II-3 円筒形簡易油水分離装置の試作
15年度に作製した開放型簡易油水分離装置模型に倣い、円筒形簡易油水分離装置(以下「装置」という。)の試作を行った。
なお、試作にあたっては、次の条件を満たすこととした。
1 形状
円形のフロート部の下方にスカートを取り付けた形状とする。
2 寸法
次の寸法を満たすものとする。
フロート内径:2,000mm程度
フロート径(断面):550mm程度
フロート喫水:500mm程度
スカート長さ:2,000mm程度
3 構造
次の構造を備えることとする。
(1)フロート部は充気式とし、充気用バルブ及び排気用ファスナーを各1箇所装備する。
(2)持ち運び可能な取手を4箇所装備する。
(3)スカート部に外部から目視で観測可能な透明窓を取り付ける。
(4)スカート下端部の円周上に重錘(チェーン)を取り付ける。
4 材質
フロート部:市販の充気式オイルフェンスと同等以上の材質を用いる。
スカート部:市販のオイルフェンスと同等以上の材質を用いる。
透明窓部:透明フィルムとする。
外観の状況を写真II-3.1及び写真II-3.2に、製作図を図II-3.1に示す。
写真II-3.1 装置外観の状況1
写真II-3.2 装置外観の状況2
図II-3.1 円筒形簡易油水分離装置製作図
(拡大画面:88KB)
|
|
実際の現場に近い環境として、波浪をおこした訓練水槽及び実海域に装置を投入して挙動等の調査を行い、実用化の検討を行った。
訓練水槽に浮かべた装置の内部にスキマーで回収した水を任意の高さ及び角度で放出させ、回収時の装置の挙動の調査を行った。
1 環境条件
(1)実験場所 海上災害防止センター防災訓練所(横須賀)
(2)天候 曇
(3)風向・風速 北北東の風 4m/s
(4)外気温 12.7℃
(5)水温 15℃
(6)湿度 76%
2 使用資機材等
表II-4.1に示すとおり。
3 実験方法等
(1)訓練水槽に装置を浮かべ、水槽横の窓から見える位置にロープで固定した。
(2)訓練水槽にスキマーヘッドを浮かべ、吐出用ホースを訓練水槽上の移動ブリッヂの上に展張して、先端部を固定した。
(3)波浪条件をλ=8m、Hw=0.3mとして、造波装置及び水流発生装置を運転した。
(4)吐出用ホースをしっかりと支えた状態でスキマーを運転し、ホースからの吐出水を装置内側に放出した。
(5)水槽横の窓及び水面上から装置のフロート部の挙動及びスカートの捲れ具合等を観察した。
(6)観察終了後、造波装置及びスキマーを停止した。
装置の配置を図II-4.1に、造波装置の設定波高と実測波高との関係を図II-4.2に示す。
実験の状況を写真II-3.3〜写真II-3.6に示す。
写真II-3.3 装置の固定の状況
写真II-3.4 造波装置の運転の状況
写真II-3.5 吐出水の放出の状況
写真II-3.6 装置内部への吐出状況
|