7 仕事の受注形態
● 約半数が「取引造船会社は1社」
取引先造船会社は、回答企業420社のうち「相手先1社」とするものが48.1%(202社)で最多である。次いで「2〜3社」が25.5%(107社)で、大半の企業(73%)が3社以内を顧客としている。
業態別には、構内企業は149社のうち101社(67.8%)が「取引先1社」である。
● 1社売上比率60%以上が4割
売上最多得意先1社が売上全体に占める比率は、表3-7のとおりであるが、3割近い企業が総売上高の80%以上を1社に依存している。また、構内企業だけに限れば、149社のうち77社(52%)が総売上の80%以上を1社が占めている。
この項については自由記述式で40社の回答をいただいた。
造船会社との取引関係については、従来からの造船業界全体の流れとして、「請負方式への移行」があげられている(40社中15社)。職種によって「完全請負への移行」、「一括請負方式への移行」、「請負比率の増大」、「将来的にはすべて請負へ」など、地域や造船会社等によってニュアンスの違いは見られるものの、主要職種を中心に請負方式への移行が着実に進んでいることを裏付けている。
因みに、請負方式への移行は協力企業個々の問題というより造船会社単位、協同組合単位での問題であることはいうまでもなく、協力企業殆どすべての問題である。したがって、回答は15社に止まっているとはいえ、殆どの企業の問題意識として潜在していることは当然と考えてよい。
また、造船業にとって建造コスト削減が最大課題であることから、従来、工程や区画ごと、或いは品種ごと、職種ごとなどに分割して発注されていた仕事が、効率化を図る上から、より大きなロットで一括発注される傾向にあることもみてとれる。
さらに、まだ一部ではあるものの、インターネット等による受発注手続き、工事実績管理等の電子化など、双方向性を持った電子情報の活用が進んでいることを伺わせる回答もあり、いろいろな業務において電子化、ネットワーク化が徐々に浸透しつつあることが伺える。
● 「同型船実績」がベース
仕事の見積もりを行う際、重視される見積りの要素としては、塗装を除く各職種にわたって「同型船の実績」が最多であるが、塗装の場合は「同型船の実績」と並んで「塗装面積」が大きな要素とされている。また、ブロック加工については、実績工数と並んで溶接長、鋼材重量などが大きな要素と考えられる。
表3-1 売上高の推移(平成14年度⇒15年度)
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区分 |
回答企業数
(社) |
社外工を有する企業数
(社) |
1社平均の社外工数
(人) |
業態別 |
構内企業 (比率) |
139 |
58 41.7% |
37.2 |
構外企業 (比率) |
78 |
29 37.2% |
29.5 |
兼業企業 (比率) |
159 |
94 59.1% |
42.2 |
舶用比率別 |
25%以下 (比率) |
63 |
25 39.7% |
51.8 |
25.1〜50% (比率) |
48 |
30 62.5% |
29.2 |
50.1〜75% (比率) |
43 |
18 41.9% |
40.9 |
75.1%以上 (比率) |
171 |
88 51.5% |
39.7 |
比率不明 (比率) |
51 |
20 39.2% |
29.0 |
全体 (比率) |
376 |
181 48.1% |
38.6 |
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