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奄美群島における静脈物流ネットワークのあり方に関する調査研究 ?報告書?

 事業名 奄美群島における静脈物流ネットワークのあり方に関する調査研究
 団体名 九州運輸振興センター  


(2)港湾運送事業者(名瀬港以外、10社)
 名瀬港以外の港湾運送事業者は、基本的に、使用済自動車等を、新たな上り便の貨物として期待、歓迎している。但し、フェリー貨物としては、取り扱わないとする業者もいる。一方、使用済自動車の取り扱いによる岸壁や船内のオイル汚れ等が問題として指摘されている。
 徳之島、沖永良部島、与論島では、一部の貨物が沖縄へ流れている。
 ストックヤードについては、必要、不必要と両意見がある。必要としない理由の一つとして、台風時に(波で埠頭が洗われてしまうため)確保が無理という意見もある。廃家電、バッテリー、空ビン等は港湾を保管場所として回収されているが、良好な管理のためには、港湾運送事業者への伝票提出等が必要との意見がある。
 名瀬港の事業者と同様に、島のクリーンアップ、環境意識の向上が必要との意見がある。
 
表−3.2.2 港湾運送事業者(名瀬港以外)の主な意見
項目 概要
使用済自動車 ・ 近年、取扱量が増えている。今後も増えるだろう(古仁屋港、湾港、亀徳港、和泊港等)。
・ 基本的に、港湾貨物の取り扱い増加として歓迎する(同上)。
・ 使用済自動車の取り扱いにより、岸壁、船内がオイルなどで汚れることが問題だ(同上)。
・ フェリーでは一般貨物を取り扱うため、使用済自動車は扱わない(亀徳港、和泊港)。
その他の廃棄物
及びリサイクル資源
・ 廃家電等の取り扱いは業者間の競争があり、安定的な確保が難しい(亀徳港、和泊港)。
・ 段ボール、古紙・雑誌などはほとんど燃やされ、港湾に出てこない(湾港、亀徳港、和泊港、与論港)。
・ 運賃面より、スクラップ、廃家電、ガラスカレット等が沖縄へ輸送されている(亀徳港、和泊港)。
・ タイヤ、段ボール等の新たな輸送貨物を期待する(古仁屋港、亀徳港)。
ストックヤード ・ 貨物船の場合、使用済自動車等の荷役のためには、港湾地区にストックヤードが必要だ(早町港)。
・ 解体業者が使用済自動車をピストン輸送するため、ストックヤードはいらない(亀徳港、和泊港)。
・ 台風時に波で埠頭が洗われるため、ストックヤードを確保することは無理(和泊港)。
・ 廃家電を入れるコンテナを港湾に置き、各家電販売店に搬入してもらい、満杯になればフェリーで輸送する仕組みがうまくいっている。但し、入れたままにしておくとルールを守らない業者がでてくるため、伝票によるチェック等が必要(古仁屋港)。
島のクリーンアップ ・ 世界自然遺産を目指した島のクリーンアップが望ましい(古仁屋港等)。
・ 何よりも住民の環境意識の向上が重要だ(湾港、亀徳港、和泊港等)。
資料:ヒアリングにより作成
 
(3)船社(5社)
 
(1)全般的な意見
 船社は、基本的に、使用済自動車、廃棄物等の貨物を取り扱うことを役目と考えるとともに、新たな上り便の貨物として歓迎、期待している。また、自動車リサイクル法による海上輸送に対する支援が期待されている。
 問題点としては、オイル、ガソリン、ガラスなどによる船内の汚れやコンテナの傷みが指摘されている。
 今後の貨物として、使用済自動車とともに、タイヤ、農業用ビニールなどが期待されている。島のクリーンアップへの協力は惜しまないとしている。
 
表−3.2.3 船社の主な意見
項目 概要
廃棄物等の
取り扱い
・ 基本的に、生活・産業物資とともに、廃棄物やリサイクル資源を輸送することも船社の役目であると考えている(フェリー)。
・ いつでも(スペースが空いている時に)輸送するということであれば、船賃を安くしやすい(フェリー)。
使用済
自動車
・ 下りの貨物に対し、上りの貨物(帰り荷貨物)は少なく、歓迎・期待する(フェリー、貨物船)。
・ 今後、貨物量が増えると期待している(フェリー、貨物船、チャーター船)。
・ 自動車リサイクル法による支援を期待する(同上)。
・ 使用済自動車の取扱いにより、オイル、ガソリン、ガラスで船内が汚れる。また、古いものを使っているが、コンテナが傷む(同上)。
・ 基本的に一般貨物と別の岸壁で扱いたい(チャーター船)。
・ フェリーは小ロットで取扱えるが料金はやや高い。これに対し、チャーター船は、大量(200台前後)に輸送し1台当たりの料金は安いが、港にストックするスペースが必要(チャーター船)。
廃家電、
段ボール
・ 廃家電自体は、これ以上増えないだろう(フェリー)。
・ 客先に収めた容器に段ボールが入り、着港で引き取り先があれば、極めて低料金で取扱う(フェリー)。
今後の貨物 ・ タイヤ、農業用ビニールが島内に溜まっており、今後の貨物として考えられる(貨物船)。
島の
クリーンアップ
・ 奄美の自治体が、クリーンアップ運動をするというならば、船社として協力は惜しまない(フェリー)。
・ 既にそうしているが、リサイクル資源輸送について、配慮した船賃とすることも考えられる(フェリー)。
その他 ・ 道路事情が良くなったため、古仁屋港への輸送は、名瀬港からトラック輸送の傾向が出てきた(フェリー)。
資料:ヒアリングにより作成
 
(2)使用済自動車の輸送に係る油汚れ対策について
 奄美群島に乗り入れる船舶の使用済自動車の輸送に係る船内及びコンテナの油汚れ対策は表−3.2.4のとおりであった。
 
表−3.2.4 使用済自動車の輸送に係る船内・コンテナの油汚れ対策
船種 現状・問題点 対応 今後の取組み
フェリー ・油が漏れてコンテナが汚れるということはそう多くはない。
・波で船舶が揺れて、出航時には油抜きされていると思っていた使用済自動車から油が漏れることがある。
・コンテナが油で汚れる可能性は2割程度である。
・エンジン部のみをまとめて輸送する場合は、油で汚れる可能性が高い。
・大量に油が漏れていることが荷積み時に分かれば、輸送を断る。
・油が漏れてコンテナが汚れた場合は、おが屑を撒き吸収させ清掃している。単に拭き取る場合や乳化剤を撒く場合もある。
・使用済自動車をはじめ廃棄物は古いコンテナを使って輸送する。
・油が漏れてコンテナが汚れた場合は、おが屑を撒き吸収させ清掃している。デッキに流れ出た場合は布で拭き取っている。
・使用済自動車は古いコンテナで輸送している。(油汚れや重機による積込み時の変形のため)
・使用済自動車など廃棄物の輸送が今後増えれば、古いコンテナの利用を増やしていく。
・より頑丈で油が外に漏れないようなコンテナ(試作品)を使用済自動車輸送用に発注する予定。
貨物船 ・油抜きを業者に徹底してもらっているため、油でコンテナが汚れることはあまりない。 ・船積みする前に油漏れを見つけた場合には、輸送を断っている(一度持ち帰って再度油抜きをしてもらう)。
・コンテナを使う場合は、なるべく古い物を使うようにしている。
・プレスした車をワイヤーで縛り、コンテナに入れないで直接船積みする場合もある。
・油が漏れてコンテナが汚れた場合は、砂を撒いて吸収させる清掃を行なっている。
・業者へ油抜きをより徹底してもらう。
チャーター船 ・貨物船で一度に約180台の使用済自動車を輸送している。
・コンテナは使わず、直積みである。
・油だけでなく、ガラス、砂、プラスチック、ラジエーターの不凍液なども船内を汚す原因になっている。
・船積み前に油漏れ等が見つかった場合は輸送を断るが、なかなか事前には分からない。
・使用済自動車を輸送した後は船内の清掃に約1時間程かける。
・床が板張りになっているので、油漏れの清掃はデッキブラシと洗剤を使って行なう。
・特に考えていない
資料:問い合わせにより作成
 
(4)リサイクル事業者(7社)
 使用済自動車の処理の依頼は、スクラップ相場の高騰により、今後も増えると見込まれているが、相場の高い時期に放置車両を片付けることが重要と指摘されている。
 取扱品目については、ビン、缶、ダンボール等は既に扱われているが、農業用ビニールなど島内に溜まっている廃棄物があると指摘されている。
 港湾でのストックヤードについては、「必要」との意見と「自社ヤードからピストン輸送するので必要ない」という両意見がある。
 リサイクル事業者に対する行政、住民の理解、支援を要望しており、特に自動車リサイクル法による支援に対する期待の声が多かった。
 
表−3.2.5 リサイクル事業者の主な意見
項目 概要
使用済自動車
及びその他の廃棄物
・ 貨物は増えている。今後も増えると見込んでいる(奄美大島、徳之島)。
・ 自動車リサイクル法による支援を期待する(奄美大島、徳之島、沖永良部島)。
・ 中国の高度経済成長の影響で金属スクラップ相場の高い今の時期に、島内の放置車両を片付けることがベストだ(奄美大島)。
・ 段ボール、古紙・雑誌、ビン等が今後の貨物として考えられる(奄美大島)。
・ 廃家電、廃ビニールであれ、集まれば、取扱う(奄美大島)。
・ クリーンセンター持込みより、料金面で有利となれば、段ボール、古紙・雑誌等がリサイクル事業者に持込まれる(奄美大島)。
・ 農業用ビニールは、持込みで80円/kgのため、持込み量は少なく、島内に溜まっている(喜界島)。
港湾 ・ 港湾にストックヤードが必要である(奄美大島)。
・ 自社のヤードからピストン輸送するのでストックヤードは必要ない(徳之島、沖永良部島)。
海上輸送 ・ フェリー、チャーター船は、それぞれ特徴があるが、使い方により安くも高くもなる(沖永良部島)。
・ 輸送費に補助金がでれば、より安くなるので期待したい(奄美大島、沖永良部島)。
行政 ・ 行政、住民にリサイクル事業への理解を望みたい(奄美大島、徳之島、沖永良部島)。
・ リサイクル事業者を育成する方向で努力してもらいたい(奄美大島、喜界島)。
資料:ヒアリングにより作成
 
(5)自治体
 各自治体は、自動車リサイクル法による輸送費補助に期待する一方、補助割合の引き上げ、二次離島への配慮などの必要性を指摘している。また、廃家電について、使用済自動車と同様な輸送費補助や指摘取引場所の設置の必要性を指摘している。
 一般廃棄物については、輸送費高による、リサイクルの困難さを指摘する声が多い。
 その他、農業用廃プラスチック、タイヤ、海岸漂着物への対応の難しさが指摘されている。
 今後の取り組みとして、国、関係業界への離島への配慮の要望とともに、奄美群島側の市町村、民間業界・団体、住民の連携した取り組みの必要性や住民意識の向上が指摘されている。
 
表−3.2.6 自治体の主な意見
項目 概要
使用済
自動車
・ 自動車リサイクル法による輸送費補助を期待する。
・ 8割ではなく10割としてほしい。特に二次離島に特段の配慮が必要。
・ 従前から山林等に放置された廃車の処理が問題である。
廃家電 ・ 回収、リサイクルルートはある程度軌道に乗ったが、輸送コスト高が、離島住民に負担を強いている。また不法投棄を誘発している。
・ 使用済自動車と同様に、購入時にリサイクル費用を徴収し、かつ輸送費補助が必要。
・ 島に指定取引場所がほしい。
一般廃棄物
リサイクル
・ 分別の徹底されていないことが問題である。
・ 新聞、古紙、紙パックなど海上輸送費が高いためリサイクルが困難であり、焼却にまわっている。また、廃乾電池、蛍光灯などは島外へ搬出・リサイクルが必要だが、費用負担が大きく、困っている。
・古紙、段ボール、その他廃プラスチックなどのリサイクルを模索、検討している。
・ 小離島では難しいが、リサイクル事業者の育成が必要である。
その他
困っている点
・ 農業用廃プラスチック、廃タイヤの処理に困っている。
・ 海岸漂着物の収集、処理の人手確保、費用負担が大変である。
・ 二次離島からの廃棄物の搬出が著しく割高で、不法投棄を誘発している。
今後の
取り組み
・ 国、関係業界に対し、リサイクル費用の販売時の徴収、離島への配慮を強くお願いする必要がある。
・ 財政負担が厳しい中、市町村の連携が必要である。また、行政と各種の民間企業・団体、住民と協力し、島全体、奄美群島全体として取り組むことが重要である。
・ 住民の環境意識の向上が必要である。
資料:ヒアリングにより作成







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更新日: 2019年5月18日

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