2. 地方自治体へのアンケート調査結果
(1)調査の概要
北部九州の離島に位置する8市町村を対象としてアンケートを実施し、各市町村におけるバリアフリー化の取り組みや、港湾の旅客船ターミナル等におけるバリアフリー化の現状と問題点、今後の取り組みの方向性などを調査した。
回収状況は、有効回答数8市町村、回収率100%となっている。
表4-2-1 アンケート調査対象市町村
市町村名 |
調査対象離島 |
対馬市 |
対馬島(本島) |
壱岐市 |
壱岐島(本島)、大島、長島、原島 |
北九州市 |
馬島、藍島 |
宗像市 |
地島 |
大島村 |
大島 |
新宮町 |
相島 |
福岡市 |
玄界島、小呂島 |
志摩町 |
姫島 |
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(2)調査対象市町村における交通バリアフリー化の取り組み
(1)交通バリアフリー所管部署の有無
バリアフリーの所管部署が設けられているのは、対馬市と北九州市の2市町村で、それ以外の6市町村においてはバリアフリーを所管する部署は決められていない。
なお、北九州市では、建設局道路計画課がバリアフリーの所管部署となっている。
表4-2-2 市町村におけるバリアフリーの所管部署
所管部署がある |
2
(25%) |
所管部署がない |
6
(75%) |
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(2)交通バリアフリー化の取り組み
交通バリアフリー化について何らかの取り組みを行っていると回答があったのは、4市町村である。
具体的な取り組みの内容としては、バリアフリー法に基づく基本構想の策定や、待合所・バス・船舶のバリアフリー化があげられている。
表4-2-3 市町村におけるバリアフリー化の取り組み
何らかの取り組みを行っている |
4
(50%) |
特に取り組んでいることはない |
4
(50%) |
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表4-2-4 市町村におけるバリアフリー化の取り組み内容
市町村 |
具体的な取り組み内容 |
北九州市 |
バリアフリー基本構想の策定(平成14年度) |
新宮町 |
待合所をバリアフリー化し、船舶を改造する予定。また、町内巡回バスもバリアフリー対応とした。 |
福岡市 |
船舶等、新設・修繕の際のバリアフリー化。 |
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(3)高齢者・障害者等の外出支援に関するNPO・ボランティア活動の現状
対馬市、北九州市、新宮町、志摩町においては、高齢者や障害者等の外出時にボランティア等による外出支援が行われているとの回答があった。
表4-2-5 |
高齢者・障害者等の外出支援に関するNPO・ボランティア活動の現状 |
市町村 |
具体的な活動内容 |
対馬市
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市の委託を受けて、障害者等の交通機関の利用が不可能な人に対し、輸送支援事業を行っている。他に民間等の活動実績はない。 |
北九州市 |
北九州市社会福祉協議会内のボランティアセンターに登録したボランティアが、2名1組で会員登録をしている方(65才以上の虚弱高齢者、付添が必要な人、車いすを利用している方など)を対象に車の搬送を行っている。(平成6年1月〜) |
新宮町
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障害者の自立を支援する会が活動している。 |
志摩町
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志摩町社会福祉協議会で登録ボランティアによる外出支援を行っている。 |
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(4)海上輸送のバリアフリー化に関する問題点
本土と離島、もしくは離島相互間を結ぶ海上輸送のバリアフリー化に関する問題点としては、港湾施設等のバリアフリー化の遅れや、財政状況が厳しくバリアフリー化のための費用を負担することが困難であることなどがあげられている。
離島部ではバリアフリー対応を進めているが、本土側が進んでいないため、旅客の利便性が向上しないという意見もあげられた。
表4-2-6 海上輸送のバリアフリー化の問題点
市町村 |
具体的な内容 |
■港湾施設等における問題点 |
壱岐市 |
未改修ターミナルはバリアフリー化ができていない。 |
北九州市 |
既存施設(ターミナル等)のバリアフリー化。 |
大島村 |
大島村の方では、ターミナル、浮桟橋船等バリアフリー化を進めているが対岸の港湾は宗像市になるので、港湾のバリアフリー化が進んでいない。 |
■財政面における問題 |
対馬市 |
対象港湾の施設等については段階的に改善していくものと推測されるが、船舶内のバリアフリー化の改善には、時間と多額の費用を必要とし、事業者側の理解がないと進歩しない。 |
新宮町 |
船舶が小さく、改造にスペースとコストがかかりすぎる。 |
志摩町 |
バリアフリーにしていくための財政的余裕がない。 |
■その他 |
福岡市 |
船舶と桟橋の動線において潮の高さにより、バリアフリー法に適合しなくなる場合がある。 |
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注)宗像市と大島村は、2005年3月28日に合併。
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(5)今後の海上輸送のバリアフリー化への取り組み意向
海上輸送のバリアフリー化に関して今後取り組みたいこととして、7市町村で船舶または旅客船ターミナルのバリアフリー化があげられている。
表4-2-7 海上輸送のバリアフリー化に向けた今後の取り組み意向
市町村 |
具体的な内容 |
対馬市
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海上輸送のバリアフリー化で船内バリアフリーの問題は最後まで残ると思われる。 |
壱岐市
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旅客船及びターミナルの改修。 |
北九州市 |
待合所のバリアフリー対応。 |
大島村
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本土側(宗像市)と合併(H17.3.28)により本土側のターミナル建設(H19年)を計画、岸壁の浮桟橋化。 |
新宮町
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船舶の改造と離島側発着所・待合所のバリアフリー化。 |
福岡市
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オールバリアフリー化。 |
志摩町
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現在、造船の計画はないが、将来、計画があればぜひバリアフリー化対応の船を造船したい。 |
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(3)調査対象港湾の属性
北部九州において離島航路が発着する港湾(以下、対象港湾)のうち、合計18港湾について、バリアフリー化の現状に関する回答が得られた。これを港湾管理者別にみると、「市町村管理の港湾」が8港で最も多く、次いで「県管理の港湾」が5港、「県管理の漁港」が3港、「市町村管理の漁港」が2港となっている。
地区別にみると、対馬地区が2港、壱岐地区が3港、筑前諸島が13港となっている。
図4-2-1 種別にみる離島航路の発着する港湾数(n=18)
(4)高齢者・身体障害者の利用状況
(1)高齢者の利用状況
対象港湾における乗降人員全体のうち、65歳以上の高齢者の占める比率は「20〜40%」が3市町村、「10〜20%未満」が2市町村となっている。また「60%以上」も1市町村ある。
図4-2-2 |
各市町村における対象港湾の高齢者の占める割合(n=8) |
(2)身障者等の利用状況
対象港湾における身障者等の利用頻度は、下図のとおりである。
統計的な把握手段がないため「わからない」が多いが、肢体不自由者は全体の半数が「週に数人」ないし「時々」利用があるとしている。
図4-2-3 障害別にみた身障者等の利用頻度(n=8)
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