 助教授
坂口大俊 滋賀医科大学6年
稲田晴彦 東京大学医学部5年
上原武晃 福島県立医科大学5年
坂上祐樹 長崎大学医学部5年
土居健太郎 大阪市立大学5年
名倉明日香 帝京大学医学部5年
野中香苗 順天堂大学医学部5年
山道 拓 大阪大学医学部5年
横山悦子 大分大学医学部5年
大渕雪栄 山梨大学医学部4年
田名麻子 琉球大学医学部4年
石井 怜 東京医科歯科大学3年
遠藤雅幸 国際医療福祉大学保健学部看護学科3年
佐野正彦 高知大学医学部3年
 
国内研修参加者 所属
落合裕隆 岡山大学大学院医歯学総合研究科
医歯科学専攻修士課程衛生学・予防医学分野2年
高尾 亮 長崎大学医学部6年
津田尚法 東京大学医学部6年
金子友香 慶應義塾大学医学部5年
工藤佳奈 大分大学医学部5年
白石 暁 九州大学医学部5年
飛永雅信 大分大学医学部5年
足立明彦 千葉大学医学部4年
石本育栄 大分大学医学部4年
伊藤文人 福島県立医科大学4年
田村美樹 岡山大学歯学部4年
松田友彦 弘前大学医学部4年
宮西香里 琉球大学医学部4年
内田 暁 東京医科歯科大学3年
城下卓也 群馬大学医学部3年
温井智美 群馬大学医学部保健学科看護学専攻3年
服部健吾 滋賀医科大学3年
平野靖弘 獨協医科大学3年
船橋浩一 弘前大学医学部3年
中尾真希 福島県立医科大学1年
菅原亜紀子 福島県立医科大学医学部衛生学講座(臨床検査技師)
根岸 昌 国際医療福祉大学作業療法学科4年
平石由希 国際医療福祉大学放射線・情報科学科4年
A. プラドハン 国際医療福祉大学医療経営管理学科4年
伊東祐恵 国際医療福祉大学理学療法学科3年
川島広明 国際医療福祉大学言語聴覚学科3年
藤田康孝 国際医療福祉大学理学療法学科3年
持木ひろ 国際医療福祉大学理学療法学科3年
八百谷優香 国際医療福祉大学作業療法学科3年
北川裕一 国際医療福祉大学医療福祉学科2年


目次へ 次ページ





日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION