4. 実証実験の実施と検証
デマンド型交通を含む複数モードによる1ヶ月程度(実施段階で3ヶ月に変更)の試験運行を実施し、運行システムの実効性を検証した上、運営主体のあり方など事業スキームについて検討する。
(1)運行システムの構築
生活交通計画に基づき、複数モードを活用した運行システムの構築を行う。
(1)与件整理と基本方針作成
生活交通計画に基づき、システムの将来イメージを設定する。
ただし、今回のシステムは試験的システムと位置づけ、基本となる機能を実現するシステムを構築する。
今回の実験を通して、利用者からの評価、システムの問題点、システム運用上の問題点を把握し、次年度以降、本システムに向けた改良を行う。
(2)システム構築
次の機能などを盛り込んだシステムを構築する。
●利用者からの予約を管理するシステム
●運行経路を策定するシステム
(2)実証実験実施と検証
アンケート調査やヒアリング調査により、運行システムにおける問題・課題を把握し、利用者側と事業者側(事業者、オペレーター、ドライバー、行政など)の両方の評価をもとに、本格運行のための改善・修正をおこなう。また、広報活動については地域の協力を得てシステムに対する理解の促進と参加の拡大を図る。
(1)実験準備・広報
実験準備・広報として、実験計画を策定し、関係者間の調整や許可申請、実験広報、ならびに実験マニュアルを作成する。
(2)実験と調査実施
実証実験を実施するとともに、予約・配車システムや運行管理システム、運行ルート、運賃等について、利用者・事業者側(事業者、オペレーター、ドライバー、行政など)双方の評価を把握するためのアンケート調査やヒアリング調査を実施する。
(3)利用者及び事業者側の評価と課題分析
測定・分析結果をもとに、利用者及び事業者側の評価をとりまとめる。また、予約システム、運行管理システム、ルート、運賃等に対する課題分析をおこなう。
(4)システムの改善策検討
課題分析をもとに、本格運用に向けての改善策を検討する。
(3)事業評価と事業スキームの検討
事業化のために必要となる事業全般の評価、事業主体、支援組織、事業採算性と負担金などの事業スキームを作成する。
(1)事業全般の評価
実験時の測定結果やアンケート調査、ヒアリング調査などにより、公共交通利用の効率化やモビリティの向上などの指標を用いて事業全般について評価する。
(2)事業主体、支援組織の検討
本事業の事業形態としては、行政が主体となる方法、交通事業者が主体となる方法のほかに、NPO法人化を目指す方法や第3セクター方式による運営などが考えられる。また、バス、タクシーなど交通事業者、介護事業者のほかに、移送サービスにかかわるボランティアなど、地域支援組織と連携し方策を検討する。
(3)事業採算性の検討
運賃収入予測・経費試算により採算性を把握したうえで、事業採算分析をおこない、本格運行開始時の予算(投資)規模を検討する。
(4)事業スキームの検討
本格運行に向けて、収入源の確保・向上方策を検討した上、自治体と事業者の費用負担の枠組み(費用負担スキーム)の方向を検討する。
(4)委員会運営開催
専門家より助言・指導をえる専門委員会に加え、地域委員会により、生活交通計画に必要な地域の意見、情報を整理し、事業の進め方について検討する。
次のスケジュールで事業をおこなった。
(1)位置
福地村の面積は40.2km2で、東側が八戸市に隣接しており、村の中央部を流れる馬淵川に並行して、都市間を結ぶ路線バスが走る国道104号と青い森鉄道線が走っている。
図1-1 福地村位置図
図1-2 福地村の地形
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