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離島紹介コーナー
志賀島(福岡市)
 
 
 「漢委奴国王」の金印が出土、古事記・日本書紀や元寇など歴史の舞台にたびたび登場する志賀島。資料館や志賀海神社、万葉歌碑など歴史スポットも豊富にあり、古のロマンを満喫。都心から市営渡船で30分、周囲11km、人工約3,000人のこの島は、海水浴やヨットやサーフィンなどを楽しむ夏のレジャースポットとして多くの市民で賑わいます。
 
―鹿児島県モデルケースとして― 報告書概要
日本財団助成事業
I 調査の概要
 2000年(平成12年)5月に「交通バリアフリー法」(高齢者・身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律)が成立し、交通バリアフリー化の促進が広く求められているが、九州は多数かつ多様な離島を擁しており、各離島の特性に応じた離島航路のバリアフリー化が重要な課題である。
 交通バリアフリー化の推進にあたっては、出発地から目的地までの一連の移動経路におけるシームレスな(=継ぎ目のない)バリアフリー化が重要であることから、離島航路自体に加え、離島内や本土側の両端の交通機関も含めたバリアフリー化の現状把握が必要となる。また、高齢者や障害者などの利用者が何をバリアと感じ、どう改善してほしいのかといったニーズを移動実態に即して具体的に捉えることが必要である。
 こうしたことから、本調査は、離島住民の視点に立ったシームレスな交通バリアフリー化の実現に向けて、(1)離島航路とその両端の交通機関におけるバリアフリー化の現状を把握するための地方自治体・交通事業者へのアンケート調査、(2)交通バリアフリー化に対するニーズを具体的に把握するための離島住民に対するアンケート調査を実施し、その結果を関係自治体や交通事業者に提供するとともに、離島の類型別に交通バリアフリー化の推進方策を提案することにより、利用者ニーズを踏まえたシームレスな交通バリアフリー化の推進と、住民福祉の向上、地域の活性化に資するものである。
 本調査は九州全域を対象とする2か年調査であり、初年度である平成15年度は、鹿児島県をモデルケースとして採り上げ、県内全離島を対象として調査を実施した。
 
II 鹿児島県の離島における交通バリアフリー化に関する現状
 鹿児島県には、離島振興法及び奄美群島振興開発特別措置法に基づいて指定された有人離島が27島分布している。
 
表1 鹿児島県の旅客航路の投入船舶
【700トン以上のフェリー】
番号 航路名 事業者名 船種 船名 総トン数 航海速力 旅客定員 車両台数 就航年
1 串木野〜甑島 甑島商船(株) フェリー フェリーニューこしき 942 17.5 400 41 2002
6 鹿児島〜三島 三島村 フェリー みしま 1,196 19.0 250 10 2001
7 鹿児島〜十島〜名瀬 十島村 フェリー フェリーとしま 1,389 19.0 200 12 2000
9 鹿児島〜種子島 九州商船(株) フェリー フェリー出島 1,519 16.9 630 34 1987
10 鹿児島〜屋久島 折田汽船(株) フェリー フェリー屋久島2 3,392 22.5 494 90 1993
12 鹿児島〜那覇 マリックスライン(株) フェリー クイーンコーラル8 4,945 22.0 300 66 1999
クイーンコーラル 4,924 20.2 500 66 1993
13 鹿児島〜那覇 大島運輸(株) フェリー フェリーあかつき 6,412 22.0 800 169 1992
フェリーなみのうえ 6,586 21.0 804 240 1994
14 鹿児島〜喜界〜知名 奄美海運(株) フェリー フェリーあまみ 2,980 20.0 213 69 1989
フェリーきかい  2,878 20.0 200 74 1665
17 神戸〜那覇 大島運輸(株) フェリー 琉球エキスプレス 6,266 21.5 240 170 2003
18 東京〜志布志〜名瀬〜与論〜那覇 大島運輸(株) フェリー ありあけ 7,910 24.0 426 乗用車158
トラック50
1995
 
【699トン以下のフェリー】
番号 航路名 事業者名 船種 船名 総トン数 航海速力 旅客定員 車両台数 就航年
2 天草〜長島 天長フェリー(株) フェリー フェリーロザリオ 330 11.2 300 22 1997
11 宮乃浦〜口永良部・島間 上屋久町 フェリー フェリー太陽 408 15.0 100 9 1997
15 瀬相〜古仁屋〜生間 瀬戸内町 フェリー フェリーかけろま 194 12.0 160 乗用車4
大型バス2
1994
 
【50トン以上の旅客船】
番号 航路名 事業者名 船種 船名 総トン数 航海速力 旅客定員 車両台数 就航年
1 串木野〜甑島 甑島商船(株) 高速船 シーホーク 304 26.0 301 - 1990
8 鹿児島〜種子・屋久 いわさきコーポレーション(株) ジェットフォイル トッピー 166 43.0 247 - 1989
トッピー2  163 43.0 247 - 1994
トッピー3 164 43.0 247 - 1995
5 牛深〜水俣 江崎汽船(株) 高速船 うみたか 52     - 2001
16 与路〜古仁屋 瀬戸内町 旅客船 せとなみ 90 19.0 60 - 2003
 
【49トン以下の旅客船】
番号 航路名 事業者名 船種 船名 総トン数 航海速力 旅客定員 車両台数 就航年
3 米ノ津〜御所浦 (有)波戸汽船 旅客船 すずかぜ 17   59 - 1993
4 宮乃浦〜伊唐〜幣串 (有)山坂汽船 旅客船 ニューしんせいあづま 6.6 20.0 18 -  
19 阿久根〜大島 南国海運(株) 旅客船 海燕III 18.4 15.0 70 -  
20 志布志〜枇榔島 南九州観光開発(株) 旅客船 ブルーサルーン号 19   50 -  
資料)国土交通省九州運輸局鹿児島運輸支局資料ほかよりUFJ総合研究所作成
 
 離島の人口は約19万人(2000年現在)で、県人口の約1/9を占める。各島の人口規模をみると、約7・2万人の奄美大島をはじめ、1万人以上の島が5島ある一方、人口規模の小さな島は三島村と十島村に集中しており、1島あたりの人口は100〜200人前後となっている。
 離島で生活する高齢者は約5万人で、高齢化率は2000年時点における県全体の高齢化率(22・6%)より高い26・4%となっている。高齢化率が特に高い島は、新島、請島、与路島、加計呂麻島、中甑島、口之島、上甑島などで、これらの島では40%を超えている。
 鹿児島県では、人口の5・3%に当たる約9・4万人の身体障害者が生活している。障害別にみると肢体不自由が約半数、内部障害が2割強、視覚障害と聴覚・平衡機能障害がそれぞれ1割強である。離島部で生活する身体障害者は、人口の6・8%に当たる約1・3万人である。
 
図1 鹿児島県の離島航路
資料)UFJ総合研究所作成







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