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平成17年度「教育・研究図書有効活用プロジェクト」
業務マニュアル
目的
 「教育・研究図書有効活用プロジェクト」に係る業務の日中両国における円滑な推進と経費の低減を図るため、業務マニュアルを作成する。
 
プロジェクトの推進にあたっての基本的な考え方
1 寄贈対象大学の教育・研究分野、地域性、蔵書内容等を考慮し、大学毎に寄贈する図書の重点分野に特徴づけを行い、当該分野の図書の拠点・重点大学として、センター的役割を果たす大学の形成を目標とする。
 
2 寄贈図書の選定にあたっては、相手大学との連絡を密にし、その要望を常に把握・考慮する。また、量的な面においても一定量を確保することにより、いわゆる「質と量」の両面を充実させた特徴のあるプロジェクトを志向するものとする。
 
業務マニュアル
1. 図書収集活動
 図書提供依頼については良質(内容、外観等)、かつ、各分野に亘る図書が円滑に収集できる体制を整備するため、次により年間を通じ収集活動を行う。
(1)出版社への協力要請
 年2回(11月、2月)郵便により行う。
(2)専門図書館協議会会員への協力要請
 関東地区協議会及び関西地区協議会を通じ年2回(9月、2月)FAXにより行う。
(3)トランクルーム業者(プロジェクトの業務委託先)経由での協力要請
(4)既図書提供者への継続的協力要請
(5)関係者を通じた協力要請
(6)ホームページ上での協力呼びかけ
(7)広報等による協力告知
(8)その他
 
2. 図書収集基準
 有効に活用できる図書を効率的に収集するため、図書提供の申し入れを受けた場合、概ね、次の基準に基づいて図書の取捨選択を行うものとする。
 
(1)収集図書の発行年
 収集する図書の発行年は、原則として次のとおりとする。
 但し、下記の場合は例外とする。
・外観的に破損・汚損の著しいもの、傍線や書き込みが多いものについては、発行年に関わらず除外する。
・研究図書として所蔵価値があると判断されるものについては、発行年、外観的な破損等に関わりなく収集する。
 
[1]雑誌・逐次刊行物
社会科学 1996年以降に発行されたもの
自然科学 1996年以降に発行されたもの
技術・産業 2000年以降に発行されたもの
※但し、継続提供が可能なものに限る。また、洋雑誌は英語版のみとする。
 
[2]単行図書
総記 1990年以降に発行されたもの
哲学・歴史  発行年を問わない
社会科学 1996年以降に発行されたもの
自然科学(基礎) 1996年以降に発行されたもの
自然科学(応用) 2001年以降に発行されたもの
技術・産業 2000年以降に発行されたもの
言語 1986年以降に発行されたもの
文学 発行年を問わない
辞書・事典 1991年以降に発行されたもの
 
[3]絵本(原則として、小学生以上を対象としたもの)
 発行年を問わない。
 
(2)収集対象外の図書・資料
[1]特定の国・人物・思想などを批判する等、友好関係を損なう恐れのあるもの
[2]日本及び中国において反社会的と認識されているもの(狂信的な宗教関係の図書等)
[3]教育・研究図書として相応しくない小説、写真集、絵画集等
[4]コミック本
[5]雑誌(月刊より短いサイクル−週刊、旬刊等、隔週刊−で刊行されるもの。又、継続性のないもの)
[6]欠号のあるシリーズ図書、セット図書
[7]団体名鑑
[8]社史
[9]図書目録
[10]日本語、英語以外の洋書
[11]文庫本(中国の大学の蔵書方針を考慮し基本的には収集しない)
[12]中国における通関の際、本プロジェクトの趣旨が誤解される恐れの書名の図書(EX.「・・・殺人事件」「不倫の・・・」「・・・の呪い」)
[13]占い関係の図書全般
[14]極薄雑誌・資料等(原則:70ページ未満は不可)
[15]マイクロフィルム
[16]単独のCDソフト(図書の付録の場合、可)
[17]ビデオテープ
 
3. 図書の選択・収集及び選定リストの作成
(1)収集図書の選択
[1]図書を選択するための既存のリストが提供者側に存在する場合、事前にEメール又はFAXでの提供を依頼し、提供されたリストから活用の可否を判断し、活用できる図書のみの提供を先方に依頼する。
[2]既存の図書リストが提供者側に存在せず、且つ、その冊数が少量の場合は、提供者から図書情報(内容、発行年等)を入手し、その活用の可否を判断し、活用できる図書のみの提供を先方に依頼する。また、冊数が相当数に達する場合、現地に出向き直接選択のうえ収集する。
 
(2)選定リストの作成
[1]選定リストの作成については、内容、外観・汚れ、発行年から活用可能と判断した図書のみを対象とする。
[2]未製本雑誌については、原則として1年分を1タイトル(紐で結わえる)としてまとめ、選定リストを作成する。
[3]選定リストの作成については、次の通りとする。
・選定リストの必要項目は、書名、出版社(機関)名、出版年、冊数である。
・書籍、雑誌の巻・号は書名の一部であるので省略しない。また、略書名は不可。
・同一書名はまとめて表記し、巻・号、順に並べ替える。
・定価表示のない図書の価格については、一律1,000円と表記する。
[4]提供された既存の図書リストは、照合・検品作業を経て、選定リストとして活用する。この際、選定リストの必要項目の一部(書名、冊数を除く)が欠落していても、改めて補う必要はない。
 
4. 図書収集に関する特記事項
(1)関東近隣から相当量(3,000冊以上)の図書提供の申し入れがあった場合は、提供者側の了承を得て現地に出向き、選択のうえ収集するように努める。
 
(2)同一タイトル図書の多数提供申し入れについては、当該図書の内容、寄贈対象大学の受入れ希望を考慮し、適当な受領冊数を定め、収集する。
 
(3)特殊分野の図書、或いは発行年は古いが、教育・研究図書として価値が高いと判断される図書については、受入れ大学との充分な事前調整の上、受入れるか否かを決定する。
 
(4)継続的な雑誌・逐次刊行物の収集形式については、提供者が本会に随時送付してくる形式と、本会が一定期間毎にまとめて収集に出向く形式がある。
 
(5)個人からの図書提供を着払いで受領する場合は、冊数が1箱以上に達してから送付するよう提供者に依頼する。
 
(6)除籍印、廃棄印、或いはその趣旨の印は、寄贈図書の印象を著しく低下させるので、事情が許すかぎりその趣旨の押印がされていない状態での提供を提供者に依頼する。


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