写真III-3.13 灯油洗浄後高圧温水洗浄実施
写真III-3.14 洗浄効果の比較
写真III-3.15 洗浄前(試験油のみ)
写真III-3.16 高圧温水洗浄後の状況
写真III-3.17 スチーム洗浄後の状況
写真III-3.18 灯油洗浄後の状況
写真III-3.19 灯油洗浄後高圧温水洗浄
表III-3.3 洗浄効果比較
洗浄液 |
結果 |
高圧温水 |
ステンレス板の表面に薄く油膜が残るが、ボンノックは、ほぼ除去されていた。 |
スチーム |
ステンレス板の表面に薄く茶色の油膜が残る。高圧温水に比べ油膜は厚い。 |
灯油 |
ボンノック表面を溶かす程度であった。 |
灯油+高圧温水 |
完全除去。最も洗浄効果がみられた。 |
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試験片 ステンレス板寸法:200mm×200mm
ボンノックM3800塗布量:10g
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1 スキマー簡易洗浄システムの試作
スキマー内部洗浄装置については、15年度に作製したスキマー内部洗浄装置の形状を参考にして新たに作製した。装置上面を開口(蓋付)可能な構造とし、装置内部にこし網を新設することにより、内部洗浄後の灯油及び油塊(ごみ)の後処理を簡易に行うことが可能となった。また、キャスター付のスキマー積載台を使用することにより、現場でのスキマー本体の移動が可能となったほか、内部洗浄後の油の抜き取りの作業性が向上した。
スキマー外部洗浄装置として、灯油散布装置を新たに作製したが、灯油は霧状になることにより引火しやすくなるため、灯油を散布する際は、周囲の火気に十分な注意が必要である。
2 実用化実験
実用化実験として、スキマー内外部の洗浄効果を確認した。
スキマーの内部洗浄については、スキマーヘッドの集油ホッパー内部に試験油を塗布し、スキマー内部に灯油を5分間循環させた結果、試験油の表面は若干柔らかくなったが、実験当日の外気温が低く試験油の動粘度が非常に高かったため、5分間の運転では、試験油の表面を溶かす程度であり十分な効果を確認できなかった。
このため、油を除去するためには、洗浄液の温度に気を付けるとともに、洗浄時間を長くする必要がある。
スキマーの外部洗浄については、試験油をスキマー本体表面に塗布し、高圧温水等を吹き付けて調査を行った結果、灯油を表面に散布して高圧温水を吹き付けた洗浄方法が最も洗浄効果が高かったことが分かったが、高圧温水の洗浄のみでも十分な洗浄効果があることが確認された。
このため、流出油回収現場で使用する場合は、高圧温水洗浄機と併用して使用する方法が効果的であると思われる。
今回の実験では、洗浄液の飛散による汚染や火災等の二次災害を防止するためにスキマーを飛散防止シートで覆い、シート内部に作業員が入って外部洗浄を行ったが、シート内には灯油の微粒子又は高温の水蒸気が充満するため、シート内及びその周囲での火災や水蒸気による火傷等を防ぐために、作業時には周囲の火気及び換気に十分注意する必要がある。
以上から、今回作製した試作品は、若干の修正を行えば十分実用化して使用できるものと考えられる。
今後は、海上災害防止センター防災訓練所において、更なる実証実験を続けていくこととしたい。
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