3. 浦安市立日の出小学校
浦安市立日の出小学校 お父さんの会
コーディネーター 舘 里枝氏
こんにちは、舘です。本来でしたら、ここに「お父さんの会」の弓削田会長が見えるところなんですけれども、高校卒業して以来の同窓会がこちらのほうであると。九州出身の方で、「絶対そっちに行きたい。」ということで、代わりに私のほうからお話させていただきます。
まず浦安なんですけれども、皆さんご存じのディズニーのある町です。埋め立てが始まる昭和45、46年頃は2、3万人しかいなかったのが、いまは15万。
土地の75%ぐらいが埋め立てです。きょうこちらでご紹介させていただく日の出小学校はいちばん海に近い校区になっています。平成元年、2年頃、高層マンションが建築され始め15年ぐらい経っています。
バブルが崩壊した後、県の開発がちょっと頓挫した時期があって、住宅が増えない時期もありました。県が民間に手放してからは、すぐに住宅ができ人口が急増したため、いま日の出小学校はプレハブを建ててマンモス校になっています。
4月に日の出小学校のもっと海のほうに、日の出南小学校、日の出小学校は分割されます。外から流入してきている人たちばかりで、地元の人というのは1人もいない。一世代前も地元という人はいなくて、皆さん引っ越してこの町に住んでいる、そういうところが特徴だと思います。
もう1つ、ここの校区の特徴があります。小学校の給食費を徴収するのは大体担任の先生なんですが、担任の先生に手の余るご家庭の場合は、教頭先生がいらっしゃるそうなんです。
浦安市も15の小学校がありますが、ほとんどの小学校は、給食費を集める仕事が、教頭先生の仕事のなかで非常に比重の高いものになっているそうなのですが、この日の出小学校はそういうことがない。その分、教頭先生は他の仕事に専念できるという、非常にありがたい学校なんだそうです。
企業のサラリーマンとして仕事されていらっしゃる方が非常に多く、安定した収入を得ているご家庭のお子さんたちが多いというふうに言えるのではないかと思います。
こういう学校なので、小学校のPTAの会長さんは、企業戦士のお父さんを支えるお母さんがなさっていましたが、ここ何年間かお父さんがなっています。
この日の出の「お父さんの会」の成り立ちも、平成15年のPTAの会長がお父さんで、市のPTA連絡協議会で皆さんに発表する場があり、そこでいろいろと情報収集をしているうちに、「お父さんの会」というのがどうも必要になってきているんじゃないかと痛感したということ。何人かのお父さんたちにお声がけをされて、平成15年から企画、16年の初めにアンケートを取りました。
参加したくないのか、お父さんたちは「お父さんの会」をどのようにしたいと考えているか。お父さんの代わりに参加するんなら、どんなことをするといいんだろうかということを、まずアンケートで聞きました。それに基づき事業計画を立てて、できるところからちょっとずつ始めていきましょうと非常に堅実。
熱く、ある何人かの人たちで「頑張ろう、やろう!」という熱意でやる「お父さんの会」もあれば、非常に硬い、こういうパターンもあるということを、参考していただければと思います。
事業としては、一つがこちらのほうにあるデイキャンプです。これはいちばん最初の会長になられた弓削田会長は、本当はデイキャンプじゃなくて本当のキャンプをやりたかったようですが、まず足固めで昼間だけのキャンプをやりました。
校区にはJALの社宅があります。このJALの社宅の方たちも、この「お父さんの会」の主要なメンバーにおり、それの方たちのアイデアでハンバーガーというところが特徴ですね。
JALの方たちがアメリカ等に駐在されたとき、ホームパーティーでいろいろノーハウを蓄積されている。そういう方がたくさんいらっしゃるので、「ハンバーガーだったらやれるぞ」となったそうです。いろんなメニューが出たようですが
この後も、食材を注文できる人とか、テーブルを借りてくる人とか、いろいろと細分化して、この日の事業が成功しました。さすがにお父さんたち、いろんな人たちの才能が発揮できたようで、お父さんたちも皆さん、これは非常に楽しかったそうです。
イベントとしては「日の出小クイズ」と昔遊び、最後のメーンイベントが「クイズ」でした。最後にいろいろ豪華な景品がもらえるのですが、クイズをやっている間に、他のお父さんたちはハンバーグ焼きに入ってたんですね。かなりたくさんの食材を、お父さん達は常に効率的につくっていらっしゃいました。
ハンバーガーの紙も調達してきて、こういうような形でデイキャンプをなさいました。非常においしいと評判で、来年もやるそうです。キャンプファイヤは自慢だそうです。海っぺりなので、風が吹いて、煙だけで失敗するのではと心配してました。ところがこの時間だけは風が吹かなかったということで、非常にラッキーな学校です。
1月22日、つい最近ですけれども、校区内パトロールがありました。アンケート調査で、とにかく防犯をお父さんたちは非常に気にされていました。
商店街がぜんぜんない。校区は住宅地しかない。一見、とても安全、安心な感じがするんですが、交番もないんですね。新浦安の駅が最寄り駅になるんですが、そこからちょっとあります。いちばん端っこは2キロぐらいあります。もしも何かがあったときに、警察官が来るにも時間がかかる。
住民の方たち、自治会の方たちは「なんとか海のほうに交番を建ててほしい」とお願いしていますが、建つ気配がない。
それで各自治会が夜間パトロールを始めてきています。犬の散歩と一緒に夜間のパトロールをしましょうとか、各自治会そんな動きもあります。そのなかで「お父さんたちの会でもやろうじゃないか」ということで、22日に実行されました。
参加者は27人。さすがに交番検察の要望のある地区だということもあり、27人のうちに警官が2名入っています。大人が16で、9人が子ども。あんまり大人数ではないですけれども、まず第一回を行いました。
大体1時間ぐらいのパトロールで、それなりに子どもたちは楽しかったということです。終わった後、アメリカっぽいところが出てくるんですが、子どもたちは焼きマシュマロ、お父さんたちには温かい飲み物が待っていたということ。
これが1月で、それ以外に5月の設立から校庭の剪定。校長先生は「お父さんの会」に期待をかけていらっしゃる。1週間ぐらいの長期間で田舎に子どもたちを連れていくということを、「お父さんの会」にいずれやってほしいと夢を語る熱心な校長先生です。
この植栽の剪定は、普通は業者さんが来て月曜日から金曜日の子どもたちがいる時間が作業になってしまうので、危ない。できれば、これをお父さんたちにやってほしいということで、慣れないことでもあり、ちょっとずつを土・日に時間を見てかけてなさっています。
この2月20日、3月19日というのは、JALのお父さん達のご協力いただいて整備工場の見学を企画しており、人数がずいぶん集まってきているとおっしゃっていました。お父さんが仕事をしている背中を見てほしいというのは常々お父さん達にはあるんですけど、なかなかそういう機会がない。
なので、JALの社宅があるということで、こういう見学会を企画することができました。できれば自分たちの職場をこういうような機会を通して、子どもたちに見てほしいというのがお父さんたちの夢だそうです。
この「お父さんの会」を担っていらっしゃる方たちの半分は、4月に日の出南小学校開校とともに分割されてしまいます。ことしやっと地固めができたのですが、ことしは半分になったところで地固めをもう一年頑張ろうと話されていました。
日の出南小学校へ行くお父さん達は、1年間の資産を背負って、PTAよりも先に「お父さんの会」をつくっちゃうぞという勢いでいます。
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