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7. 外来種と輸出種
 日本の港には、外国からたくさんの船がやってきます。その船にくっついて、日本にはいない生きものが外国から運ばれてきます。もちろん、日本から外国に運ばれる生きものもいます。このような外来種は環境が悪くなった海岸で多く見られ、また、もともといた生きものの生息を脅かす(おびやかす)こともあり、あまり歓迎(かんげい)されていません。
 たくさんのコンテナ船などが行き来する東京港には、多くの外来種がすみついてしまいました。彼らをさがして、どこから来たのか調べてみましょう。国際色豊かな生きものが待っています。
 緑色=外来種 茶色=輸出種
 
チチュウカイミドリガニ
 その名前のとおり地中海原産です。甲羅の大きさは5cm以上あり、おなか側が薄い緑色かオレンジ色をしています。夏は浅瀬に集まり、置き石の下でよく見られます。
 
ミドリイガイ
 東南アジア原産の貝です。ムラサキイガイに格好はにていますが、きれいな青緑色をしています。ペルナ貝ともいわれ、ムール貝と同じように料理されます。
 
ムラサキイガイ
 地中海原産の貝です。大きさは5cm以上になります。濃い紫色ですが、ほとんど黒く見えるので、カラスガイといわれることもあります。またムール貝ともいわれ、イタリアやスペイン料理でも使われます。
 
マヒトデ
 日本からオーストラリアに広がり、カキの捕食者として社会問題になっています。
 
 
イッカククモガニ
 カリフォルニア付近が原産です。甲羅は1.5cmくらいの小型のカニですが、足が細長くクモのように見えます。背中にたくさんのゴミをつけていることがあります。
 
イソガニ
 日本からアメリカの大西洋岸に広がりました。ロブスターの稚エビの捕食をはじめ、在来種への被害が生じています。
 
アサリ
 日本から北アメリカの太平洋岸に広がり、地元の二枚貝よりも多くなりました。
 
コウロエンカワヒバリガイ
 ニュージーランド原産の貝です。ムラサキイガイにそっくりですが濃い茶色で、最大でも3cmくらいにしかなりません。見分けるには、変なムラサキイガイをさがし、ムラサキイガイとじっくり比べましょう。


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