そこで、さらに換気能力を強化するため排気ファンと換気ダクトを追加した。図3.1-4、3.1-5に追加した装置を示す。運転試験に大きな問題はなかったが、上記の雰囲気温度で依然として高めの場所があるので、平成16年度は断熱の強化に合わせてパッケージ内の温度を下げる工夫を行なった。
平成16年度は、信頼性試験の内容に合わせて試験装置に以下の改造を実施した。
(1)SMGT2はスーパーエコシッププロジェクトでは発電機駆動用原動機として搭載が予定されている。そこで、発電機の駆動も考慮した舶用の減速機に変更した。この減速機には以下の特徴がある。
・出力軸にフライホイールを持ち、負荷が急変した際のパワータービンの回転数変動を抑える機能を持たせた。
・潤滑油ポンプ用の出力軸を持ち、電動ポンプ無しでも出力軸系(パワータービン、減速機、発電機)の給油をできるようにした。
・オプションとしてターニングモータの入力軸を持ち、必要な場合に出力軸系のターニング運転をできるようにした。
図3.1-6に減速機の写真を示す。
(2)SMGT2はその特性上、負荷が急速に減少した場合に出力軸系の回転数が上昇しやすい。この回転数の上昇を抑えるためにはSMGT2の圧縮空気を放風するのが効果的である。そこで、メインハウジングから熱交換器への空気送り管の途中から放風用の管を分岐し、1秒から2秒で開閉動作を行うことが可能な空気作動式のシリンダ弁(放風開閉弁)を追加した。従来から同様に取付けられている、動作がやや遅いが開度制御が可能な電空制御式のバタフライ弁(放風制御弁)と合わせて、負荷が急減した場合に適切な放風を行えるようにした。
図3.1-7に放風開閉弁の写真を示す。
(3)パワータービンのすべり軸受化に伴い、船舶搭載時の姿勢の変動も考慮して潤滑油の排油性の向上を目的としたタンク内を負圧にするためのベーパファンを設置した。
図3.1-8にベーパファンの写真を示す。
図3.1-1 試験装置配置図
図3.1-2 試験装置外観
図3.1-3 試験装置内設置状況
図3.1-4 排気ファン
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