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PART B
バラスト水管理計画書のガイドライン
 
1 序文
 
1.1 これらのガイドラインは、船舶のバラスト水及び沈殿物の制御及び管理の為の国際条約(以後“条約”として参照)の附属書の規則B-1により要求されている船舶のバラスト水管理計画(以後“計画”として参照)の準備を支援する為に展開されてきた。計画は、条約の規定B-1に基づき認可されねばならない。
 
1.2 ガイドラインは三つの主要な項目より構成される:
 
.1 序文:この項目は、首題の目的及び総覧を提供し、かつ今後展開が予想されるガイドライン及び計画の基本概念を読者に紹介するものである。
 
.2 強制規定:この項目は、条約の附属書の規則B-1の強制規定が遵守されていることを保全する為の指導手順を提供する。
 
.3 非強制的規定:この項目は、計画のほかの情報の導入に関する指導手順を提供する。この情報は、条約の規則B-1では要求されていないが、船舶が訪れる港湾の地方当局にとり有意義と見做される、あるいはそれは船長に追加の支援を提供する為に追加される可能性がある。この項目は、また計画の更新及び使用の指導手順を提供する。
 
1.3 ガイドラインの概念
 
1.3.1 これらのガイドラインは、個々の船舶の為の計画の準備の出発点を提供する目的を持つ。計画が要求される船舶の広範囲が、個々の船型に特定の指導手順を提供することを非現実的にしている。計画企画者は、彼らが船舶に適用される多岐な変化を計画に織り込むことに腐心している。これらの変化は以下を含む:船舶の型及びサイズ、運搬するバラストの容積及びバラストに使用されるタンクの総受容能力、運航航路、船舶の典型的な操作上の[ポロフィール][特徴]、及び海上の管理構造。ガイドラインは、計画企画者がある項目を選択でき、また実用的な計画を創造可能な目録の編纂を目的としていない。計画が有効で、また条約の附属書の規則B-1に準拠する為に、それが目的としている固有の船舶に注意深く仕立て上げられねばならない。正確に使用されれば、ガイドラインは、全ての適切な事柄は、計画を発展することに考慮されていることを保証する。
 
1.4 計画の概念:
 
1.4.1 計画は、ある特定の船舶に採用されたバラスト水管理システムの安全な操作に人を導くことに役立つ。有効な計画は周到に準備され、論理的かつ安全な方法で必要な行動が取られることを保証する。
 
1.4.2 バラストが採取された水域に自然に生息しているが、確かには感知できない、ないしはその存在が船上のそれらと同一視できない水中生物を除去、破壊ないしは無害にする正しい手続きの重要性を人が考えるとき、事前に準備されて適切に構築された計画の必要性は明らかである。
 
1.4.3 計画はその目的を達成する為に下記でなければならない:
 
.1 使用に際し、現実的、実用的で容易である。
 
.2 船上及び陸上の船舶の管理者に理解される;また定期的に評価され、検閲されそして更新される。
 
1.4.4 条約の附属書の規定B-1により考察された計画は、簡潔な書類であることを意図されている。船舶に関する詳細な背景説明、その構造等は、これは通常他で入手可能であるため避けるべきである。もしそのような情報が関連しているものであれば、それは附属書ないし他の書類に記録されるべきである。ないしは手順書の参照表が情報の位置に関し作成されるべきである。
 
1.4.5 計画は、船舶の船長及び士官により、船上で使用される書類であることが適当である。従って、作業上の言語は、船長ないしは士官により理解される言語が使用されねばならない。作業上の言語ないしは理解される言語の付随的変化をもたらす船長及び士官の変更は、新しい言語での計画の発行を要求する。
 
2 条約規則B-1の強制的規定
 
2.1 この項は、条約の附属書の規定B-1の七つの強制的規定の各々に対する固有のガイドラインを提供する。加えるに、それは要求されていることの全体像を使用者に提供するのに、不可欠なほかの部分の判断を記載する。
 
2.2 条約の附属書の規定B-1は、各々の船舶に特有である計画を提供しかつ:
 
.1 条約で要求されているように、バラスト水管理に携わる船舶及び船員お安全手続きの詳細を記す;
 
.2 バラスト水管理の要求事項及び条約で規定された追加バラスト水管理の実施を実行する為に取られるべき行動の詳細な記述を提供する;
 
.3 沈殿物の処理に対する手続きの詳細を記述する;
 
.1 海上で、及び
 
.2 港湾国の要求に従い港ないしはドライ・ドックで;
 
.4 船上のバラスト水管理とそのような行動が取られる水域の沿岸、ないしは港湾国の行政当局との協調の為の手続きを含む;
 
.5 計画が適切に実行されていることを保証する責任の船上の士官を任命する;
 
.6 条約で規定されている船舶への報告要求を含む;
 
.7 緊急事態の際、船舶により考慮され適用される手段を示す;
 
.8 船舶の常用語で記載されている。使用される言語が英語、フランス語ないしはスペイン語でない場合これらの言語の一つへの翻訳が含まれねばならない;及び
 
.9 条約で規定されているバラスト水管理要求及び付録バラスト水管理の実施を実行する際に取られる行動の詳細な記述を提供する。
 
この項は洋上で遵守されるバラスト扱い上の手続きに対する指導要領を提供する:
 
・バラスト水の取入れ;
 
・使用される管理システムの段階的計画及び連続性
 
・いかなる環境の下、ないしはある条件の下での要請でのバラスト水交換に関連するものを含め、操作上ないしは安全上の制約事項は、船長への喚起のため、また港湾国の監督人ないし権限のある行政の代表者よりの質問に回答する際に船長を支援する為に、ここに記述されねばならない;
 
・バラスト水交換の安全項目は下記を含む:
 
(i)安定性は、機関の推奨された(ないしは主管庁により要求された)数値以上に常時維持されねばならない;
 
(ii)長さ方向の圧力、及び適用される箇所でのねじれ圧力の数値は、支配する洋上の条件に関する船舶の分類部会により許可されたものを超えてはならない;
 
(iii)重大な構造上の負荷が、部分的満たされたタンク内で攪拌される事により増幅されるタンクでのバラストの交換は、構造上の損害の危険性が最小となるよう好条件の海洋及びうねりの下で実施されねばならない;
 
(iv)波に誘導された船体の揺れ;
 
(v)視覚を遮ることと、最小限の前方の喫水を均衡させることに、特に考慮した前方と後方の喫水及び船体のつりあい;
 
(vi)船長及び船員への追加の仕事の負荷の影響; 及び
 
(vii)船舶の人員に影響する潜在的危険、及び職業上の健康状態の影響は、取られる必要のある安全上の注意とあわせ特定されねばならない。
 
2.2.10 特に沈殿物の抑制、及び除去に関するガイドライン(ガイドラインG12)を参照し、沈殿物の処理の手続きを授与する。
 
この項目は:
・洋上での沈殿物の除去、ないしは削減の手続きに対する詳細な指導要領に言及する。また、バラストタンクを洗浄する際は、沈殿物の除去は実施されねばならない;
 
・もし、タンクの登録が沈殿物の除去を要求される場合、安全上の配慮が払わなければならない;及び
 
・船長に港湾国の要求を考慮する必要性を喚起し、港湾ないしドライ・デッキでの準備について忠告を与える。
 
2.2.11 排出を伴う船上のバラスト水管理の実行と、そのような行動が実施される水域の沿岸ないし港湾国の当局との協調に関する手続きを含む;
 
2.2.12 次を含む計画が適切に実施されているか保証する責任の船上の士官を任命する:
 
・責任ある人物を特定する;
 
・実行されるバラスト水管理が、バラスト水管理計画の手続きに従っていることを保証する;
 
・港に到着する前にバラスト水申立書を準備する;
 
・実施される必要のあるサンプリングに対し、港湾国の制御に関わる役人を支援する;
 
・バラスト水記録帳を維持する。
 
2.2.13 この条約の下で、規定された船舶への報告義務を含む。この要求の目的は、適切な行為がとられるよう、湾岸国は、船舶が湾岸ないし港湾の水域に排出を予定しているバラスト水を事前に通知されていることを保証することであり、次を含まねばならない:
 
・バラスト水報告書の書式
 
・バラスト水報告書を完成する為のガイドライン; 及び
 
・船舶が複数の国、ないしは同一国の複数の港を結ぶ航海をカバーする二国間ないし多国間協定の対象である場合、協定の詳細が示されなければならない。
 
2.2.14 船員の常用語で記載される。もし本文が英語、フランス語ないしはスペイン語でない場合、計画はそれらの言語の一つへの翻訳を含まねばならない。
 
2.3 上記に加え、計画は次の事柄に対する指導要領を含む必要がある:
 
2.3.1 紹介ないし序文
 
 この項は、バラスト水管理及び沿岸国への報告の必要性を説明の上、船舶の乗組員のための簡潔な紹介を含まねばならない。それは、この計画は、船籍の主管庁、港湾国の制御担当役人ないしは権限のある当局のほかの代表の要求に基づく検査に役立つ状態に、維持されていなければならないとの文言を含まねばならない。
 
2.3.2 船舶の特性
 
この項は、次の船舶の特性を含まねばならない:
 
・船舶の名前、船籍、登録港、総重量、IMO番号、長さ(BP)、国際ビーム・コール・サイン;航海時のバラスト喫水線(通常及びしけの気候);
 
・立法米および船舶に適用される単位での船舶の総バラストキャパシティ;
 
・船舶に使用された主たるバラスト管理方法の名称;
 
・指名されたバラスト水管理の士官の名前及び/あるいは肩書き(地位);
 
・承認当局の詳細及びスタンプ
 
2.3.3 船上のバラスト水システム
この項は、次を含む:
 
・バラストタンクの配置;
 
・バラストタンク及び船倉のキャパシティ;
 
・バラスト水配管及びポンプの配列;
 
・バラスト水ポンプの能力の一覧表;
 
・船内に保持されている詳細な操作上及び補修上のマニュアルに関する、船上で使用されたバラスト水管理システムの概要;
 
・船舶の図面及び輪郭、あるいはバラスト配列の図表; 及び
 
・バラスト水処理システムの詳細
 
2.3.4 バラスト水のサンプル採取地点
 
この項は、サンプル採取地点を証明せねばならない。
 
・船員が、サンプルの採取の権利を有する船籍の主管庁、港湾国の制御責任者、あるいは権限を有する当局のほかの代表者を支援することを可能にする為に、パイプライン及びバラスト水タンク内のサンプル取得の地点進入路を示す表ないしは図表は提示されねばならない。
 
・この項は、バラスト水のサンプル採取は、主に権限を付与された当局の事柄であり、権限を付与された当局の表明された要求、及び監督の下でない限り、船員がサンプルを採取する必要性は存在しないことを明確にすべきである。
 
・権限を付与された当局は、閉鎖された空間に入る際遵守されねばならない安全手続きの全てを知らされていなければならない。
 
2.3.5 沈殿物の除去
 
この項は、下記に関する訓練及び教育の事柄を扱う:
 
・沈殿物を除去する為にタンクに入る際の注意事項;
 
・沈殿物の安全な取り扱いの手続き; 及び
 
・沈殿物の保管
 
2.3.6 船員の訓練及び精通
 
この項は、下記に関する訓練及び教育の事柄を扱う:
 
・バラスト水管理に関する本質的な要求事項;
 
・バラスト水管理実施に関する訓練及び情報;
 
・バラスト水交換;
 
・バラスト水処理システム;
 
・一般的な安全への配慮すべき事柄;
 
・バラスト水記録帳、報告及び記録の維持;
 
・導入されたバラスト水処理システムの操作及び補修;及び
 
・船員及び乗客の安全ないし健康及び/あるいは船舶の安全に影響する船上で使用された特異なシステム、及び手続きに関連する安全上の事柄







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