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Appendix
 
 孔からの流入量QはBernoulliの定理を用いて考えられる。
 
(A)模型内水面が流入口下端より低い場合
 
図A-1 Sketch of a flow from an orifice.
 
 簡単のために模型内において空気圧縮が無いとすると,
 
 図A-1の帯状部分の流速vH,流入口への接近をvaとすると,(a.2)式より
 
 水槽の断面積に比べて流入口面積は十分小さく,vaは無視できる。よって,
 
 図A-1の帯状部分の流入量をdQとすると,
 
 したがって,流入量Qは,
 
 ここで,Cは流量係数と呼ばれ,流入口における摩擦抵抗や流水断面積が拡大するときにその外側に渦が発生することによる損失を考慮するための係数である。
 
(B)模型内水面が流入口上端より高い場合
 
図A-2 Sketch of a flow from a submerged orifice.
 
(A)同様に接近流速が無視できるので,(a.1)式より,
 
であるから,
 
 すなわち,流入口内の流入速度は全ての点において等しい。したがって,流入量Qは
 
(C)模型内水面が流入口の上端と下端の中間にある場合
 
図A-3 Sketch of a flow from a partially submerged orifice.
 
 模型内水面が流入口の上端と下端の中間にあるとき,その流入量は近似的に,模型内水面以下は(B),それ以上は(A)と考えて,両流入量の和とする。a-1)すなわち,
 
参考文献
 
1)永井荘七郎:水理学,コロナ社,昭和32年
 
 RR-SP2プロジェクトでは,IMOのSLFにおける損傷時復原性規則の調和作業に対応すると共に,大型客船に対する損傷時復原性規則の問題点について検討を行うSDSISCGのスプリンターグループへ貢献するための模型実験を実施した。
 前者の調和作業による改訂規則は,本年5月のMSCで承認され,2009年には発効の予定である。この改訂規則は,PCCなどの一部貨物船にとってかなり厳しい要件になっていることが本プロジェクトによる調査でも分っており,日本の造船および海運界においても早急に対策をとることが求められている。次回SLFにおいては,同改訂規則のエクスプラネトリー・ノートの検討が行われることとなっており,本プロジェクトにおいて検討を行っている。
 後者については,11万総トン級クルーズ客船の2次元模型船および3次元模型船を用いた実験を実施した。その実験成果をSLFに提出すると共に,スプリンターグループへの実験成果の提供を行った。さらに各種国際会議,国内会議にその成果を公表した。
 
執筆担当者
 
池田 良穂  片山 徹  小川 剛孝
滝田総一郎  井上 剛







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