ク 窃盗犯手口別犯行時の年齢別検挙人員
平成15年の窃盗犯手口別犯行時の年齢別検挙人員は、15歳の285人(侵入盗14人、非侵入盗271人)をピークに14歳から16歳の年齢層で200人を超えて高くなっており、非侵入盗に低年齢化の傾向が見られる。
侵入盗の年齢別検挙人員は、20〜24歳、30〜39歳、40〜49歳の年齢で20件を超えて多くなっている。
図表1-15 窃盗犯手口別犯行時の年齢別検挙人員(平成15年)
出典)滋賀県警察本部「滋賀の犯罪(平成15年)」(平成16年10月21日)より作成
ケ まとめ
≪依然高い犯罪発生件数≫
平成14年には全国傾向を上回っていた犯罪発生状況も、平成15年には減少に転じ全国傾向を下回っているが、依然犯罪率については全国で15番目に高くなっている。
≪非侵入盗犯の発生割合が高い≫
平成15年に発生している刑法犯認知件数の約8割が窃盗犯であり、約5割が乗り物盗等の非侵入盗犯罪である。
≪他県居住者による犯行の割合が高い≫
平成14年の検挙人員に占める他県居住者の割合が8.7%を占めており、全国で6番目となっている。滋賀県の交通利便性の高さ等が背景にあるものと思われる。
≪来日外国人による犯行の割合が高い≫
平成15年の来日外国人検挙人員は132人であり、検挙人員総数の約3.4%を占め、全国平均(約0.7%)を大きく上回っている。このことから来日外国人による犯行が多いといえる。
≪少年による犯行の割合が高い≫
平成11年以降、刑法犯少年検挙人員数は増加傾向にある。刑法犯検挙人員に占める割合は年々減少しているが、49.0%は少年が占め、全国平均(38.0%)を上回っている。また、発生割合の高い非侵入盗犯(乗り物盗等)に占める少年の割合が高くなっている。
(2)侵入盗犯特性の整理〜取調官アンケート結果より
ア 調査概要
≪調査目的≫
被疑者の犯行実態と心理特性について分析し、「犯罪被疑者」の犯人像、犯罪行動特性、犯罪被害に遭いやすい対象・地域特性について把握することにより、地域防犯システムの充実を行うことを目的とした。
≪調査対象≫
本調査においては、滋賀県政世論調査において「不安を感じる犯罪」として最も回答の多かった「空き巣・忍込み」(68.6%)に該当する侵入盗犯罪を対象犯罪として調査を行った。
以下の滋賀県内15警察署を調査対象とした(数、名称は平成16年9月現在のもの)。
○大津警察署 ○彦根警察署
○草津警察署 ○米原警察署
○守山警察署 ○長浜警察署
○水口警察署 ○虎姫警察署
○近江八幡警察署 ○木之本警察署
○日野警察署 ○今津警察署
○八日市警察署 ○堅田警察署
○愛知川警察署
≪調査方法≫
滋賀県内15警察署に対して、協力要請を行い調査票の配布・回収を行った。
平成15年1月〜12月の間に各警察署管内で発生した侵入盗犯罪について、検挙時の取調べ事項をもとに、調査項目について回答いただいた。
≪調査項目≫
(1)対象犯罪
(2)被疑者の居住地・生活拠点
(3)滋賀県で犯行した理由
(4)犯行現場への交通手段(複数回答可)
(5)犯行の動機
(6)侵入する建物の種類・マンションの犯行階層(複数回答可)
(7)犯行前の下見での留意点(複数回答可)
(8)侵入建物の選択理由(複数回答可)
(9)留守確認方法(複数回答可)・侵入口・侵入方法
(10)侵入に要した時間・侵入を諦める時間
(11)犯行を諦めた理由
(12)物色した対象物・窃取した物(複数回答可)
(13)犯行現場周辺での連続犯行の有無と連続犯行の件数
(14)侵入しにくい建物条件
≪実施時期≫
平成16年8月末〜9月末
≪回収結果≫
15警察署の侵入盗犯検挙人員(平成15年1月〜12月)数に対して、傾斜配分を行い、計97部配布し、86部の回答が得られた。
図表1-16 警察署別侵入盗検挙人員、アンケート配布・回収数
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警察署名 |
侵入盗犯検挙人員(人) |
配布数 |
回収数 |
1 |
大津警察署 |
26 |
15 |
15 |
2 |
草津警察署 |
15 |
10 |
10 |
3 |
守山警察署 |
16 |
10 |
3 |
4 |
水口警察署 |
11 |
7 |
5 |
5 |
近江八幡警察署 |
19 |
10 |
10 |
6 |
日野警察署 |
7 |
4 |
4 |
7 |
八日市警察署 |
9 |
5 |
5 |
8 |
愛知川警察署 |
1 |
1 |
1 |
9 |
彦根警察署 |
14 |
8 |
8 |
10 |
米原警察署 |
5 |
3 |
3 |
11 |
長浜警察署 |
17 |
10 |
8 |
12 |
虎姫警察署 |
5 |
3 |
3 |
13 |
木之本警察署 |
3 |
2 |
2 |
14 |
今津警察署 |
14 |
8 |
8 |
15 |
堅田警察署 |
1 |
1 |
1 |
|
合計 |
163 |
97 |
86 |
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イ 調査結果
≪対象犯罪≫
●「出店荒し」、「空き巣」の占める割合が高くなっている
侵入盗犯のうち「出店荒し」(31%)が最も多く、続いて「空き巣」(25%)、「事務所荒し」(16%)となっている。
図表1-17 対象犯罪(n=86)
≪被疑者の居住地・生活拠点≫
●被疑者の約6割が滋賀県内居住者である
●住所不定者の主な生活拠点も滋賀県の割合が高い
被疑者の約6割が「滋賀県内居住者」(58%)であり、ついで「住所不定者」(18%)、「京都府居住者」(10%)が多くなっている。
住所不定者の主な生活拠点についても、滋賀県の占める割合が最も高くなっている。このことから、滋賀県内で発生している侵入盗犯罪は、県内居住者により犯罪が行われている傾向がある。
図表1-18 被疑者の居住地(n=86)
図表1-19 被疑者のうち住居不定者の生活拠点(n=15)
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