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5/17(月)2. 製材
AM9:30 2回に分けて山から出してきた原木は製材を受け持つ小俣町の補永製材所に運ばれた。
 今日はそれを製材する日である。まず、大工さん(丸林氏)が木取りの墨入れを小口に行った。2本の杉の原木から中央にシキとなる2寸5分をとり、左右にタナ板となる1寸3分を墨入れした。これに添ってやがて製材が行われた。
 
5/24(月) 材料搬入→乾燥
 材料は長尺のため、道路交通法上運搬に問題が生じるため早朝に行い、トラックで出口造船まで運ばれた。
 朝7時に製材した板の運び込みを行うとの連絡を受け、その時間に出口造船に向かうが、途中で用材を積んだトラックに出くわす。長尾さんもすでに造船所入り口で記録映像を撮影中。8時の従業員出勤と同時に人手によって降ろし作業が始まる。長尾さん、その作業をさまざまな角度から記録する。用材は1枚ずつ丁寧に降ろされ、残るオガクズをホウキで払い1枚毎サンを噛まして重ねられた。その後コグチ(木口)にひび割れ防止のサンが打ち付けられ作業は終わった。これからしばらく自然乾燥が行われる。
 
〇製材所から製作所の出口造船所に運ばれる材料
 
○到着した材料
 
○桟をかませて下ろされる材料
 
○割れ防止を木口に加える作業
 
7/20(火) 建造開始
 図面に基づき墨を入れ、敷き材の切り出しを行う。栓を込みながら丸ノコで杉の2寸5分(約7.5センチ)板を切り落とす。
 
7/24(土) シキ(艫敷きを除く)の製作
 シキ全長は全長10メートル、幅(中央)80センチであるが、1枚構造ではなく、トモジキ(艫敷)の222センチは継ぎ足し構造をとる。最大幅は艫敷の継ぎ足し部に当たる腰当て位置の寸法で、トダテ(戸立)位置で3寸落ちの71センチとなり、ミヨシ(水押)付け根では1尺1寸(33センチ)まで絞り込まれる。
 切り出されたシキ材はクギマ(釘間)1尺間隔で釘孔がツバノミを使ってあけられ、裏表両方から7寸5分(22.5センチ)カイオレで縫い合わされる。
 作業はまずクギマとなる1尺間隔で墨を入れ、縫い釘となる7寸5分カイオレの約4割寸法を接合面からひかえて船釘の前孔(埋木)位置とし、平ノミで埋木の部分を船釘の幅(2.1センチ)に加工(彫り取る)する。
 クギマは接合する敷板の両方に取り、その半分の寸法をずらすので釘は5寸間隔で入る格好になる。
 
(釘孔の明け方)
 片刃のツバノミをクギマの印した位置に当て、刃の表を釘穴の内側に向けて左右から打ち込み、最後に「ウチヌキ」と呼ぶ船釘の断面をした先が平たいツバノミで穴を掃除する。船釘が刺さるだけの方は7寸5分の6割の寸法を目安に両ツバと呼ぶV字型の先をもつツバノミを打ち込んで明ける。







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