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ルート図
 
(仮称)びわこ栗東駅を中心としたまちづくり
 (仮称)びわこ栗東駅周辺部は、「栗東新都心土地区画整理事業」として約50haの整備が計画されており、駅直近部は、「新都市拠点ゾーン」として中核的な商業・業務機能等はじめ広域業務拠点及び様々な分野の公共及び民間の先導的都市機能の集積が予定されている。
 米原駅とともに新幹線による滋賀県の玄関口として、駅を中心とした賑わい施設が整備されることにより、自動車に頼らない公共交通を利用した県内外への移動拠点としての役割を果たすことも期待される。
 
(仮称)びわこ栗東駅
 
びわこ栗東駅周辺整備イメージ(栗東市HPより)
 
○地元での愛着
 鉄道ローカル線の活性化に向けては、設備面やダイヤ・運賃などのサービス面の改善においても、また、鉄道駅を核としたまちづくりを進めるに際しても、地元の支援や連携が不可欠である。また、地域資源を活用した観光誘客により鉄道利用の促進を図る上でも、鉄道事業者と地元行政や各事業者との連携が極めて重要となっている。
 これらの推進のためには、まず、地元住民や各事業者、行政担当者など関係者一人ひとりが、鉄道ローカル線に対して「わがまちの鉄道」「マイレール」として愛着を持ち、日頃から親しみを持って、守り育てていこうという意識が高まることが必要といえる。
 
 
○地元による主体的な推進
 鉄道ローカル線は、地元の足として、また観光などによる地域振興に寄与するインフラとしての役割を有し、それがあることで地元が受けるメリットは大きい。鉄道サービスを維持し、より一層魅力あるものとすることによって利用促進を図っていくためには、前述のとおり地域の各主体が連携し、地域一丸となって支えることが極めて重要といえる。
 以下に提示するような「利用促進協議会」や「友の会」などを中心に、利用促進にむけた諸施策を、地元が主体となって進めることが必要である。
 
−「利用促進協議会」の設置−
 地元の住民や関係者の鉄道に対する意識を高め、利用促進を図るための推進母体として、地元事業者や自治体、各種団体などによって構成される「利用促進協議会」の設置が必要と考えられる。
構成:沿線自治体、地元商工会など経済界、各種団体、県 など
運営:自治体と商工会等からの拠出金にて運営
活動(例)
・構成団体職員による率先利用
・学校行事等など団体利用での利用補助
・利用促進イベントの実施
・沿線の観光情報等の関係者への発信
・駅周辺の駐車場利用者補助の実施 など
 
−住民主体の「友の会」を組織−
 商工団体や行政中心に財政面も含めた支援を行う「利用促進協議会」と合わせて、住民参加型の「友の会」組織の活動も、鉄道ローカル線の活性化に大きな役割を果たすことが期待される。
 「友の会」組織は、沿線住民をはじめ当該鉄道を愛する全ての個人が会員となることができ、NPO法人としての活動などが想定される。
 
構成:個人会員、法人会員、など
運営:会費にて運営
活動(例)
・会報の発行
・利用促進イベントの実施
・沿線施設や飲食店などの協力による会員特典サービス など
 
<地域での活動事例>
●「油日駅を守る会」
 JR草津線の油日駅の無人駅化を発端として、周辺の住民が中心となり昭和46年に発足した。以来、駅の利活用と住民サービスの向上を目的に活動が続いている。
・1口200円の会費を、個人、法人、各種団体から徴収(計約1000口)
・駅での乗車券販売、タバコ販売、駐車場管理などを受託
・利用促進と地域活性化のため、桜まつりなどのイベントを実施
 
●「甲賀駅を育てる会」
 JR草津線の活用と甲賀駅の改築と利便性の向上、各交通機関との連携による地域の振興などを目的として平成14年に設立され、活動している。
・個人200円、法人・団体2000円の会費を徴収(平成15年度会員約1000人)
・鉄道とコミュニティバスの時刻表を印刷して全戸に配布するなど、利用促進のための活動を実施
・駅の改築に伴い、周辺清掃や植栽などの業務も実施予定







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