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図88 7月12日の8サンプルの後方散乱強度
(赤:Port/左舷、青:Stbd/右舷)
 
図89 入射補角35度と55度の後方散乱強度と航跡線に沿った海底地形の変化
 
 後方散乱強度値は、左舷・右舷ともに全サンプルについて、入射補角=28、29度と72、73度付近に集中して、海面反射の影響がはっきりと現れていた。
 また、この8サンプルについては、18:40の航跡点を除いたすべてのラインデータで、入射補角30度から60度の範囲において、左舷の方が右舷よりも後方散乱強度値が低い傾向が認められた。
 なお、18:40のデータについては、地形図から左舷に地形の高まりが存在しているために散乱エネルギーが強かったと考えられる。
 図89は、航跡線に沿った海底地形の断面上に、両舷の入射補角=35度と55度の後方散乱強度をプロットしたものである。
 地形コンタ図とともに見ると、航跡点直下では、18:30付近で約20mの高さの峰を直行して横断しているが、35度と55度の後方散乱強度にはとくにこの地形の変化による影響は見られない。
 一方、18:35から18:40にかけて、左舷の後方散乱強度が高くなっていたのは、地形図より等深線の混み合った傾斜の急な斜面に遭遇したためと推測される。
 
2)7月13日24サンプルの後方散乱強度と入射補角の関係
 図中の矢印は、船の進行方向を示している。
 
図90 7月13日の24サンプルの後方散乱強度
(赤:Port/左舷、青:Stbd/右舷)
 
図91 7月13日の24サンプルの後方散乱強度
(赤:Port/左舷、青:Stbd/右舷)
 
図92 入射補角35度と55度の後方散乱強度と航跡線に沿った海底地形
 
 7月13日のデータについても、12日同様にすべてのラインデータにおいて、入射補角=27〜30度と70〜72度付近に集中して、海面反射の影響が現れていた。
 また、13日においても、右舷の後方散乱強度が左舷よりも高い傾向が見られたが、地形の変化があるために7月12日ほど明瞭ではなかった。
 さらに、図91において、両舷ともに22:10と22:15のラインで他に比較して後方散乱強度値が全体として高くなっていたが、これらには、前出の放射量補正処理でノイズと判定されたデータである(図90では描画していない)。
 13日の測線には、第3熊野海丘(図中では#3)が21:45航跡点の左舷、入射補角30度から33度に、第5熊野海丘(#5)が22:50の左舷、入射補角36度〜39度に、さらに第7熊野海丘(#7)が23:00の右舷、入射補角55〜59度の範囲に確認できた。


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