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III 地方自治体・交通事業者へのアンケート調査結果
1 調査の概要
 離島航路、港湾ターミナル、アクセス交通手段におけるバリアフリー化の現状やバリアフリー化を推進する上での問題点、今後の取り組みの方向性等を把握するため、地方自治体・交通事業者へのアンケート調査を実施した。
 
表2 地方自治体・交通事業者へのアンケート調査実施状況
対象 対象数 有効回答数 回収率
鹿児島県内の離島に発着する旅客定期航路事業者 15 15 100%
鹿児島県内の離島に位置する市町村 28 27 96%
鹿児島県内の離島航路の発着港湾までのアクセス手段を運営するバス・軌道事業者 16 14 87.5%
 
2 バリアフリー化に関する対応状況
(1)離島航路の船舶におけるハード面でのバリアフリー化への対応状況
 フェリーにおけるハード面でのバリアフリー対応状況をみると、乗降用設備の通路や、便所、食堂、遊歩甲板などの出入口は、必要な有効幅がほぼ確保されているが、段差解消についてはほとんど対応がなされておらず、車いす使用者が持ち上げられることなく乗降できる構造を有する乗降用設備は2割弱にとどまっている。
 
(2)対象港湾におけるハード面でのバリアフリー化への対応状況
 離島航路が発着する港湾におけるハード面でのバリアフリー化への対応状況は、管理主体により大きな差がみられる。市町村管理の港湾や県管理の漁港、市町村管理の避難港では、ほとんどバリアフリー化への対応がなされていないのに対し、県管理の港湾では、各設備の有効幅の確保、段差解消、身障者用便所の設置等にほぼ8割以上で対応がある。転落防止設備や案内設備は全般に対応が遅れている。
 
3 今後のバリアフリー化への対応
 新船導入時にバリアフリー化を進める際の課題については、「建造コストの増加」が13件で最も多く、既存船舶に講じたいと考えているバリアフリー措置では、「乗降用設備・出入口・通路等の段差解消」が12件で最も多い。
 また、離島航路事業者がバリアフリー化の推進にあたって期待する支援策をみると、「施設整備に対する公的助成・低利融資」、「バリアフリー化設備にかかる税の減免」等、コスト面での支援策を期待するものが多い。バリアフリー化に期待する効果については、「高齢者・身障者等の生活の利便性・安全性の向上」、「自社航路の輸送需要の拡大」が多くなっている。
 
図2 新船導入時のバリアフリー化の課題
 
図3 既存の船舶に講じたいと考えているバリアフリー措置
 
図4 バリアフリー化推進にあたって離島航路事業者が期待する支援策
 
図5 バリアフリー化に期待する効果







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