3.(8)下地処理後の許容塩分
ISO 8502-9:1998 ⇒1.(2)
3.(9)異物 (NONE)
4. 塗装
JIS-K-5664(タールエポキシ樹脂塗料)、K-5551(エポキシ樹脂塗料)の塗装品質を下表に示す。ISOには試験項目はあるが、品質の等級分類はない。
TSCF15にある膜厚や塗装回数は、評価項目には含まれていない。
5. 品質 品質は、7.によって試験したとき、表1による。
表1 品質
項目 |
種類 |
1種 |
2種 |
3種 |
容器の中での状態 |
主剤・硬化剤ともにかき混ぜたとき堅い塊がなくて一様になるものとする。 |
塗装作業性 |
エアレススプレー塗りで塗装作業に支障があってはならない。 |
乾燥時間
(半硬化乾燥)h |
24以下 |
塗膜の外観 |
塗膜の外観が正常であるものとする。 |
ポットライフ |
3時間で使用できる。 |
5時間で使用できる。 |
耐屈曲性 |
直径10mmの折り曲げに耐えること。 |
耐衝撃性
(デュポン式) |
300mmの高さから落としたおもりの衝撃で、割れ・はがれが生じてはならない。 |
耐冷熱繰返し性 |
冷熱の繰り返しを3回行ったとき塗膜に異常がないものとする。 |
耐アルカリ性(1) |
水酸化ナトリウム溶液に浸したとき異常がないものとする。 |
水酸化ナトリウム溶液に浸したとき異常がないものとする。 |
水酸化ナトリウム溶液に浸したとき異常がないものとする。 |
耐酸性(1) |
硫酸に浸したとき異常がないものとする。 |
硫酸に浸したとき異常がないものとする。 |
硫酸に浸したとき異常がないものとする。 |
耐揮発油性 |
試験用揮発油3号に浸したとき異常がないものとする。 |
- |
- |
耐油性 |
- |
灯油1号に浸したとき異常がないものとする。 |
- |
耐塩水噴霧性 |
塩水噴霧に耐えるものとする。 |
耐湿性 |
耐湿試験に耐えるものとする。 |
混合塗料中の
加熱残分 % |
60以上 |
エポキシ樹脂の
定性 |
エポキシ樹脂を含むこと。 |
|
注(1) |
アルミニウム顔料を含む場合は、その塗膜を直接薬品類に触れるところに使用しないので、耐アルカリ性及び耐酸性の試験は行わない。 |
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5. 品質 エポキシ樹脂塗料の品質は、6.によって試験したとき、表1とする。
表1 品質
項目 |
種類 |
1種 |
2種 |
下塗り塗料 |
上塗り塗料 |
下塗り塗料 |
上塗り塗料 |
容器の中での状態 |
主剤・硬化剤(1)ともにかき混ぜたとき堅い塊がなくて一様になるものとする。 |
分散度 μm |
40以下 |
30以下 |
40以下 |
乾燥時間 h |
16以下 |
塗装作業性 |
塗装作業に支障があってはならない。 |
塗膜の外観 |
塗膜外観が正常であるものとする。 |
ポットライフ |
5時間で使用できるものとする。 |
たるみ性 |
- |
たるみがあってはならない。 |
隠ぺい率 % (白及び淡彩)(2) (赤及び黄) (その他の色) |
- - - |
90以上 50以上 80以上 |
- - - |
90以上 50以上 80以上 |
60度鏡面光沢度 |
- |
70以上 |
- |
上塗り適合性 |
上塗りに支障があってはならない。 |
- |
上塗りに支障があってはならない。 |
- |
耐衝撃性 |
衝撃によって割れ・はがれができないものとする。 |
付着性 |
分類0 |
分類1以下 |
耐アルカリ性 |
アルカリに浸したとき異常がないものとする。 |
耐揮発油性 |
試験用揮発油に浸したとき異常がないものとする。 |
|
項目 |
種類 |
1種 |
2種 |
下塗り塗料 |
上塗り塗料 |
下塗り塗料 |
上塗り塗料 |
耐塩水性 |
塩化ナトリウムに浸したとき異常がないものとする。 |
- |
耐塩水噴霧性 |
- |
塩水噴霧に耐えるものとする。 |
- |
混合塗料中の 加熱残分 % |
55以上 |
白及び淡彩(2) 50以上 その他の色 45以上 |
60以上 |
55以上 |
エポキシ樹脂の定性 |
エポキシ樹脂を含むこと。 |
屋外暴露耐候性 |
2年間の試験で塗膜にさび・膨れ・割れ・はがれがないものとする。 |
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注(1) |
主剤はエポキシ樹脂を含む成分、硬化剤はポリアミド及びアミンアダクトなどを含む成分をいう。 |
(2) |
淡彩色とは、白塗料に有彩塗料を混合して作った塗料の塗膜について、灰色、桃色、クリーム色、うす緑色及び水色のようなうすい色で、JISZ8721による明度Vが6以上で彩度が大きくない色をいう。 |
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試験方法はJIS-K-5600シリーズによる。
標準試験板の仕様はISO1514:2002“塗料及びワニス−試験用標準試験板”(JIS-K5600-1-4)に定められており、ブラスト処理は、ISO8504-1,2:2000“塗料及び関連製品を塗装する前の鋼被塗物の調整−表面調整法−第1部:通則、−第2部:ブラストクリーニング”(JIS-Z-310)による。ブラスト処理について、JIS-K5600-1-4には一般指針(附属書A)が示されている。
K5600-1-4: 2004
附属書A(参考)ブラスト処理による鋼板の調整に関する一般的指針
この附属書(参考)は、本体に関連する事柄を補足するもので、規定の一部ではない。
A.1 適用範囲 この附属書は、ブラスト処理による鋼板の調整に関する一般的指針についての記述である。
A.2 一般的指針 ブラスト処理による鋼板の調整は、冷間圧延鋼板を対象とするものではなく、熱間圧延鋼のさび、黒かわなどを除くのに必要であるとされている。このような目的に以下の一般的指針が示される。研削材の寸法及び種類は、処理する鋼の硬さ、表面状態、用いるブラスト処理の種類及び仕上げたい表面外観によって選択する。一般試験用には処理される鋼より堅い材質とし、せん(尖)角(angular)又は準せん(尖)角(sub-angular)の粗粒(grit)を用いる。適切な研削材には、鋼粗粒(steel grit)、酸化アルミニウム、ざくろ石(garnet)及び銅スラグ又は石炭スラグがある。使用される研削材の粒子の大きさは、通常0.5〜1.2mmのものとする。特定の試験には、他の研削材や寸法を規定してもよい。ブラスト処理研削材の要求事項は、ISO11124及びISO11126に規定されている(1)ブラスト処理の前に、目視可能な油又はグリースの付着物は、溶剤洗浄、水性洗浄又は他の適切な方法ですべて除く。これらの付着物は除かないと研削材を汚し、その後のブラスト処理板の汚染につながる。とがった縁又はばりのようなその他の表面欠陥もすべて除く。ノズルブラスティングには、清浄で乾燥した圧縮空気を使用する。このためには、水分離器、油分離器、トラップ又はその他の装置が必要となる。ISO8504-2の第5節に規定されたブラスト処理方法ならどれでも使える(2)。圧搾空気研削材ブラスト処理及び遠心力式研剤材ブラスト処理(3)はこの目的に有効である。
最善の結果を得るには、研削材を、処理される表面に70〜90度の角度で、研削材が最適の加速となる距離から当てる。最適な速度及び距離は、使用する研削材の種類による。表面が目に見える汚染又は変色が完全にないISO8501-1に規定する表面粗度(grade)Sa 3に相当するブラスト処理模様を示すまで、ブラスト処理を続ける。
上記で調整した試験板の表面粗度RZ(凹凸の最大高さ)は、塗られる塗料の推奨塗膜厚の30%より大きくてはならない。乾式研削材ブラスト処理の後は、ちり及び緩着残さ(渣)を吸引、はけ掃き又は清浄で乾燥した圧搾空気気流での吹き飛ばしによって表面から除く。湿式研削材ブラスト処理の後は、表面を新水で洗ってゆるく付着した残さ(渣)を除く。塗料の塗付の前に、圧搾空気又は温風で表面を乾かす。他に合意事項がなければ試験板をブラスト処理後、4時間以内に確実に塗装する。処理した試験板を汚さない、ブラスト処理した試験板は、処理後直ちに塗装しないとさびやすい。さびの生成の危険を最少にするため、試験板の温度が環境空気の露点より少なくとも3℃高くなければブラスト処理板の使用は推奨できない。
参考までに、JIS-K5552(ジンクリッチプライマ)の塗装品質分類を示す。エポキシ塗料と同様、ISOに分類は無い。
表1 品質
項目 |
種類 |
1種 |
2種 |
容器の中での状態 |
粉は微小で一様な粉末であるものとする。 液はかき混ぜたとき堅い塊がなくて一様になるものとする。 |
塗装作業性 |
塗装作業に支障があってはならない。 |
乾燥時間 h |
1以下 |
塗膜の外観 |
塗膜の外観が正常であるものとする。 |
ポットライフ |
5時間で使用できるものとする。 |
耐衝撃性 |
衝撃によって割れ及びはがれが生じてはならない。 |
耐塩水噴霧性 |
塩水噴霧に耐えるものとする。 |
混合塗料中の加熱残分 % |
70以上 |
加熱残分中の金属亜鉛 % |
80以上 |
70以上 |
エポキシ樹脂の定性 |
- |
エポキシ樹脂を含むこと。 |
屋外暴露耐候性 |
6か月間の試験でさび、割れ、はがれ及び膨れがあってはならない。 |
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表2 ブラストの条件
除せい度 |
ISO8501-1 Sa2 以上 |
研掃材 |
グリット |
表面粗さ |
25μmRZ JISを標準とする。 |
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注(1) |
遊離シリカを含む研削材の使用は、多くの国で規制の対象となっている。 |
(2) |
一部の方法は他のものより低効率で、必要とされる表面を達成するのに時間がかかる。各種方法の効果については、ISO8504-2を参照。 |
(3) |
鋼材は、湿式研削材で処理すると早くさびやすい。一時的にさびの生成を防ぐため、防せい剤を水に加えることが必要となろう。 |
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