2 技術員・工員数等の推移
● 仕事量増加も社内人員は横這い
造船部門の売上に限れば、昨年調査が約8%、今回調査が4.3%と比較的大きな伸びを示している一方で、人員数に関しては社内人員(技術・工員数)は全体で、5年前との比較で-1.1%とわずかながら減少している。12〜14年調査を合計すると-8%近い大幅な減少となり、今回調査の結果とは減少幅にかなりのズレがある。これはサンプル数等の差異によるものと考えられるが、ここ数年続いている社内人員の削減傾向は変わっていないとみてよい。これらのことから推定されることは、ここのところ急増した船舶建造量の増加(仕事量の増加)への対処は、(1)下請・外注等社外工の活用、(2)残業増などで対応していると推定される。また、仕事量増加にともなって、アイドルの発生が抑えられ稼働率が向上していることも一因と考えられよう。
なお、16年は変則ではあるが、5年前と比べて社内人員がどのように変化しているかをみたものである。この調査結果からも、固定費削減の方向として社内人員削減、社外工活用が一貫した傾向であるといえる。
表2-4 人員数の推移
注)1. |
資料出所:平成10〜16年度日造協実態調査 |
2. |
本表は、各年調査の集計データをつなぎ合わせたもの。集計対象としたサンプル及びサンプル数は各年毎にまちまちである。 |
● 拡大する製造現場の協力企業依存率
参考表2-6のとおり、造船業全体の人員数は長期減少傾向にある一方、協力企業への依存度は、参考図2-7に見られるとおり年々上昇している。平成8年までは造船所本工数と社外工数はほぼ拮抗して推移してきたが、その後ここ7年間は徐々にその差が拡大し現在では6対4から7対3の割合で社外工比率が高まっていることが分かる。
● 職種別の協力企業依存度
平成14年度日本中小型造船工業会調査によると中小手造船会社の協力企業への依存度を職種別にみると、参考図2-8に示すとおりであるが、塗装が98%で最も高く、次いで組立溶接87%、その他、足場、歪み取り、小組立・大組立、ガス切断が70%以上となっている。
大手造船会社については同種の調査データがないが、数値的には中手造船会社を下回るものの同様の傾向が考えられる。
参考表2-6 主要造船所従業員数の推移
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社内工(人) |
社外工(人) |
対象工場数 |
H元 |
15,255 |
53.2% |
13,403 |
46.8% |
39 |
2 |
15,308 |
50.7% |
14,911 |
49.3% |
39 |
3 |
15,826 |
49.3% |
16,297 |
50.7% |
39 |
4 |
18,962 |
51.8% |
17,646 |
48.2% |
39 |
5 |
17,280 |
51.2% |
16,480 |
48.8% |
39 |
6 |
16,509 |
49.6% |
16,755 |
50.4% |
39 |
7 |
15,988 |
49.4% |
16,346 |
50.6% |
39 |
8 |
16,546 |
51.5% |
15,598 |
48.5% |
39 |
9 |
14,043 |
44.0% |
17,883 |
56.0% |
39 |
10 |
12,813 |
41.4% |
18,165 |
58.6% |
39 |
11 |
13,058 |
40.7% |
19,036 |
59.3% |
39 |
12 |
12,186 |
38.9% |
19,124 |
61.1% |
39 |
13 |
12,194 |
38.4% |
19,595 |
61.6% |
39 |
14 |
11,766 |
35.0% |
21,894 |
65.0% |
39 |
15 |
12,511 |
36.0% |
22,197 |
64.0% |
38 |
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注)1. 資料出所:国土交通省
2. 調査時点:各年3月
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参考図2-6 主要造船所従業員の推移
参考図2-7 主要造船所の下請依存度の推移
注)資料出所:1. 国土交通省「生産状況報告書」
2. 造船所社外工の人員比 |
参考図2-8 職種別の下請依存度
注)資料出所: (社)日本中小型造船工業会(中手、中小造船所36社を対象) |
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