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3. 点字について
 目の不自由な人は、日本全体で約30万人といわれていますが、点字をすらすらと読める人はその1割にすぎません。なぜかというと、30万人の約半数は、「目の見える」弱視者です。弱視者というのは、どんな眼鏡をかけても、視力が0.1以下の人や、見える範囲が狭い人などです。一方、現在は視覚障害となる原因のトップが糖尿病性網膜象症で、40代以降に失明する方が増えています。
 小さい頃に失明して点字を学んだ方と比べて、年を経てから失明すると、触わって読み取るのには大変な努力が必要になります。そのため、中途失明者で点字をすらすらと読めるようになる人は数パーセントにすぎず、全体として点字を読める人の割合が少なくなっています。
 でも、比率は少なくても、3万人以上の方が点字で読み書きしています。点字は目の不自由な人にとって、情報を得たり伝えたりする重要な手段の一つです。なお、この日本の点字使用者は、世界でも最高水準です。
 点字の手紙を書いたり、読んだりするのはそんなにむつかしくはありません。でも、点字の本を作るには、きちんとした「点字の文法」を修得する必要があります。
 
(1)点字の「あいうえお」その1
 
 
 点字は、約2ミリ間隔の縦3点が2列並んだ、「六つの場所」に突起があるかないかで、一つの文字が作られています。
・六つの場所のうちの左上だけに点(突起)があれば「あ」の文字です。
・左上と左中に点(突起)があれば「い」です。
・左上と右下に点(突起)があれば「か」です。
・六つとも点を打つと「め」です。
 このように、六つの場所(一マス)のどこに点があるかによって点字の文字が作られています。その六つの場所を約3ミリずつあけて横に並べると言葉に、文になります。点字は横書きで、1行は30〜32マスです。
 
(次の黒丸は、3行をセットにして見て下さい。)
 
 
(2)点字の「あいうえお」その2
 点字の「が」や「きゃ」は、二つの点字を組み合せます。
 「が」は「か」の前に右中の点を、「きゃ」は「か」の前に右上の点を加えます。
 
 
点字の五十音
 
数字の書き方 「1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 0」の点字は次の通りです。
 
 
 初めのマスの3・4・5・6は「数符」といって、この後に続く文字が数字であることを表します。
 
 数字に相当する文字は
「1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 0」が
「ア, イ, ウ, ル, ラ, エ, レ, リ, オ, ロ」に対応します。
 
※この数字は、万国共通です。
 
出所: 視覚障害者リソース・ネットワーク(加藤和俊:日本ライトハウス)
点字講座(点字の勉強)(滋賀県立盲学校)
 
聴覚障害
 
 
◎聴力障害と聞こえの程度
 聞こえの程度を表わす単位はdb(デシベル)を用います。健聴者がやっと聞きとれる最も小さな音の平均が0dbです。普通の会話の声の大きさは70db位といわれています。表1に例示しましたので参照して下さい。
◎聴力障害と障害等級
 身体障害者福祉法で定められている等級表を表2に示しました。
 最良語音明瞭度とは「ま」「ひ」「で」のような五十音を聴力検査用の機械で最も良い条件で聞いたときの正答率で示します。音は、わかるけれども言葉として聞きとりにくい人がこの対象となります。
 
聴力障害と障害等級
6級 両耳が70dB以上
片耳が90dB以上で
一方が50dB以上
4級 両耳が80dB以上
最良語音明瞭度が
50%以下
3級 両耳が90dB以上
2級 両耳が100dB以上
 
 
 この「旅客船バリアフリーハンドブック」旅客船バリアフリー基準の解説については、下記のことをご承知下さい。
 
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