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8.5 AIS情報/研修
 作業部会は、AISシステムの容量について述べられた入力文書16/12/2(AIS容量)を見直し、船舶自動識別装置(Automatic Identification System、AIS、2003年6月)の導入に関連したVTS要員の研修に関するIALAガイドラインに注目した。
 AISにおける操船者と陸上局要員の研修不足が存在することから、簡単なAIS情報資料が、IALAウェブサイトに準備されて、見られるようにすることが考えられた。
 AIS16/12/2が地方の、そして、国家のシステムの導入を計画していることを助けることができて、船員が船でAISの利用を最大にするのを助けることができることにさらに注目された。
 「AISの紹介」(AIS16/成果/01)と題せられた草稿資料が作成され、全体会議によって承認された。
活動項目
 事務局は、「AISの紹介」(AIS16/成果/01)と題せられた草稿文書をIALAウェブサイトに含めるよう、また、そのハードコピーを国際船舶協会(ICS)のメンバーに分配のため提供するよう要請された。それは、海軍本部無線信号リスト(Admiralty List of Radio Signal、ALRS)第5巻と同等の国家規則などにも含め提供されるべきである。
8.6 交通管理手段としてのAIS
 作業部会は、入力文書AIS16/12/3(AISデータ利用上のANMからの入力文書)を見直した。初期のAIS海岸局は、主にVTSオペレーターと船とが通信することに重点がおかれ開発されたものである。
 現在では、多くの当局が、AISは良い基盤整備することにより、AISから航跡データモニターすることができ、高いレベルのサービスを提供する重要な機会を提供すると報告している。これは、適切または不適切な船のルーティングの識別をよりよく反映するための航行援助システムの展開になるかもしれないことを示している。
作業部会は:
・資料の作成をサポートする。
・2.7項(捜索、救難)は、事故分析のためにAISの利用を含めるべきであると示唆している。
活動項目
 事務局は、ANMへの船舶交通監視手段としてのAISついてのコメントをANM委員会へ送るよう要請された。ANM委員会委員長(ダンカン・グラス氏)は、本件に関し追加コメントか入力資料を提供するよう委員会委員に要請する。
9 IALAナブガイドの見直し(AISの章)
 小草稿グループは、資料全体の前後関係などIALAナブガイドのAISの章を見直しし、その結果をANM6に提出することに同意した。
活動項目
 B・ペターソン、B・キロウエー、およびニック・ワード氏は、資料全体の前後関係などIALAナブガイドのAISの章を見直しし、その結果をANM6に提出するよう依頼された。
10 AISデータ入手利用の可能性についての広範な議論
 AISデータ入手利用の可能性についての討論がAIS16で行なわれた。これは、IMOの場でAISデータの提供に関し、ウェブサイト上のAISlive.comについて関心がある当局のとの議論によったものである。
 AISデータの配信は、ITU国際電気電信条約付属無線通信規則のもとに、国際電気電信条約加盟国の国内法によって、再情報伝送に関して制限されていることは、共通認識であった。しかしながら、実施のレベルは、それぞれの国で異なるし、また、ウェブサイトで発表されたデータを制御するのが難しいと認識されている。
 いくつかの国は、個人情報保護法の下でAIS情報を発表するものに対して法的措置をとっており、受信機のために認可を要請している。他の国では、データは放送されるのでそれを受けることは自由であると考えており、また、それをビジネスに利用することができると考えている。どのような場合でも、安価な受信機または他の手段を利用し、船舶動向を含むAISデータへのアクセスを防ぐことは不可能であると一般的に受け入れている。
 ある国(例えば、日本、オーストラリア)では、AIS海岸局の認可に関する国策について発表したものもありました。多くの当局(例えば、スウェーデン、ノルウェー、ロシア、フィンランド)は、SAR、沿岸警備や税関などへその業務目的のためのデータを提供するが、選択されたデータを船会社へ提供する営利的ユーザには有料とする。
 欧州委員会は、海の安全ネットはAISデータの有用性のために条件を満たすと考えている。ロシアでは、地方的に集められたデータの有用性を中央管理している。米国沿岸警備隊とカナダの沿岸警備隊では、セキュリティと安全のため利用する情報提供可能であるが、他の目的のための再利用は法律違反である。
 委員会は、この状況をモニターし続けるでしょう。
11 プレゼンテーション
 日本海上保安庁は、AIS委員会の議論に資するためプレゼンテーションを行なった。
11.1 ENSS―海上保安庁
 プレゼンテーションでは、日本周辺海域の特性を強調し、自然環境条件と航行船舶の多様性の両方に注目して、これまでに法令の施行、航行援助支援並びに航行に必要な資料などの配布にもかかわらず;海難事故の発生は減少しないということから、電子航行支援システムが考えられたことを特に強調された。そして、海上保安庁は、航行援助システムが十分であるかどうか現状を調査して、詳細な調査研究を実施した。その結果、AISを利用した電子航行支援システム(Electronic Navigation Support System(ENSS))の開発を行なったものである。
 プレゼンテーションはENSSの利用のデモンストレーションを含んでいた。
 プレゼンテーションのコピーはAIS16の最終CDの中に含まれている。
12 次回会議の仮議題
 AIS17の仮議題は、検討のうえ修正され同意された。(別紙8参照
13 その他の案件
13.1 AISデータ精度(8.6項参照)
 ロシアは、AISデータ精度の困難性を強調した。特に、VTS運用者は、例えば、ヘッデイングの不確かさ、位置の精度やスロット割付とUTC問題など船舶航行管理を通じて不確かさの識別を行なう際、どう対応すべきか疑問を持っている。他の一般的な不正確さは、不正確なメッセージの送信である。
 VTS運用者がこれらの関心にどう対応するかの経験が示された。例えば、中国では、VTS運用者がデータ精度問題を意識し、利用可能なすべての情報を利用するようにアドバイスされている。すなわち、AISを利用する船舶識別、船舶航行管理のための手段としての他のデータ収集など。
 議論で、3つの異なった種類の問題は特定された:
・初期のセットアップを含む運用者の入力;
・他の設備からのAISへの入力;
・VDLの実際の動作。
 当局はその管理する領域で、VHFデータ・リンク(VDL)の保全に責任があるとしたIMOが示したことに注目された。それはまた、そのことがCOMSAR9で検討されたことに注目された。
 さらに通信妨害と偽情報に関して注目された。(8.2項参照
 委員会、これは多くの段階で密接な係わり合いを持っている話題であることに同意し、既存資料の改定で対応することができるとしているが、問題は、文書化されて、議論する必要がある。メンバーは、データ誤りの経験に関する報告をAIS17の場への初期の分析と編集のために報告するよう依頼された。
活動項目
 メンバーは、さらなる見直しのためにAISのデータ誤りの経験に関する報告をAIS17に入力として提供するよう依頼された。広範な議論はこの問題のためAIS17で開催される予定であり、データの初期分析に着手するでしょう。
 事務局は、データ精度に関する問題をVTS委員会(VTS22)で注目されるよう依頼された。
14 閉会
 ほかに検討すべき課題がなかったので委員長は会議を閉じました。委員長は、素晴らしい作業を終えたすべてのメンバーと特に作業部会議長へ、また、1週間の間彼らの支援のために働いたIALA事務局及びそのスタッフ全員に感謝の意を表した。


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