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 平成17年度の里親制度の充実や里親関係予算の改善などに関して、理事会及び評議員会の承認をいただいた要望書については、去る6月17日、当会、渥美会長、佐野理事、大内監事及び野口事務局長の4名が厚生労働省に出向き、伍藤忠春雇用均等児童家庭局長と山田亮家庭福祉課長を訪問し、坂口大臣宛の要望書の各事項の趣旨と実情を説明して、実現するよう陳情を行いました。厳しい財政状況下であるが、里親制度の推進のために努力いたしたいと回答をいただきました。
平成16年6月17日
 
要望書
厚生労働大臣 坂口 力 殿
財団法人 全国里親会
会長 渥美 節夫
 
 児童福祉法施行後50年を経て、20数年来要請し続けた「里親」の法律上の独立条文化が今、実現しようとしています。
 全国里親会は、この機会を捉え、里親制度が確実に充実し、名実ともに要保護児童対策の主柱となるよう努力するとともに、最近の社会の要請に対応するための被虐待児対策、心身障害児対策等の問題を持つ保護児童対策に尽力しています。
 このことは、現下の大命題である我が国の少子化の進行による国家の衰退に対処するものと確信いたします。
 全国里親会は、以上の観点に立って次のことを強く要望いたします。
1、里親制度の急速な発展を推進するよう国、地方公共団体は、更に真剣に取組む体制を構えること。
(1)都道府県、指定都市里親担当職員に十分練達な職員を配置すること。
(2)都道府県、指定都市児童相談所の機能を圧倒的に強化充実すること。
(3)以上により里親の開拓と増加措置、児童委託の推進、里親の指導に積極的取組みをすること。
2、里親委託費を大巾に増額すること。
 その目標として、一般家庭における児童の対応年齢支出費に匹敵する給付を行うこと。併せて、対象児童の身体的、精神的、情緒的等の問題の難易度に対応して段階的に委託費を増加すること。
3、専門里親の普及を進展するため、現行省令を改定し、被虐待児のほか、問題のある保護児童対策としての専門里親又は職業的里親として制度を整備すること。
 このため、里親は自己研鑽に努め、専門研修を習熟すること。
4、国及び都道府県は、急速な啓蒙活動と広報を積極的に実施すること。併せて、全国里親会、地方里親会に対し支援協力を強化すること。
 
 
 平成16年度は、より一層の里親制度の普及啓発、そして児童の健全育成を目的として、次のような事業を計画し、中間における実施事業のうち、全国里親大会は第50回節目の記念大会として盛大に開催されました。
 
1 里親制度に関する調査研究
 国際里親養育機構やその他外国里親会との連携を図り、里親制度に関する資料や情報等を収集し必要な情報を各都道府県里親会に伝えていきます。また、「里親に開する研究」が行われるよう、厚生労働省へ働きかけをします。
 
2 里親の育成及び里親制度の普及啓蒙
(1)新規里親開拓及び未委託里親に対する児童とのふれあいキャンプの実施など、里親促進事業を都道府県・指定都市里親会において実施します。(国庫補助事業)
(2)第50回全国里親大会を厚生労働省、東京都・東京養育家庭の会等との共催により、10月10日東京都において開催されました。
 また、全国里親大会の前日(10月9日)第1回全国里親研究協議会が開催され、6分科会において新しい里親のあり方などについて里親や里親関係者が討議を行いました。
(3)新しい里親制度の周知徹底及び里子養育上の諸問題などをテーマに、全国8ブロックで地区別研修会が開催されました。(日本財団助成事業)
(4)各都道府県において、里親会活動を行い、より一層の積極的な活動に努めます。
(5)里親に関する情報の提供や、本会に関わる各種情報の公開を目的として、ホームページが開設できるよう検討します。
 
3 里親相互の連絡協調
 昨年リニューアルしました「里親だより」は、里親同志の地域活動や委託里子の促進に資する機関誌となるよう編集委員会を開催して内容を充実させ、年2回発行を予定しています。(日本財団助成事業)
 
4 関係機関団体との連絡調整
 関係諸団体との連絡を密にして、新しい里親制度の推進と広報啓発・周知徹底に努めます。「里親・里子」の名称誤用問題については、その都度、慎重に配慮の上取り扱うよう申し入れを行い、里親制度のご理解ご協力を積極的に働きかけます。
 
5 里親に委託されている児童等の相談指導
 「全国里子会」の組織の育成及び活動の推進を目的として、里子活動支援研修会(2地区で開催)及び全国里子研究集会(第2回里子会キャンプと併設して開催)を開催し、里子会機関誌として「さくら通信」を2回発行します。(日本財団助成事業)
 
6 そのほか、法人の目的を達するために必要な事業
 里親に対する委託費の改善や、里親会へ助成金についてなどを要望していきます。里親責任賠償保険については、本年も引続き契約が行われるようにします。
 
 
平成16年度(財)全国里親会収支予算書総括表
(平成16年4月1日から平成17年3月31日まで)
単位千円
科目 合計 一般会計 特別会計
国庫補助 日本財団助成
収入の部
 基本財産運用収入 315 315
 寄付金収入 13,897 13,897
 諸収入 414 414
 里親促進事業補助金 22,976 22,976
 日本財団助成金 6,000 6,000
 事業実施団体負担金 1,500 1,500
当期収入合計 45,102 14,626 22,976 7,500
前期繰越収支差額 1,000 1,000
 収入合計 46,102 15,626 22,976 7,500
支出の部
 事業費 30,575 1,070 22,005 7,500
 管理費 13,226 12,255 971
 繰出金 1,500 1,500
 予備費 10 10
当期支出差額 45,311 14,835 22,976 7,500
当期収支差額 △209 △209
次期繰越収支差額 791 791 0 0
 
平成16年度収支予算書
 
一般会計
科目 予算額 前年度予算額 増減
I 収入の部
 1 基本財産運用収入
  基本財産運用収入 315 915 △600
 2 寄付金収入
  寄付金収入 13,897 12,772 1,125
 3 諸収入
  諸収入 414 414 0
当期収入合計(A) 14,626 14,101 525
前期繰越収支差額 1,000 1,000 0
収入合計(B) 15,626 15,101 525
II 支出の部
 1 事業費 1,070 1,070 0
  (1)調査研究費 100 100 0
  (2)育成及び制度普及啓蒙費 920 920 0
  (3)関係機関団体連絡調整費 50 50 0
 2 管理費 12,255 11,963 292
  (1)人件費 7,898 7,958 △60
  (2)役員等旅費 2,000 2,000 0
  (3)需要金 2,357 2,005 352
 3 繰出金
  特別会計繰出金 1,500 1,600 △100
 4 予備費
  予備費 10 57 △47
当期支出合計(C) 14,835 14,690 145
当期収支差額(A)−(C) △206 △589 380
次期繰越収支差額(B)−(C) 791 411 380
 
特別会計
単位千円
科目 予算額 前年度予算額 増減
○国庫補助事業
I 収入の部
 1 里親促進事業補助金収入 22,979 22,979 0
II 支出の部
 1 事業費
  育成及び制度普及啓蒙費 22,005 22,005 0
 2 管理費
  管理費 974 974 0
合計 22,979 22,979 0
○独立行政法人福祉医療機構
 助成事業
I 収入の部
1 福祉医療機構助成金収入 0 7,857 △7,857
II 支出の部
 1 事業費
  育成及び制度普及啓蒙費
   新里親制度資料作成費 0 7,857 △7,857
合計 0 7,857 △7,857
○日本財団助成事業
I 収入の部
 1 日本財団助成金収入 6,000 6,300 △300
 2 事業実施団体負担分 1,500 1,600 △100
合計 7,500 7,900 △400
II 支出の部
1 事業費
 (1)育成及び制度普及啓蒙費
  地区別里親研修会開催事業 3,020 3,100 △80
 (2)相互連絡協調費
  里親だより刊行事業 3,012 2,985 27
 (3)委託児童等相談指導費
  全国里子会活動支援事業 1,468 1,815 △347
合計 7,500 7,900 △400







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