図47 放射量補正前の画像
図48 放射量補正後の画像
図49 紀伊東海沖全域の処理後画像
2)テクスチャ解析
上記前処理を実施した画像をもとに後方散乱強度値による海底画像より分類する方法を実施した。
後方散乱強度値による画像は、ソーナー方程式の各ステップでゲインおよび音響出力をパラメータとして使用しているため、求めた後方散乱強度値は、ゲインおよび音響出力の影響が無く、海底音響画像にみられた濃淡部分は表れなくなる。
図50 放射量補正前
図51 放射量補正後
そこで、前節で用いた方法を使用して作成した後方散乱強度値から海底画像を作成し、底質分類に使用することが可能であるかを検討した。
後方散乱強度値により作成した海底画像を図50に、放射量補正を施した画像を図51に示す。この画像は泥火山周辺の研究対象エリアである。
この画像に、昨年と同様の画像分類を実施した。分類のためのテクスチャ解析は、昨年までの分類手法を半自動化した。図52はテクスチャ解析用の入力画面である。画像データの入出力ファイル名、画像のサイズ、分類方法、マトリクスのサンプル数等を入力し画面反映ボタンをクリックすると解析もとの画像が表示される。
図53に解析作業の例を示す。表示された画像上で目視による分類基準に基づく位置決定を行うと、抽出した点の解析結果を表示する。なお、左側枠内は各分類の平均を表示し、右側枠内は個々の点における計算結果を示す。ユーザーはこれらの数値を見ながら不適切な点については選択削除して新たな点を参照する。
このようにして分類基準を決定した後出力ボタンを押すと画像全体の計算を実施する。
計算が終了すると、分類画像と計算根拠となるサンプリング点位置図をBitmapで、サンプリング点における計算結果をCSVファイルで出力する。このソフトウェアを利用して研究対象エリアに対して分類を実施した。分類対象エリアの海底音響画像を4グループに分けた。分類項目はほとんどが礫から構成されていると予想される第3熊野海丘の頂上付近北側の平坦部で細粒と思われる領域、海洋底を含む砂および泥と予想される領城のうち南側の平坦部で粗粒部と思われる領域、礫および泥から構成されていると予想される海丘斜面である。さらに、研究対象エリアには存在しない露岩地域である。
図52 テクスチャ解析のための入力画面
図53 分類作業例
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