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(5)処理の中心周波数の不一致が応答波形に与える影響
 レーダー送信波の中心周波数と新マイクロ波標識の処理の中心周波数が一致していない、いわゆる離調している状態での応答波形、及びフィルタリングによる異常応答波形への対処について、理論計算に基づくシミュレーション結果と実測結果を対比して検証を行った。ここでは、代表例としてパルスレーダー波形入力の場合について示す。
 パルス幅0.1μsのパルス波形を、新マイクロ波標識の処理の中心周波数と5MHz離調させて入力し、遅延合成処理を行った場合の結果を図5-18に示す。同図左側の(A)(B)は理論計算結果であり、右側の(a)(b)が実測結果である。(A)(a)は、遅延合成処理後の応答信号をレーダーで検波した後の表示波形であり、櫛状の異常応答波形となっていることが実測でも確認できた。(B)(b)は、応答信号のスペクトラムであり、5MHz離調したために、0MHzと10MHzの2本のスペクトラムが主に発生し、その他のスペクトラムも発生していることがわかる。また、理論計算と実測結果は良く一致しており、離調時の挙動並びに異常応答波形発生のメカニズムに対する理論の妥当性が検証された。
 
図5-18 中心周波数の離調による異常応答波形
(A)復調波形(計算結果)
 
(a)模擬復調波形
 
(B)スペクトラム(計算結果)
 
(b)スペクトラム(実測結果)







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