4. 八王子市立宮上小学校
八王子市南大沢地区在住
大西 輝久氏
ただいまご紹介いただきました宮上小学校の大西と申します。特に何かの会の会長であるとかというのではなく、一保護者として本日、事例発表をさせていただきたいなと。
ひょんなことからこの場に立つことになりましたのも、ここにいらっしゃる浅野さんであるとか、いろいろなネットワーク、それから5年前に大阪から転勤してきたんですが、そういった関わりがあって、こういう発表になったのかなと思っております。またこういったつながりを大事にしていきたいとも思っております。
早速の事例発表なんですが、もう皆さんお疲れなのでサクサクやっていきますが、まず昨年、子どもというのを通じてみんなが集まって合同サマーキャンプができました。この「合同」はちょっと後ほど説明いたします。
私のいちばんテーマとしたいのは、やはりたくさん集まるといろんな方がいらっしゃる。多士済々。お母さん、お父さんが大集合しました。約60名のスタッフ、お父さん、これ、実際にもうちょっといたんじゃないかなと思うんですが、25名以上、そして参加者が300名以上の大イベントになってしまいました。
まずそのイベントの背景となりました南大沢、宮上小学校があります南大沢というところですが、「わが街 南大沢について」。ここから京王線の相模原線の急行で約40分から45分。典型的なニュータウンです。先ほどご紹介あった浦安のほうと歴史的には同じです。約15年から17年。駅前にはアウトレット、これ、3年前にできました。映画館、いろんな映画館があったり、大型スーパー、ヨーカ堂があったり、大好きな居酒屋があったり、緑や公園が多く、おしゃれないい町だなということで転勤してきたときに引っ越し先に決めました。
結構、間取りの広いマンションが多いということ。でも、ニュータウンの特性から地域のコミュニケーションがちょっとクェスチョンマークですよと。
そんな町に実はこれは社会的な問題にもなったんですが、公団のつくったマンションの手抜き工事が発覚ということで、なんと220世帯以上が仮移転するような羽目になりました。私もその1世帯です。さあ、大変ということです。
ますます地域が希薄になるのかと思ったんですが、皆さん一致団結して交渉するなかで地域が一体になっちゃいました。皆さんと顔見知りになった。ただでさえ、学校でつながっているなかで会う機会が増えました。
そういうなか、地域横断で子どもたちのためにイベントをやろうということで、これは宮上地区の青少対、宮上中学校の校長が会長ですが、そこがキイになりまして、言い出しっぺは元気なお母さんがいらっしゃいまして、「やっぱり夏はキャンプだ!」と、もうその一言で決まっちゃいました。
日頃、それぞれの学校、宮上小学校、先ほど「合同」という話が出ましたが、浅野さんがいらっしゃる下柚木小学校、それぞれサタデースクールの委員が混ざりまして、三位一体で運営をやりましょうということになりました。
さあ、どんな企画にしようかと。みんなキャンプについては素人です。で、初会合。この会合も先ほどの元気なお母さんがキイになって、一本釣りで「みんないい話があるから集まって」ということで、釣られて集まってしまいまして委員になっちゃったという方なんですが、ただ、集まると、意見はいっぱい出ました。意見も出たんですが、「何かあったらどうするの」という心配事もいろいろ出てきました。
でも、見渡してみると、きょうお集まりの皆さんもそうだと思うんですが、いろんな技あり人間、いろんな職種の方がいらっしゃって、非常に話は盛り上がりました。テーマを決めて楽しく、「遊・食・住・安」って書いていますが、とにかく楽しくと。食はみんなでおいしく、テントで眠って。みんなで友だち同士、子どもがテントで寝るというのはなかなか機会がないので。それと先ほどの何かあったときの安心、安全。この大きなテーマで班をつくりました。
イベント班でいうと、例えばイベント会社に勤めている。看板をつくるとか、いろいろお祭りの企画をやっているお父さんとかもいまして、まあ、すごいことができるもんだなと。それから食事班。300人分の食事をつくるというところですが、これはやはりお母さん。
テント班。「キャンプリーダー発見、私です」って書いていますが、実は私、キャンプとかいろいろそういったのを過去やっておりまして、そういう人間も他にも何人かいらっしゃいました。それと医療班。やはりこの班にもいらっしゃるかも知れませんが、医療関係にお勤めの看護士の皆さんがいらっしゃいました。警備班。これはなんと警備会社にお勤めの方もいらっしゃいます。
そういったところでみんな揃うと、いろんな人がいるんだなというのが率直な感想です。
さあ、企画はできたけどということで、別紙参照で、この1枚ペラのチラシがありますが、とにかくちょっと盛り沢山の大イベントになっちゃいまして、あれもやりたい、これもやりたい。素人考えなんですが、なんとかなるだろうと思ってやったんですが、これはヤバイなと。それとアンケートを取ったところ、300人ぐらいが来たいよ。どうしよう。「えらいこっちゃ」と書いていますけれども、本当にえらいこっちゃ、どうしようかなといったところで、運営体制をつくろう。
こうなると、先ほどのお話じゃないんですが、組織をつくって運営をするというのはお父さん、得意です。イベント班、それぞれ班をつくりまして、これは各リーダーが班ごとに打ち合わせをしました。それと実行委員というリーダーが集まるような形で委員会を設けまして、あとはチェーンメール、このへんはデータベース、こちらの浅野さん、もうパソコンのデータを扱うプロじゃないかなと思うぐらい、素晴らしいネットワークをつくっていただきました。
班別に企画・連絡・交渉・準備と。いろんなところに頼まないといけない。やりたいのはいいんだけれど、いろいろな企画があって、じゃ、誰がやるの、誰が交渉にあたるの、というところをそれぞれ班別に交渉いたしました。特にイベント班としましては地域のイベントでもありますので、消防訓練もやろう。救急処置の実習もやってみようということで、当然、消防署に依頼。
それからイベントのなかで楽しくということで、マジックもやりましょう。安くやってくれるところ。お金出せばやってくれるところは幾らでもあるんですが、安くやってくれるところを探そう。それで京王マジッククラブ。これは京王電鉄のボランティアグループみたいな感じですね。
それと当日は残念ながら雨になったんですが、天体観測もやろう。もうあれもやりたい、これも。本当にできるんかなというぐらいだったんですが、これは地域の天文クラブで星の話、天体の専門の方がいらっしゃいます。
それから学校を使って肝だめしをやろう。これも先ほどのイベント会社の方がホラー映画で使うようなセットとかお面とか本格的なのを持ってきまして、すごい怖い肝だめしになりました。
それと食事班、調理班。とにかく300人分の調理器具や場所、食材の調達、配膳これをお母さんたちが中心になって決めていただきました。
それとちょっと言い忘れましたが、それぞれの班に子ども班を振って、共同でやりましょうというのは1つのテーマとしてやりました。
テント班。これは私がリーダーとなってやりましたが、実際に泊まるのは百何十名、約半数が泊まりまして、あとは日帰りという形もあったんですが、大型テント20張、これ、どうしよう。いろいろな施設に頼んで借り出しました。それと雨降ったときどうしよう。心配事は山ほどあったんですが、薪の確保であるとか。
それと救護班。医療器具の手配や準備、医療関係への連絡体制。何か急病、怪我人が出た場合にどうしますか。それから合わせて予防・応急処置、これは特に救護班にまかせるのではなくて、特に夏場でしたので、脱水症状や熱中症、その予防、それから処置ですね。例えば私もただ水を飲ませばいいと思っていたんですが、そうじゃないよ。これはやはりそういった知識がないと誤った治療をしてしまうということもありまして、各リーダー、スタッフ全員がこういうのを受けました。
これは風景になりますけれど、会場案内図。できるだけ子どもたちに申し込んだ後は自分たちでやって頂戴よ。テントごとにグループ分けしまして、小学校1年生から6年生まで、小さい子、大きい子いろいろ混ぜた班をあらかじめつくりました。そういうなかで受付後、子どもたちは自分たちの班を確認して、自分たちの班ごとで知らない子どもとも一緒に行動してねという形で運営しました。
真剣な最終ミーティング。後ろに置いてありますが、こういうテントを、例えばテントの立て方からいろいろミーティングをしております。
それから「てっぺき&美貌」と書いていますけど、医療チーム。こういう形でちょっとそのへんのクリニックよりすごい設備の医療チームができまして(笑)、これは非常に皆さん、安心、安全といったところでは心の支えになったかなと思います。
それからサマーキャンプ風景。消防車到着ですね、消防訓練。それから救急救命訓練ですね。こういった人形も使いまして、これは本格的に消防署の方に教えていただきました。
グループ遊び、ちょっとこれはわかりにくいんですが、またこのグループ遊びもいろんな遊びを用意しまして、6つぐらいの遊びを実施いたしました。それからマジックショー。星の話。ちょっと写真、これ、縦なんですが。これも当日、残念ながら雨だったので、プロジェクターを使いまして室内でやりました。
いよいよテント設営。ちょうど昨年8月の最後の土曜、日曜、毎週のように台風が来ていたときなんで、残念ながら天気は雨だったんですが、まずはみんなでテントに寝かせてあげようということで、テント遊びでもいいじゃないかということで体育館で行いました。こういった感じでテントを、これはだいぶ撤収が始まっていますが、体育館の約半分にテントをずらっと張りまして実施いたしました。
それと今回はいろんなメンバーが集まったなかで、卒業生ですね。子どもと大人だけじゃなく、地域ということでOB、大学生チーム。近所に都立大もございますが、卒業生がかなり集まっていただきました。これで全員じゃないんですが、ちょうど20歳前後ですが、いまどきの見た目は結構、言っちゃ悪いんですが、チャラチャラしているような、しょっちゅう携帯をいじっているような学生なんですが、やはりイベント中心に責任を与えてやって「まかせたよ」ってなると、すごく大活躍してくれました。このへんが1つの収穫かなと。そのつながりというのは後々も、いま現在も続いております。
で、「お疲れさまでした」と。この看板も先ほどのイベント屋さんがオリジナルでつくっていただいた、ちょっとした看板です。このまま捨てちゃうのが勿体ないかなというぐらいの看板です。
「サマーキャンプを終えて」というところなんですが、良かったところとしては、本当に大イベントになりまして大変でしたけれど、皆さんが仕事の面じゃないんですが、適材適所、得意分野での技を発揮して楽しんでできたのかな。結構、本当に皆さん、遅くまで打ち合わせをやったりとか、月に3回ぐらい集まっていたというか、ほとんど毎週集まって「ああしよう、こうしよう」とか打ち合わせをしていたんですが、でも、皆さん楽しんでできたかな。
大変だったところというのはやはり参加者の把握。これは安心と安全につながるんですが、昨今いろいろな事件・事故があるなか、学校内にとどまって泊まる子の数の把握、そういったのをきっちりやりましょうということで、誰がどこにいるのというのを、きっちりやろうとしたんですが、ドタキャンやら変更がありまして、そちらのスタッフが大わらわ。特に今回、全員の参加者に対して保険もかけましたので、そのへんの申し込みというのもございました。
1つは、地域でみんなで集まって、ここから先ほどの言い出しっぺのお母さんが「『おやじの会』をつくったら」ということで、実はこの打ち上げのときに、全員おやじ集まったんですが、やはりボーンで終わっちゃいました。「おやじの会」というのはなかなかむずかしいかな。そういった場にイベント参加型で連れてくればおやじは動くんですが、自分からなかなか動こうとしない。そのへんがなかなかむずかしいんですが、1つは地域のネットワークとして今後もこういった活動をしていければなと思っております。
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