仮スバン(ナカダナ取り付け用のスワンのこと)の取り付け
切り出したナカダナ(根棚)の正確な線を取るためにナカダナ材を仮当てする。そのときナカダナを持たせるためにコシアテ(艫敷つなぎ目付近)とオモテの5尺目(ミヨシから約8尺5寸下がった位置)に仮スバンを据え付ける。
船尾の組立状況(トモジキ、戸立、仮スバン)
9/8(水) 10日のシキスエの打ち合わせに行く。
ミヨシ、オモジキ、トモジキは付けられ、いつでもシキスエの儀式が行える状態。オモジキは2本のツズ(丸太)により作業場の梁に固定され、ミヨシも8寸3分(1尺に8寸3分の開き)勾配で固定されている。
ナカダナの焼き曲げ
3枚を継ぎ合わせ幅86センチに仕上げた材料を仮スバンに当て、ミヨシに取り付けるときの曲がりのきつい部分の曲げにかかる。曲げの作業は板が割れないように木を当てキリンで締め付けた広い板を下から火であぶり熱を加え、上からは水をかけて少しずつ重量をかけながら曲げ、3時間をかけてナカダナ1対を曲げる。焼面には接合面が炭化しないよう板を打ちつけ防護して行う。こうしてひねりを加えながら板を曲げると固まるまで冷却し、冷却すると内側の焦げた表面を鉋がけして化粧する。
ナカダナの焼き曲げ工程
9/9(木) ナカダナ釘孔明け
7寸(21センチ)間隔でフナクギを打つ孔(前アナ)を平ノミとゲンノウで明けておき、再度仮スバンに添わせて当て、明けた釘孔に5寸カシラ(釘)を通しシキに打ち込み本付け(固定)する。
ナカダナの形状(釘孔開け)
9/10(金) 面舵(右舷)のナカダナ取り付け開始
ナカダナはシキにキリン(万力)で締め付けて上下の振れを防ぎ、左右からは角材や丸太で少しずつミヨシに合わせていき、中央から5寸カシラ(釘)でシキ、ミヨシに本付けしていく。釘締めは船の下に潜って横向きでの作業なので大変である。クギ間は7寸(21センチ)間隔、最後はノシロ(釘締め)を使ってしっかりと打ち込む。右舷が取り付けられると続いて左舷も同様に取り付けナカダナの取り付けは終了する。
ナカダナ組立状況(シキ、ミヨシ、ナカダナ)
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